【2013ジュネーブショー】
三菱自動車、スタイルの異なる2台の次世代モデルを世界初公開
次世代EV「Concept CA-MiEV」、PHVのSUV「Concept GR-HEV」
(2013/3/11 17:14)
EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド)、クリーンディーゼルと矢継ぎ早に次世代環境車をリリースしてきた三菱自動車工業。ジュネーブショーで用意したワールドプレミアモデルは、次世代EVのコンセプトカー「CA-MiEV」と、スポーツ・ユーティリティ・トラック(SUT)の「GR-HEV」。
CA-MiEVは、2009年から量産を開始しているEV「i-MiEV」の技術を革新したコンセプトカー。CAとは「Compact&Advanced technology」の略で、つまりコンパクトなボディーに進化した技術を投入するという意味合いが含まれている。特徴となるのは、高密度の最新型バッテリーと、ボディーの軽量化、空力特性の向上にある。バッテリーやボディーに改良を加えることで、航続可能距離は300kmに到達するとしている。
エクステリアデザインは、Cd値を削減するために滑らかかつ躍動感のあるフォルムに仕上げている。ハッチバックのリアゲートは段差を付けた独特なデザインで、CA-MiEVの特徴的な部分でもある。これらの空力処理を与えた結果として、グローバルコンパクトカーのセグメントではトップとなるCd値0.27をマークしているそうで、さらなる空力特性の向上を目指していると言う。
一方の「GR-HEV」は、SUVにプラグインハイブリッドを用いるという新たな試みをした、「アウトランダーPHEV」の考えから派生したモデル。車格やボディータイプによって最適なパワートレーンを搭載するという同社の狙いがあるようで、GR-HEVに選ばれたのはクリーンディーゼルにモーターをプラスしたハイブリッド。
2.5リッターディーゼルエンジンに1モーター式ハイブリッドを組み合わせたパワーユニットのスペックは公表されていないが、 CO2排出量は149g/kmと同セグメントの平均を50g/kmほど上回っている。駆動系はランサーなどで培われたS-AWC(Super All WheelL Control)に4つのモードが選択できる「スーパーセレクト4WD」をセットすることで、高度な走行制御を行っている。
都市型の実用的なEVとピックアップとSUVの性能を持ち合わせたディーゼルHEVという方向性の異なる2台のコンセプトモデルを発表した三菱自動車。これからも次世代環境車の開発に邁進する姿勢を大いに感じさせるプレスカンファレンスとなった。