トピック
ドリキン土屋圭市氏、メルセデスAMGとコラボしたMSIの新型ハイパフォーマンスゲーミングノートPC「Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V」を試す!
- 提供:
- MSI(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社)
2023年9月15日 07:00
高性能なMSIのノートPCがメルセデスAMGとコラボレーション
クルマ好きな人たちは、クルマ以外のアイテムでも高性能で素材や加工技術にこだわりを感じるものを好む方が多いのではないだろうか。今や多くの人が使うようになったPCも性能やデザイン、作り込みが気になるアイテムであり、店頭に並ぶPCを見るときに「動作が速そうで見た目がカッコいい」製品に目がいってしまうのは筆者だけでないはず。
ということで、今回はクルマの話ではなくて「速くてカッコいいPC」を紹介させてもらおう。PCやPCパーツで世界的に大きなシェアを持つ台湾のメーカー、MSIが発売する「Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V」シリーズ。近年急速にユーザーが増えているゲーミングノートPCというタイプの製品だ。
このスペシャルなノートPCをCar Watch読者の皆さんに紹介するにあたり、普通の製品レビューではもったいない。そこで土屋圭市氏をお招きして、同氏による体験記という形を取らせていただくことにした。メルセデスAMGコラボの高性能ゲーミングノートPCというだけでも興味津々のところに、“ドリキン”土屋氏の参戦で一体なにが起きるのか?
メルセデスAMGとの関係は?
土屋氏の体験記に入る前に、メルセデスAMGとMSIのコラボレーションの背景について触れておこう。
メルセデスAMGという組織だが、これはメルセデス・ベンツグループに属し、F1をはじめとするモータースポーツに関わるクルマの開発を手掛けている。メルセデス・ベンツグループ自体がハイパフォーマンスを追求するクルマ作りを行なう集団だが、レーシングカー作りも担当する精鋭中の精鋭である。
MSIでは以前からゲーミングノートPCに対して高性能であることだけでなく、高品質やデザイン性に優れる作りをしてきた。その中でも、とりわけパフォーマンスとラグジュアリー感の両立を目指したノートPCを開発するにあたり、最適なパートナーとして選ばれたのがメルセデスAMGだった。
ちなみにMSIは、2023年2月3日に開催された"Bathurst 12 Hour"へ出場したMercedes-AMG Team Craft-Bamboo Racingのスポンサー実施や、2023年6月29日-7月2日に開催された”Crowdstrike 24 Hours of Spa”へ出場したMercedes-AMG Team AKKODIS ASPのスポンサーを実施するなどメルセデスAMGと関わり合いが多いのもコラボレーションの理由の1つとなっている。
メルセデスAMGとのコラボレーションで誕生した「Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V」シリーズ。これまでのMSI製品同様に高性能な製品ではあるが、パフォーマンスとは別の部分でユーザーの所有欲を満たすような作り込みをしていた。
特徴的な部分では、本体素材にレーシングの世界でも使われる軽量で強度のある「マグネシウム合金」を使用しているのが挙げられる。マグネシウム合金を使うことで本体を軽量に仕上げることができるが、この素材選定はただ軽くするというだけの意味にとどまらない。レーシングカー作りにも使われる素材を用いることで、見た目や本体に触れた触感などでレーシーなイメージを持ってもらうことも考えているのだ。
実際に手に取ると16インチPCながら1.88kgの軽さに驚くが、同時にマグネシウム合金ならではの質感は機械としての高級さを感じさせる。ボディカラーの「セレナイトグレー」もメルセデスAMGの実車の人気色。そんなPCにメルセデスAMG Motorsportのロゴが入っていることになんら違和感はないのだ。
ハイエンドのゲーミングノートPCをドリキン土屋圭市はどう評価する?
