愛車への野良猫攻撃に悩んでいる人へ
のらネコを寄せつけない「KZ-0317」
メーカー:SHIMADA
価格:オープンプライス(購入価格:598円)

 

SHIMADAの「のらネコを寄せつけない」

 我が家の周辺は野良猫が多い。昔から多めだということもあるが、近所にエサをあげてかわいがっている人がけっこういるらしく、多数の猫の軍団が、塀を乗り越え縦横無尽に徘徊しているような状況になっている。

 野良猫が存在すること自体は、それほど気になっているワケではなく、たまに道ばたでなでて遊んでいるので、それでおあいこかとも思うのだが、こと洗車したての車の上に乗られるとなると話は別だ。汚れた猫の足跡が付いてしまい、かなりガッカリすることになる。さらに車のボンネットや屋根に登るために、ツメをひっかけることがあり、それによる細かい傷跡などが付くこともある。車を大事にしていれば、極力猫を寄せつけたくないというのが人情だろう。

自宅近辺は野良猫が多い。意外と人になついていてカワイイのだが……洗車直後の愛車に泥の足で乗られると困る。見事な足跡を付けてくれたこれはバイクのサイドカバーだが、樹脂パーツなので見事な爪痕がついてしまった(涙)
自宅のビルトインカレージ。後方が人の出入りなどのために、大きく開いている

 自宅にはビルトインガレージがあり、ほぼ密閉可能な空間なのだが、その後方が通気と人の出入りを考えて大きく開いていて、猫は自由に出入りができてしまう状況となっている。この空間を猫が通らないように工夫すれば、効果的に猫をガレージから遠ざけることができるハズだ。ちょうど車の後方にあたる場所になる。車から猫を遠ざけるためには、いくつかの手法が考えられる。

 まず、単純に防御としてシートをかけるという方法がある。これはもっとも有効だが、シートをかけたりしまったりという行為が大変である。さらに、車用シート生地は経験上なぜか猫が好むようで、シートと車の間に入り込もうとするため被害が拡大する可能性もある。そのためゴムバンドなどで、キッチリと止める必要もある。また、たたんだシートは居心地がよいらしく、トイレ代わりにするという習性もあるのも注意が必要だ。

 次に考えられるのは、センサーを利用して、猫が嫌いな超音波や光を発するという製品を取り付ける方法だ。これは予算がかかることが難点。また電源が必要だ。それが許せば確実な効果が期待できる。

 最終的に選んだのは、猫の嫌うにおいで近づけないようにするという手法だ。猫が嫌うニオイは諸説あり、柑橘系、木酢、レモングラスなどハーブ、コーヒーのカスなどが効くと言われているようである。こういった特定の動物が嫌うにおいがあることを利用した製品は、忌避剤と呼ばれるのだが、設置が手軽なので、まずはこの種の製品を試してみることにした。


のらネコを寄せつけないには、カレールーのような固形物がビニールパックに入っている

 今回選択したのは、SHIMADAの「のらネコを寄せつけない」という製品。でかでかと「プロ仕様の業務用」と書かれていたのを信用してみたのと、約60日の有効期間と価格のバランスがよかったことで選んでみた。ホームセンター(主に園芸用品売り場にある)などで入手可能だ。このSHIMADAは、主にネズミや害虫駆除対策をやっているようで、どうやら実績に裏付けされたもののようだ。

 「のらネコを寄せつけない」のパッケージを開けると、カレールーのような固形のブロックが2重のビニール袋に入った状態になっていた。このパックが2個入っている。細かく割ると4個になる個体が2パック、合計で8個入っていることになる。多めに欲しい場合には、200g入ったボトルの製品もあるのでそちらを選ぶとよいだろう。

 使用をするには、まずビニールに入った状態で未開封のままブロックを4つに割り、外側の袋を破いて開封する。内側のビニールは、通気するようになっているのでそのまま使う。また、完全にビニールを破いて露出させて、4分割したものを別々の場所に小分けして分散利用もできる。

 今回は効果を集中させたいので一点集中にしてみた。置いた場所から、約1mの範囲に効果があると言う。これは1つのパックのまま(小分けの4個分)置いた場合で、1/4に小分けした場合には20~30cm程度になる。

 設置の際には、有効成分やにおいが手につかないように、軍手をして作業するようにしたい。薬剤の置き場所は、雨に濡れるような場所でも構わない。有効成分が流れ出すことはない。

 「天然植物エキスを抽出した特殊なにおい」と書かれていたにおいだが、何となく正露丸っぽいような、かつお節っぽいような妙なにおいだ。正直言って人間にとってもあまり心地よいにおいではない。使い始め当初はかなりにおいがキツく周囲1mほどに近づくだけで強烈に感じる。部屋の窓近くや密閉した場所では、においで気分がわるくなるかも知れないので、注意したほうがよいだろう。風の通る場所であれば、3日ほどするとそれほど気にならなくなってくる。1週間ほど置くと、顔を近づけなければ分からない程度のにおいになった。においが消えたと感じても効果は変わらずに、約60日効果が持続すると書かれている。

 車の周囲で使う場合の注意点として、必ずトレーなどの上に置いて使うことが推奨されている。ボンネット上などに直接置くと、成分によって塗装を痛めるおそれがあるからだ。通気性のあるビニールに入っているとはいえ、黒い粉のようなものが出ており、通気穴を通って下を汚す。植木鉢を置くプラスチックトレーが安価(50~100円程度)でお勧めできる。一緒に買っておくのがよいだろう。


のらネコを寄せつけないの薬剤。穴の開いた通気性のパックがビニールパックに梱包されている使用前に、ビニールパックに入った状態のまま4つに割った外側のビニールパックをハサミなどで切って開ける
外側のビニールパックを開ければ、においが染み出すので、そのままトレーなどに置き使用するパックから完全に取り出し、小分けにした薬剤を別々の場所に置くという方法もある。ただし、この場合1つの有効範囲が狭くなる。車のまわりに置いて広く網羅するという使い方に有効だ
背面に設置日を記入するスペースがある。Sカンなどでぶら下げて設置することも可能になっている

 さて肝心の効果なのだが、なんと驚いたことに、薬剤を置いた日から本当に猫が来なくなってしまった。4、5日は設置位置を動かさず様子を見るようにと注意書きがあったが、様子を見るまでもなく効果てきめんのようだ。ビルトインガレージの後ろ部分は、室内から窓越しに見えるようになっているので、置きはじめて数日は頻繁に見ていたのだが、まったく猫の気配が感じられない。2週間程度使っているが、その間に猫がガレージに入った形跡もない。24時間監視カメラで記録しているワケではないので正確ではないが、これまでは毎日頻繁に複数の猫を確認していたので、これは明らかな変化だ。効果は確実にあると言ってよいだろう。

 しかし、それから数日後、猫がボンネットに乗った形跡を発見してしまった。ただこれは、夏の猛暑日に通気目的で、ガレージ正面側のドアを少し開けていたためだと考えられる。薬剤の効果がある距離からも大きく外れる場所となっている。そこで急遽ガレージの前側にも薬剤を追加した。これで車の周囲の対角線上に置いたことになる。車の前後に置けば、猫が車に乗ることはなくなるだろう。

 置くだけで効果が得られることが実感できるので、猫の被害にあっているならとにかく使ってみることをお勧めする。雨に当たって効果が衰えないため、青空駐車場ユーザーにもお勧めだ。


(村上俊一)
2010年 7月 30日

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