東京オートサロン 2016

「S660」や「コペン」など最新のカスタマイズスポーツカーも数多く出展

ノーマルの高い性能をどのようにカスタムするかが腕の見せどころ

2016年1月15日~17日開催

 東京オートサロンの主役であるカスタマイズカーの注目車種として「NDロードスター」「4代目プリウス」についてはすでにお伝えしたが、この2台以外にも旬といえるベース車両がある。

 2015年の販売開始以来、多くの受注を獲得して一時は納車まで1年以上待つと言われたのが「S660」だった。約20年ぶりにホンダがリリースした軽MRスポーツは、カスタマイズシーンでも大活躍を見せている。ノーマルの質感やハンドリング性能がよいだけに、どのような手法でカスタマイズするかはアフターメーカーやショップの腕の見せどころとなる。

 そのほかにも、S660のライバルとなる「コペン」などを中心に、注目のカスタマイズカーを紹介していこう。

八千代工業

 S660を製造している八千代工業が提案するカスタマイズカー。ルーフとエンジンフードには、CFRP素材を使った軽量でスポーティなアイテムを用意。内装パーツにも鮮やかなカラーリングも用いたパネルを装着している。塗装方法は独自の技術を使ったもので、近くによると幾何学模様が見える斬新なもの。外装カラーは自社のラッピング技術を使用して、オレンジのベースにストライプを入れている。

ホンダアクセス

 ホンダ純正のアクセサリーメーカーとなるホンダアクセスが製作した「S660 Neo Classic Concept」。フロント、リアまわりともにノーマルのデザインから大幅に変更を加え、レトロな雰囲気に仕上げている。違和感のないその仕立ては、さすがにメーカー直系メーカーといった印象。

ブリッツ

 ブリッツが製作したS660は、サーキットコンセプトの「Spec C」。外装はオリジナルで、カーボン製のリップスポイラー、サイドステップ、GTウイング、エアダクトを装備している。スポーティな外装とホワイトとブラックのツートンカラーにより、引き締まった印象を与えている。マフラーやサスペンションなどの機能パーツも用意。

YOKOHAMA WHEEL

 横浜ゴムのホイールブランドとなるYOKOHAMA WHEELのブースに展示されていたS660には、同社のADVAN Racing RZ IIがセットされている。スポーツカーには王道の10本スポークタイプのホイールで、S660のエクステリアデザインにマッチ。ブレーキは、エンドレスの4ピストンキャリパーとローターを装着している。

BRIDE

 高いホールド性や優れた座り心地で人気のシートメーカーであるBRIDE。展示車のS660には開発中のA.i.R.と呼ばれるフルバケットシートが装着されている。全幅が狭くスペースが限られているなかでも、ホールド性を求めたタイプとなる。

Kansaiサービス

 KansaiサービスのS660は、エンジン性能を向上させるためにECUチューンを施している。最高出力は82.8PS、最大トルクは14.5kgmをマークする。そのほかにもオリジナルの補強パーツやカーボンエアロシリーズの外装パーツをセット。見た目とともに性能も引き上げた1台となる。

ESQUELETO

 純正バンパーにカーボン製のリップを装備しているESQUELETOのS660。エンジンフード後端にもスポイラーを装着しており、さりげないアイテムだがスポーティさを向上させている。車内にはオリジナルシートがセットされていて、外装色ともマッチングもよい。

Custom Garage Spice

 専用のエクステリアパーツとマットなカラーリングによってワイルドさを醸し出しているUltra Evolution S660。エンジンフードの左側は、敢えてつや消しブラックに塗装することで存在感をアピールする。リベット打ちのリアスポイラーも外装のイメージにマッチ。

BLACK SCRATCHER

 FAKE EIGHTと名付けられた新型コペンは、ノーマルの優れたデザインを最大限に活かせるエアロパーツを装着。フロントアンダーリップ、フロントグリル、サイドステップ、リアアンダーディフューザー、トランクスポイラー、リアテールガーニッシュなどが付属しているが、ノーマルのスタイリッシュさは残っている。

Spiegel

 軽カー専門店のSpiegelが製作した新型コペン。車高はオリジナルの車高調キットで下げられていて、外装はフロントとリアにスポイラーとディフューザーをセット。バケットシートもオリジナルアイテムで、トータルにコーディネートしている。

バリス

 海外でも人気のボディキットをリリースしているバリス。VAB型のWRX STI用アイテムをオートサロンで公開した。カーボン製のトランクやディフューザーが新作となり、それまでにラインアップされていたボディキットと組み合せることで、よりスポーティな外観を作り上げる。北米でも人気の高いWRX STIなので、海外メディアからの注目度も高かった。

サード

 SUPER GTに参戦しているサードが開発を行なったRC 200t。サードは2015年からスーパー耐久にもレクサス RCでエントリーしていて、レースフィールドで得られたノウハウをフィードバック。グレードアップターボキット、スポーツキャタライザー、マフラー、ECUなど多くのオリジナルアイテムをラインアップしている。

【お詫びと訂正】記事初出時、Kansaiサービスの表記がKanasaiサービスとなっておりました。お詫びして訂正させていただきます。

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。