今回の企画の主役は土屋氏だが、普段PCは使わないという同氏に分かりやすくレクチャーしていただくために、MSIスペシャルアドバイザーを務める清水貴裕氏に同席いただいている。この清水氏は、PCをどこまで速く動作させられるかを競う“オーバークロック”という競技(ドラッグカーレースのイメージに近い)の世界大会に何度も出場しているPC業界の達人だ。
土屋氏は仕事としてメルセデスAMG車を含むメルセデス・ベンツの新型が出るごとに試乗しているし、個人的にもメルセデスAMGのクルマ作りやメディアに対する姿勢が好きだという。
土屋氏によると、メルセデスAMGのニューモデルをサーキットなどで試すとき、メルセデスAMG側から「思い切って走ってください」と言われるそうだ。そうなるとタイヤやブレーキの消耗などが気になるところだが、メルセデスAMGはそんなことよりクルマが持つ魅力を体験してもらうことを最大限に優先している。ゆえに「遠慮はいらない」という姿勢だ。だから土屋氏も試乗には真剣に取り組んでいるという。
土屋氏はプライベートでPCを使用することがないというが、Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズには興味津々。実車をよく知るメルセデスAMGの強烈なフィロソフィが、ジャンルの異なるゲーミングPCにどのように活きているのか、清水氏に問いかけていた。その中で、本体がマグネシウム合金であることや、ハイパフォーマンスゆえ発熱が多く、その対策で冷却対策が高度であることなど、クルマにも通じるメカ的な話題では明らかに清水氏の解説に聞き入っているのが印象的だった。
ちなみに収録前、清水氏はStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズの話を進めるうえで知っておいてほしい、ノートPCの処理速度に関しての初歩的な解説をしてくれた。
清水氏によると「ひと昔前のチップ(CPUと一体化したパーツ)は負荷を掛けるとものすごく熱くなるものでした。それだけに冷却のための手段が限られているノートPCで高性能なチップを使うときは、デスクトップ型と比較してかなり性能を下げたところまでしか使うことができなかったんです。だけど最近のチップは発熱を抑える作りになってきたのでノートPCにも使いやすくなりました」という。
そして「チップ自体の発熱が下がったとは言え、高負荷で使えば温度は上がるのでそうした使い方をすればパフォーマンスの低下はやはり起こります。でも、そこに優れた効果を発揮する冷却技術を組み合わせることで、ノートPCであってもデスクトップPCと同等の性能を発揮させることができるようになりました。こういう風潮は2021年頃から急激に盛り上がってきたことで、大きな要因はインテルというメーカーがチップの作り方を変えてきたことでしょう。従来のチップではコアという演算のための回路が少なかったのですが、新しいチップは性能を出す回路とあまり発熱しなくて電力も消費しない回路の2つを同時に搭載してきました。これをハイブリッドアーキテクチャと呼んでいます。そしてその作りの恩恵により演算できる回路を増やすことができ、結果的に性能が大幅に向上したのです。しかもハイブリッドアーキテクチャはスマートフォンなどモバイル製品に使用されることを意識した設計になっています。そこにMSI独自のハイブリッド型ヒートパイプを採用した新設計の強冷クーラー『Cooler Boost 5』を使用したことで、ノートPCでもデスクトップに引けを取らない性能が実現できたのです」とのことだった。
そして今度はStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズの大きなポイントである、映像のきれいさに関わるGPUについて解説してくれた。清水氏はPCのモニタを土屋氏に見やすいよう向けながら「GPUというグラフィックの性能を左右するチップがあります。今回ご用意いただいたStealth-16-MercedesAMG-A13VG-063JPにはNVIDIAのGeForce RTX 4070 Laptop GPUというGPUが使われています。それも相まってノートPCの性能は2021年頃にブレイクスルーした感じですね」とのこと。
このように、PC自体の能力が高まるとそのハードの性能を使ってさまざまなものを表現していくソフト側の表現も広がるものだ。この例としては家庭用ゲーム機のPS4とPS5の違い。PS4に比べて進化したPS5はグラフィックスがきれいになっているが、これこそハードの性能にあわせてゲームを開発した結果だという。
とはいえ、そもそもの話として「ノートPCでハイクオリティなゲームをすることは少し前までは“やれないこと”だったんですよ。先ほどの性能のいいハードに合わせたゲームがあってもそれはデスクトップPCでプレイするものだったのですが、Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズは問題なくプレイできるようにしている。これはPCの世界にどっぷりはまっているボクらから見てもとてもすごいことなのです」と清水氏は語った。
