東京モーターショー2013

三菱自動車、「電動車両のリーディングカンパニーを目指す」と表明

電動車両技術をアピールする3台のコンセプトカーをワールドプレミア

MITSUBISHI Concept GC-PHEVを紹介する三菱自動車の益子修社長
東京ビッグサイト 西2ホール 1階

会期:11月20日~12月1日(一般公開日:11月23日~12月1日、プレビューナイト:11月22日17時30分~)

 三菱自動車工業は11月20日、東京ビッグサイトで開幕した「東京モーターショー2013」の西2ホールに展開する三菱自動車ブースでプレスブリーフィングを実施。「MITSUBISHI Concept GC-PHEV」「MITSUBISHI Concept XR-PHEV」「MITSUBISHI Concept AR」という3台のコンセプトカーを世界初公開した。

 三菱自動車の東京モーターショー出品概要は、関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131104_622088.html)でも事前に紹介しているのでご参照いただきたい。

西2ホールの三菱自動車ブースでは、ブース中央に3台のコンセプトカーを展示。このほかに11月20日~22日までのプレスデーには2014年初頭に発売する新型軽自動車「eKスペース」「eKスペース カスタム」など合計13台、11月23日~12月1日の一般公開日にはコンセプトカーの「MITSUBISHI Concept GR-HEV」を5台の市販モデルに変更して合計17台を展示する
「ドライバーだけでなく、乗る人みなさんに“三菱自動車のクルマは走りが頼もしい”と感じてほしい」と意気込みを語る三菱自動車の益子修社長

 このプレスブリーフィングで三菱自動車の益子修社長は、世界各地で頻発する自然災害を引き合いに出し、地球温暖化や異常気象について我々1人1人がもっと関心を持ち、よく考える必要があると語る。自分たち自動車メーカーは地球環境に対する提案を積極的に行う使命を持ち、三菱自動車では自分たちが造っている技術と商品を通じて少しでも地球環境を守り、人々の生活を守ることに貢献したいと考えているとコメント。そんな環境問題への対応を大前提にしつつ、地球上のいかなる路面でも誰もが安心して楽しく走れるといったクルマ造りを推進。このために、「環境への貢献」「走る喜び」「確かな安心」を3本の柱に掲げて次世代先進技術の開発を進めていくとしている。

 具体的な施策としては、とくに持続可能なクルマ社会を実現するため、EVやPHEVといった電動車両を積極的に投入し、グローバルでCO2排出量を削減。2020年には電動車両の生産比率を20%にすることを目標にして、電動車両技術のリーディングカンパニーを目指すと表明した。

益子社長の合図でステージ上に並べられた3台のコンセプトカーをアンベールして世界初公開。ステージ中央には次世代ラージSUVの「MITSUBISHI Concept GC-PHEV」が置かれていた
登場した3台のコンセプトカーは、それぞれ「FR PHEV」「FF PHEV」「マイルドハイブリッド」と異なるカテゴリーをカバーする先進的な電動車両技術を紹介するモデルとなっている。こうした走行中にCO2を排出しない電動車両によって環境問題に貢献し、電動車両技術のリーディングカンパニーを目指すと表明している

 また、「走る喜び」ではドライバーが安心してクルマを思うように操れたときに喜びを感じると考え、2WD、4WDを問わず路面状況や走行状況に応じて4輪を制御する技術を積極的に展開。「確かな安心」では現在の予防安全技術「e-Assist」にコネクテッド・カー技術を与え、各種の情報や操舵支援を追加して将来的な高速道路での自動走行、自動駐車といった運転支援技術の開発に取り組んでいく。こうした3ジャンルの先進技術を「@earth TECHNOLOGY(アット・アース・テクノロジー)」と総称。これによって三菱自動車のクルマ造りがニューステージに移行すると紹介した。

「@earth TECHNOLOGY(アット・アース・テクノロジー)」では電動車両技術による環境対応のほか、車車間通信や路車間通信による運転支援、自動ブレーキ技術といった先進安全技術の開発も推し進めている

