サブミラーで死角を極力減らす後付けバックミラー
M32 ミラー 3000R 補助ミラー付 270 ブラック
メーカー:カーメイト
価格:オープンプライス(購入価格:1980円)

 

 運転時の後方確認にはバックミラーとサイドミラーを使うが、これだけではどうしても斜め後方に死角ができてしまうことが多い。一般的な乗用車のバックミラーはコンパクトな平面鏡で、後方が大きく見やすく映るようになっている。これは後方車両を確認するには自然な見え方で適しているが、どうしても映る範囲が狭い。これを極力広く映るよう、新たなミラーをかぶせて装着するというグッズがある。

 このタイプの後付ミラーでは、主に曲面鏡を使っているケースが多く、狭い面積でもなるべく広く映るようになっている。これは遠近感が変わるので慣れる必要があり、感覚的にどうしてもなじまないという人もいるだろう。筆者は長年曲面鏡の後付バックミラーを常用しているので特に違和感はないが、それでも死角をすべてカバーできるほど広くは映らない。もう少しカバー範囲を広げたいと常々感じていた。

 今回は後付けのバックミラーで、死角になる部分をサブミラーで補助するタイプのカーメイト「M32 ミラー 3000R 補助ミラー付 270 ブラック」(以下、M32ミラー)を選んでみた。サブミラーが可動式になっていて、自由な方向に向けることができる。これを死角方向に向けることで、極力死角を減らすことができる。

 なお似たような姉妹モデルで、左側ミラーが大きい「PL104 グローバルミラー」もある。左後方重視ならこちらを選ぶのもありだろう。

カーメイト「M32 ミラー 3000R 補助ミラー付 270 ブラック」のパッケージカーメイト「M32 ミラー 3000R 補助ミラー付 270 ブラック」。ミラー側。メインと左右サブのミラーに3分割されている背面側。既存バックミラーに取り付けるためのフックがある
サブミラーは自由な角度に動かせる仕組みサブミラーは引っ張ると簡単に取り外せるサブミラー背面にはカードをはさむホルダーが用意されている。これは左右ともにある

 M32ミラーのメインミラーは、横幅270mmと大型で曲率半径が3000mmのごく緩やかな曲面になっており、違和感なく広い視界を確保している。これだけでも標準のバックミラーよりもかなり広い後方視界を確保できる。シンプルにこのメインミラーだけでよければ、カーメイトには横幅270mmで曲率半径3000mmの緩曲面鏡がシリーズとして多数ラインアップされているので、そちらを選べば安価にすむだろう。

 取り付けはワンタッチ。背面にあるバネによりテンションのかかった2本の支持棒を使って、標準のバックミラーに押しつけるようにかぶせるだけだ。シールなどで貼り付けるのではないため、気に入らなかったらいつでも取り外すことができる。これまでも似たような取り付け方法の後付けミラーを長年愛用していたが、振動で落ちた経験はなく、この製品も特に心配はないと思われる。実際に取り付けて走ってみても、落ちるような不安はなかった。

 取り付け可能なバックミラーは、高さが80mm以下で55mm以上、幅が180mm以上のものになる。また、最も上向きにして5mm以上隙間がないと取り付けができないので注意が必要だ。ほとんどの純正バックミラーで問題はないと思われる。

取り付け用のフックは、上部のバネで押さえつける仕組みになっているバックミラーに取り付けた状態。それほど威圧感はない標準のバックミラーはこのような状態

 取り付けてみると、メインミラーが大きく緩い曲面になっているため、格段に広い視野を確保できる。キツイ曲面で感じられる不自然さはまったくない。最初に付けて見た時には平面鏡かと勘違いしたほど自然な視界だ。これならワイドミラーに不慣れな人でも距離感がつかみやすいと思う。

 サブミラーのサイズは横幅50mm。サブミラーは斜めに見る必要があるため映る範囲が狭く、死角に向けるには少しコツがいる。停車中に死角部分に映っているモノを目標に調整するとよいだろう。調整する向きにもよるが、基本的にメインミラーとは連続せず分断されて見えるので、後部のどの辺が映っているのかアタマの中でよく把握しておかないと運転中混乱する。危険のないように目視と併用して確認しながら慣れていくとよいだろう。

 そもそもメインミラーがワイドなので、最初は主にそちらを使うつもりで、サブミラーは確認の補助として使えば安全だ。いずれにせよサブミラーは小さいので、モノの全体をはっきり確認するというよりは、死角にある人や自転車、車、バイクの気配を感じるという程度になる。これでも十分に周囲の情報収集の役に立つ。

 サブミラーは左右ともに背面にチケットホルダーがあり、横にスライドさせるだけで簡単に取り外しが可能になっている。一時的に手鏡として使うこともできるし、もし使ってみて邪魔だと感じたら取り去ってしまうこともできる。右側(運転席側)はサブミラーがなくても見やすいし、バイザーの邪魔になるので取り去りたいというような状況に対応できるわけだ。

 メリットというほどではないが、右後方を映したいのだがバックミラーに自分は映したくないという希望がかなう。きつい曲面鏡ではどうしても自分の顔が映りこむのだが、M32ミラーではメインとサブの間に入ってちょうど映らないように調整することができる。

この車の右側サイドミラーの端は部分的に曲面になっていて、わずかにターゲットの自転車が映っている右サブミラーには、本来は死角になるはずの自転車を映すことができる
同様に左側サイドミラーに、自転車はまったく映っていない、このような状態の時に……左サブミラーにはこのように死角の自転車を映すことができる
元のバックミラー(写真左)とM32ミラー(写真右)での見え方の違い。広い範囲の情報をとらえることができている

 注意したいのは、このM32ミラーのサブミラーを駆使したからといって、すべての死角が完全になくなるわけではない。あくまでも死角チェック程度にとどめ、車線変更時などは目視を行う必要がある。

 クーペタイプなど、後部ピラーが太めで後方視界の確保が難しい車には、とてもありがたい後付けミラーだろう。ぜひ安全運転に活用してもらいたい。

(村上俊一)
2012年 3月 30日

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