こうした解説を聞いたあと土屋氏に印象を聞いたところ、「すごく分かりやすい説明で、よく分かっていないなりにPCを作る側の技術力の高さを感じた。それに素人目に見てもこれ(Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズ)はデザインがカッコいいよね。清水さんの話を聞いたあとだから余計そう見えるのかな。とにかくメルセデスAMGとのコラボと聞いていたのでどんなものかと思っていたけど、こだわりが感じられるし、こういうPCもあるんだね」と好意的に語ってくれた。
そしていよいよStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズを使ってのゲーム体験。用意されていたのは土屋氏の愛称“ドリキン”にちなんで選ばれたドリフトゲーム「Drift King」と、リアルさを追求したレーシングゲーム「Forza Horizon 5」の2種類で、前者はゲームパッド、後者はステアリングコントローラーを使用してプレイした。
まずDrift Kingから。シンプルなグラフィックスのゲームタイトルを、カジュアルに楽しむシチュエーションだ。清水氏が、シンプルなグラフィックスも有機ELで表示すると(フォトリアルとは異なる方向で)よりリッチになることを説明すると土屋氏も納得。土屋氏は当初はゲームパッドでの操作に戸惑っていたが、慣れてくるとゲームとしての楽しさに気付いた様子。近年、レーシングゲームの実力者が実際のレースシーンへと進む事例を挙げながら、ゲームの持つ可能性をポジティブに語っていた。
2本目のタイトルは、人気の大作レーシングゲーム「Forza Horizon 5」。こちらはリアルなグラフィックスと動きが魅力。最新PCゲームの凄さを体験していただくために、家庭用としてはハイグレードのレーシングコントローラを一式用意した。
一般的にはこのレベルのコントローラを使う際は大型のデスクトップPCを組み合わせるが、ハイスペックなStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズであれば問題はない。
そして、この本格装備を目にした土屋さんは、なんとトレードマークであるグリーンのレーシングスーツを着用! 清水さんも撮影スタッフも一気にテンションマックスに。
トレードマークのグリーンのレーシングスーツに着替えた土屋氏がコントローラーの前に座ってステアリングの動きなどをチェックする。自宅でもゲームはやらないというだけに、ステアリングコントローラーの動きやゲーム内のクルマの動きに戸惑うところもあったが、そこは土屋氏。対応も早くて少しプレイすると走りは安定した。
ただ、今回はゲームの評価ではなくて、Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズのグラフィックやサウンドを体験してもらうのが目的なので、上達してきたところでいったん止め、プレイした印象を聞いてみたところ、真っ先に話したのが「グラフィックスがきれい」という点だった。
普段はゲームをしないと言っても仕事で各種のレースゲームを体験しているそうだが、それらと比べても「きれい」ということ。そしてそれがStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズに使われているGPUの性能や冷却技術によるものと清水氏から解説が入ると、改めて納得の表情を見せた。
MSIのStealth-16-MercedesAMG-A13VG-063JPの詳細をチェック
Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13Vには3つのグレードがあり、今回紹介するのはハイスペックの「Stealth-16-MercedesAMG-A13VG-063JP」というモデル。
本体は21.55mmという薄さで重量も1.88kgと軽量。PCの主要な計算処理を行なうCPUにはインテルの最新高性能モデル Core i9-13900H(14コア/20スレッド)を、グラフィックスを処理するGPUにはNVIDIAの最新世代モデル「GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を搭載することで、グラフィックスの美しい最新ゲームをストレスなくプレイできるようになっている。
搭載するOSはWindows 11 Pro。ノートPCとしてのバッテリ駆動時間は、リチウムイオンバッテリを搭載して最長で10時間。もちろんAC駆動も可能。microSDカードリーダーを装備(microSDXC対応)し、Webカメラは207万画素(顔認証機能対応、マイク内蔵)プライバシーシャッター付きだ。
