東京オートサロン2014
トヨタ、ニュルブルクリンク24時間に5.3リッターの「LFA CodeX」などで引き続き参戦
ブースには「マークX」「ハリアー」「ヴィッツ」ベースのカスタムカー
(2014/1/11 05:37)
メインホールから少し離れた北ホールにブースを構えるトヨタ自動車。広いスペースには「86」や「LFA」をベースにしたレース車両、GRMNやG'sのカスタマイズモデルなど、数多くのクルマが展示されている。
開幕初日に行われたプレスカンファレンスで壇上に立った同社代表取締役社長 豊田章男氏は「ドライバー、モリゾーこと豊田です」とブースに訪れたファンに挨拶し、年初の楽しみとなっている東京オートサロンで「どんなクルマ、どんな笑顔に出会えるのか、1人のクルマ好きとしてワクワクしながらこの会場にやってまいりました」と語った。
その後、86とBRZが多くのカスタマイズメーカーやチューニングショップで「こだわりと愛情にあふれたイジられ方」をされ、レースやラリーで活躍、モータースポーツの広がりと盛り上がりに少しでも貢献できているのは嬉しいと述べた。さらに自身が86を駆りラリーに参戦したことに触れ、「参加者、ファン、運営者、そして地域の皆様、それぞれの距離や思いが近いことがラリーで育まれた素晴らしい文化であり、大きな魅力」と述べるとともに、三菱自動車工業やスバル(富士重工業)が育んできたその場所に、「86によってやっと私もその仲間に入れていただくことができた」と語った。
2007年から始めたGAZOO Racingの活動については「クルマ好きをもっと増やそう、いいクルマを作ってもっとクルマを好きになってもらいたい」、そのためには「道がクルマを鍛え、極限のレースの環境の中で人を鍛える。この活動を通じてもっといいクルマを作り、クルマ好きの期待に応えたい」という思いがベースになっているとした。
その一環として参戦を続けているニュルブルクリンク24時間レースだが、2014年は2台のLFAと86の計3台体制で参戦することを発表。LFAのうち1台は「Code X」と名付けられ、排気量を5.3リッターまでアップ、ホイールベースを200mmあまり延長した先行開発車的な役割を持つモデルであることを明かした。ドライバーはLFAが木下隆之、石浦宏明、大嶋和也の各選手、LFA Code Xが飯田章、脇阪寿一、井口卓人の各選手、86が影山正彦、佐藤久美、蒲生尚弥の各選手が乗り、モリゾー氏自身はチーム代表に専念。ドライバーとして参加することはない、とした。
展示車両
ブース内に展示される車両は計15台。その中でも注目したいのが「G's」「GRMN」の出展車をはじめとしたコンセプトモデル達だ。どのクルマも市販を前提とした作り込みが行われており、早ければ今年の春ごろには姿を現すモデルもありそうとのこと。特に「GRMN」モデルは今までのパターンだと100台程度の限定モデルになるため、興味があるなら早めにチェックしておいたほうがよさそうだ。
●GRMN MARK X Concept
今となっては貴重なFRセダン「MARK X」。そのカスタマイズモデルとなるカーボンルーフ仕様をベースに、V型6気筒3.5リッターエンジンと6速MTを搭載。専用チューンのサスペンションやLSD、大径ディスクブレーキなどを採用し走りが楽しめるモデルとなっている。
●HARRIER G SPORTS Concept
昨年末にデビューした新型ハリアーをベースとした、G's初のスポーティSUV。18点ものスポット増しやブレース類による剛性アップに加えローダウン、20インチの大径タイヤによりスポーティな走りを実現。インテリアでも専用カラーのメーターを採用するほか、シート表皮やステッチ、加飾の変更によりスポーティなムードが高められている。
●Vitz RS G SPORTS Concept
同車はすでにカタログモデルになっているが、展示車両はそのマイナーチェンジ版。スプリング&ショックアブソーバー、EPSなどのセッティングが変更されているほか、シートやホイールも新デザインのものにチェンジ。こちらは春ごろにこれに近い姿で登場しそう。
●TE-Spyder 800
業務外の時間を使って活動するトヨタ技術会の手によるコンセプトカー。大衆車「パブリカ」からヨタハチが生まれたことにインスパイアされたモデルで、通称は「テスハチ」。「MR-S」をベースに「プリウス」のハイブリッドシステムが移植されている。バッテリーはボディー中央、フロアトンネル部分に配置され、低重心化とともにミドシップならではの回頭性に寄与。1tを切る車重と低速トルクを重視したセッティングが施された1NZ-FEエンジンにより、0-100km/h加速は5.8秒をマークする。
●86×style Cb/86×style Cb spyder
女性開発チームによるプロジェクトから生まれたモデル。86オリジナルモデルの「ちょっとコワイ」フロントフェイスを、ヘッドライトやバンパーの変更により、親しみのある表情にチェンジ。同時にフロント75mm、リア15mm延長することで、ボリュームがありつつプロポーションのよいスマートなフォルムを実現している。インテリアはダークブラウン系のレザーを中心としたコーディネート。長く乗ることができるオトナの上質感を演出する。クーペボディーのモデルは市販予定で、価格は450万円~500万円を目指して開発中という。
●そのほか
TOM'Sからクラウンアスリートベースのコンプリートカーが出展されているほか、ラリーや耐久レースに参戦した86が展示されている。