 ブースではプレスブリーフィング中に公開された3台で将来的な三菱自動車のクルマ造りの方向性と積み重ねている電動車両技術について紹介するほか、2014年初頭に発売予定の新型軽自動車「eKスペース」1台、「eKスペース カスタム」2台を展示。さらに6月にリリースして好評を得ている軽トールワゴンの「eKワゴン」「eKカスタム」各1台、電動車両の市販車であるi-MiEVとアウトランダーPHEV、電動車両技術を勝負の場でブラッシュアップするべくレース参戦したMiEV Evolution IIとアウトランダーPHEV・アジアクロスカントリーラリー仕様車など多数の車両を展示している。

MITSUBISHI Concept GC-PHEV

FRタイプのPHEVシステムを搭載したフルタイム4WDの次世代ラージSUV「MITSUBISHI Concept GC-PHEV」
車内には完全に独立したシートを4脚備える4人乗り
ブース内にはMITSUBISHI Concept GC-PHEVが採用する「タクティカルテーブル」「AR フロントウインドシールド」などのコンセプトを体感できるインテリアデモ機も用意されている
特徴的な形状のステアリングの奥にあるメーターパネルは全面ディスプレイタイプ
車両のセンターを縦断する「タクティカルテーブル」では、マップ表示をスワイプ操作したり、ロングタップするとエアコンの操作パネルなども表示できる

MITSUBISHI Concept XR-PHEV

FFタイプのPHEVシステムを搭載する次世代コンパクトSUV「MITSUBISHI Concept XR-PHEV」
ルーフ後端には可変スポイラーを装着し、走行状態に応じて角度を調整可能
Aピラー内部のラダー構造をシースルーにして強靭な骨格をアピール

MITSUBISHI Concept AR

48Vのリチウムイオンバッテリーを組み合わせた「マイルドハイブリッドシステム」を採用する次世代コンパクトMPV「MITSUBISHI Concept AR」

MITSUBISHI Concept GR-HEV

3月のジュネーブショーでワールドプレミアされ、日本では初公開となるプラグインハイブリッド車のスポーツ・ユーティリティ・トラック(SUT)「MITSUBISHI Concept GR-HEV」。2.5リッターディーゼルエンジンに1モーター式ハイブリッドを組み合わせたモデル。この車両は11月22日までの展示となる

「eKスペース」「eKスペース カスタム」

新型軽自動車「eKスペース」
新型軽自動車「eKスペース カスタム」
eKスペースは大型スピードメーターを中央に配する1眼式メーター
eKスペース カスタムはタコメーターとスピードメーターを並べた2眼式メーター
タッチパネルオートエアコンを装備充実
両側電動スライドドアは一部グレードに標準装備する
eKスペースとeKスペース カスタムにはバードアイビューモード付きの「マルチアラウンドモニター」を新設定
リアビューモニター付きルームミラーや大型のフロントクォーターガラスで視界良好
助手席側のワンタッチスライドドアは全車標準装備
eKスペースの前後シート
eKスペース カスタムの前後シート
リアシートは分割可倒式で左右別々に前後260mmスライドするほか、シートバックを前に倒したあと座面ごと前方にダイブダウン。さらにシートバックはリクライニング可能で、リアシートとラゲッジをさまざまに使い分けできる
シート表皮には撥水加工が施され、助手席シートのシートバック背面に折りたたみ式のテーブルを設置
助手席シートアンダートレイはシートの前後どちら側にも引き出し可能
両側のスライドドアにはロールサンシェードを内蔵
ルーフの中央にリアサーキュレーターを装備。前方からエアコンの風を取り入れてリアシートまで循環させる。収納ボックスも設定している
eKスペースとeKワゴン、eKスペース カスタムとeKワゴン カスタムを並べて展示
11月14日に新登場したi-MiEV Xを展示。従来の3灯から2灯に変更しながら明るさを約20%向上させたLEDヘッドランプ、新型駆動用モーターの採用、上級仕様内装のオプション化などによって車両価格引き下げを実現。また、普通充電器も一部仕様変更している
アウトランダーPHEVと技術解説用の車両カットモデルを展示
アジアクロスカントリーラリーで総合17位完走を果たしたレース仕様のアウトランダーPHEVも展示
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2013に参戦したMiEV Evolution II

編集部:佐久間 秀