こうした高性能プロセッサ搭載PCはパフォーマンスを発揮する際に多くの電力を消費するので同時に熱も多く発生する。また、ゲームは高負荷の状態で長い時間プレイするものだから、CPUもGPUも熱を帯びる傾向になりがちだ。そのため、プロセッサ能力を重視するゲーミングPCでは、発熱への対策が重要になっている。
とはいえこの点については簡単なことではない。ケースが大きいデスクトップ型でも熱が厳しくなりがちな環境に対して、薄型ノートPCでどう対応しているかは気になるところだが、そこは最も力が入っていて、まさにMSI渾身と言える冷却技術で対応している。
Stealth-16-MercedesAMG-A13VG-063JPに組み込まれているのはハイブリッド型ヒートパイプを採用した新設計の強冷クーラー「Cooler Boost 5」。さらに薄型の筐体ながらスペースを工面し、外気を効果的に取り入れて多く抜くという吸気&排熱のための構造も盛り込んでいて、高いゲーミング性能が安定して長時間発揮できるように設計されている。
クルマのエンジンルーム、特にハイパワーなエンジンほど熱のコントロールに配慮していて、グリルの形状やラジエータなどの冷却装置、それにエンジン内部の水路の作りや冷却水の流し方、そして空気の抜き方などが非常によく考えられているものだが、それと同じように高いパフォーマンスを出すために熱への対策を追求しているのだ。
ちなみに熱をパワーに変換するエンジンには変換に適した温度があって、冷却のための構造はそこに合わせるよう(余力も持って)作ってあるのだが、プロセッサの場合は冷やすほどパフォーマンスが出る。冷却に対する考え方は大きく違うものの、クルマの構造に興味を持つ人であれば、Stealth-16-MercedesAMG-A13VG-063JPの「冷やす」という技術やその成果に興味はあるだろう。
次に注目したいのは映像を映し出す16インチディスプレイ。ここは3840×2400ピクセルの4K+超高解像度、DCI-P3規格相当の広色域を持った有機ELディスプレイ(DisplayHDR 600 TrueBlackに対応)を採用することで、高性能プロセッサと冷却装備の効果をフルに発揮した高精細で美しい映像を表示させることが可能になっている。
メモリは64GB(32GB×2)。一般的なゲーミングPCでは32GBで十分と言われている中で、実に2倍である。アプリケーションやゲームを格納するSSDはノートPCとしては大容量の1TB。このあたりにも、どんな局面でも余裕を持って対応できるメルセデスAMGらしさが体現されている。実用面から見ても、ゲーミングノートPCというカテゴライズではあるが、グラフィックスを美しく表示でき、写真や映像の編集も素早く行なえる能力があるのでクリエイティブワークにも、ビジネスアプリを使う仕事用のPCとしてもバリバリ使えるものである。
映像は外部モニタにも出力できるので映像鑑賞が趣味の人にも向いている。映像関連の端子はThunderbolt 4 Type-C(USB PD対応)と、USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力対応)がそれぞれ1つずつある。ほかのポートはUSB3.2 Gen2 Type-A、HDMI、オーディオコンボジャックとなっている。
ということで、こうしたやり取りに関しては土屋氏のYouTubeチャンネルを見ていただきたいが、何はともあれStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズというハイエンドゲーミングノートPCはゲーマーだけでなく、クルマやモータースポーツが好きな人にとっても所有欲を満たせる「魅力的な機械」といえる。
そしてStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズが活躍するPCゲームの世界は、Windows PCという世界中の国で使われる環境をベースにしているので、例えばレースゲームにしても家庭用ゲーム機のソフトとは比べものにならないくらい種類は多く、世界のゲーマーとの対戦もできる環境だ。現代のゲームの世界は魅力にあふれている。そんな世界を体験してみたいと思ったら、愛機としてStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport A13V シリーズを選ぶのは正解といえよう。
Forza Horizon 5:(c) 2023 Microsoft
Drift King:Game By Giorgi Abelix Abelashvili Giorgi Abelashvili, from Georgia
Photo:若林直樹