2016ジュネーブショー

ホンダ、グローバルプラットフォーム採用の新型「シビック ハッチバック」世界初公開

「セグメントを引っ張ってきたシビックは新型でもベンチマークとなる」と八郷社長

2016年3月1日~13日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

プレスカンファレンスでスピーチを行なう本田技研工業 代表取締役社長の八郷隆弘氏

 本田技研工業はジュネーブショーにおいて、新型コンセプトカー「シビック ハッチバック」のプロトタイプを世界初公開した。プレスカンファレンスでスピーチを行なった本田技研工業 代表取締役社長の八郷隆弘氏は、欧州のモーターショーでは初のカンファレンスへの登壇となった。

 八郷社長は、カンファレンスの冒頭で2015年のホンダの生産や業績を紹介。「昨年ホンダは、全世界の2700万人の顧客に自動車や2輪、その他の商品を購入してもらいました。その中でも自動車の販売台数は470万台で、これは今までの販売記録を更新する結果となりました。この成功は、ホンダの技術力の証明でもあり、エキサイティングでチャレンジング、ユニークな商品を提供してきたからでもあります。そして、昨年はホンダジェットがユーザーの手に渡り、長年の挑戦であった航空機事業もスタートしています。2016年も引き続き力強い成長を約束するために、開発への投資や商品力の向上を目指します。投資額としては、全世界で3億ユーロを越える予定です」と、2015年の業績を振り返りつつ、今年も力強い成長を示すと語った。

 その成長の鍵を握る1つが、ジュネーブショーで初公開した新型シビック ハッチバックになる。この新型モデルについては、「シビックは欧州をはじめ多くの地域で愛されてきました。販売がスタートしてから40年で、欧州での販売台数は300万台以上となっています。シビックはホンダブランドを構築してきた重要なモデルで、デザイン、パッケージ、パワートレーン、安全性、環境性能とすべてにおいてセグメントを引っ張ってきた存在です。10代目となる新型シビックもベンチマークとなるようなクルマとなるでしょう。生産についてはイギリスの工場で行ない、北米を含めた世界中に輸出する予定となっています」といい、10代目となるシビックについても、これまでと同様の魅力あるモデルとなるそうだ。

プレスカンファレンスでワールドプレミアされた新型シビック ハッチバック

 ワールドプレミアされた新型シビック ハッチバックは、コンパクトクラスの新基準を確立した5ドアモデルになるという。現行モデルまでは、欧州地域専用のプラットフォームを用いていたのに対して、新型はグローバルモデル共通のプラットフォームを採用して開発を進めてきた。搭載されるエンジンは、新開発の1.0リッター直噴VTECターボと1.5リッター直噴VTECターボ。加えてディーゼルエンジンの1.6リッター i-DTECも用意される。

 ボディサイズは現行モデルに対して全長を130mm、全幅を30mmを拡大し、全高は20mmダウン。ホイールベースも延長されている。オーバーハングは極力削られていて、ワイド&ローなボディとともにスポーティさを醸している。フロントでは大型エアインテークやLEDのヘッドライトとデイライトを採用し、シャープさとアグレッシブさを演出している。

 注目の新型シビック ハッチバックの市販モデルは、2017年初旬に登場する予定となっている。

新型シビック ハッチバックは、グローバルで共通となるプラットフォームを採用することで全長と全幅が拡大され、ホイールベースも延長。また、新型プラットフォームでは重心を車両の真ん中下に置くことができ、優れたハンドリング特性を生み出しているという
コンチネンタル製のタイヤは前後ともに245/35 ZR19
流れるようなルーフラインとボディ側面の2本のキャラクターラインを入れることで、ダイナミックなデザインを強調している

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。