東京モーターショー2015

スバルも2020年に高速道路上で自動運転へ

2015年10月30日~11月8日一般公開

「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」を中央に据えるスバルブース

 「第44回東京モーターショー2015」プレスデー初日の10月28日、スバル(富士重工業)ブースにて行われたプレスカンファレンスにて、代表取締役社長 吉永泰之氏から、スバルが取り組んでいる自動運転の方向性および現段階でのロードマップについてのスピーチが行われた。

富士重工業 代表取締役社長 吉永泰之氏

 スピーチの冒頭、「私たちスバルは単なる移動手段の道具ではありません。ユーザー一人ひとりにワクワクするような瞬間、かけがいのない思い出を作り、もっと豊かな毎日をお届けする、ユーザーの人生に寄り添うパートナーでありたい」との理念を語り、その想いを込めた今回のスバルブースのテーマは「NEW SUBARU STORY」とのことだ。

 その理念を具現化したものの1つが世の中の交通事故をゼロにしたいというスバルのエンジニアの強い想いから生まれたEyeSight(アイサイト)であり、EyeSightがもたらす安心と楽しさを目的としたドライバーのための運転支援の延長線上にスバルらしい自動運転があると説明した。

 2010年のver.2で全車速域での衝突回避を可能とし、2014年のver.3では世界に先駆けて部分自動運転を実現したEyeSightをベースにセンサーを追加、さらに地図データ、GPS等を活用した自動運転の開発に取り組んでいるという。

 また日本のJNCAP予防安全性のアセスメントや米国のIIHSの安全評価でも「トップセーフティピック+」を獲得するなど高い評価を得た総合安全性能をさらに高め世界トップを堅持するため今まで車種ごとに培ってきたノウハウをすべての車種で共有化する新しいプラットフォーム「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」を次期インプレッサから導入するとのことだ。この次世代プラットフォームの導入で、スバルは世界トップレベルの安全性能を堅持すると同時に、今後のスバルの自動運転車や電動化車両など新しい時代に求められる設計要件にも対応すると説明した。

 なお現時点での計画では、2017年には高速道路上での渋滞時追従、2020年には高速道路上での自動運転を実現するという。

スクリーンで自動運転のテスト風景を紹介した
JNCAPやIIHSで高い安全評価を得るスバル車
2017年には高速道路上での渋滞時追従、2020年には高速道路上での自動運転の実現を計画

 また初公開された「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」についてはスピーチで説明した次世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」採用のモデルであり、EyeSightを進化させた自動運転に加えダウンサイジングターボボクサーエンジンと次世代ハイブリッドシステムを組み合わせたパワーユニットや次世代コクピットを採用した内装など、スバルが提唱する安心と楽しさの将来像を形にしたブランドコンセプトモデルだと説明した。

スバルが提唱する安心と楽しさの将来像を形にしたブランドコンセプトモデル「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」

 同じく初公開された次期インプレッサのデザインスタディモデルとなる「IMPREZA 5-DOOR CONCEPT(インプレッサ ファイブドア コンセプト)」はスバルの新しいデザイン思想「ダイナミック&ソリッド」を用い車の躍動感、塊感を表現するとともに徹底した空りき処理を織り込むことでスポーティーな走りを予感させるモデルに仕上げた。なお次期インプレッサは2016年末の市場導入を予定している。

初公開された次期インプレッサのデザインスタディモデルとなる「IMPREZA 5-DOOR CONCEPT(インプレッサ ファイブドア コンセプト)」

 スバルブースでは先に掲載したクルマのほか、29日より「レガシィ アウトバック Limited Smart Edition」「レヴォーグ1.6GT EyeSight S-style」「SUBARU BRZ GT300」が追加展示される。

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員