2017 デトロイトショー
トヨタの豊田章男社長、米国デトロイトで北米生産の主力モデル新型「カムリ」をアピール
今後5年間で100億ドルを米国に投資予定であることなど強調
2017年1月10日 04:57
- 2017年1月9日(現地時間) 発表
トヨタ自動車の豊田章男社長が1月9日(現地時間)、米国 デトロイトで開催されている「デトロイトモーターショー」に登場。会場で新型「カムリ」を発表するとともに、今後5年間で100億ドルを米国に投資予定であることについて触れ「このカムリというクルマは、その理由の1つです」と新型カムリが北米生産の大部分を占めるモデルであることを強調した。
同社Webサイトでは、トヨタプレスカンファレンスにおける豊田社長のあいさつ文を全文掲載した。本記事ではトークイベント部分を除いた、豊田社長のあいさつを掲載する。
みなさんこんにちは! ここで、賭けだとは分かって皆さんにお聞きしますが……この新型カムリはいかがですか?
このカムリを見ていると、私が場違いなところに立っているのではとすら思えるほどです。トヨタをこれ以上うまく代弁するものがないほど、新型カムリは、私たちトヨタがブランドとして向かいたい方向性を全て物語っています。
実用的でありつつも、ドライバーを夢中にさせることができます。お手頃なクルマでも、注目を集める魅力があります。
今壇上にはXLEグレードとXSEグレード、2つのクルマがあります。お客様には、非常に際立った2つの新型カムリからお選びいただくことになります。前者は「セクシー」なカムリ、後者は「本当にセクシー」なカムリです。
カムリを「セクシー」と呼ぶのは大げさかもしれません。しかし、私自身心から、デザイナー達が「場外ホームラン」とも言える成果を出してくれたと思っています。
私たちの目標は、ベースのXLEを一層高級感あるものに、XSEを大変スポーティかつ独特のデザインにすることでした。それを200ヤード先から見ても分かるほどに。
私自身がデザインの過程に携わりたいと思っていることをご存知の方も多いかもしれませんが、今回はデザイナーとともに、3つの最終候補からこの初期スケッチを選びました。ご覧の通り、デザイナーやエンジニア達は、このコンセプトに非常に忠実に仕事を進めてくれました。
このスケッチは、当時米国のデザイン拠点Calty Design Research, Inc.から日本のトヨタ本社に出向していたデザイナーが作成したものです。(デザイナーの名前“Ian Cartabiano”がスクリーンに)彼の名はイアン。苗字は読み上げようとも思いません(笑)。
Toyota New Global Architecture(TNGA)の成果もあり、エンジニア達は、低重心化と非常に複雑なエクステリアを実現することができました。
カムリは1982年に初代が開発されて以来、トヨタの基幹車種として、私たちにとって、特に米国でクルマの開発、生産、販売に携わる約13万6000名のトヨタのメンバーにとって、非常に重要なクルマであり続けてきました。
私たちトヨタがこれまでの60年間で米国に220億ドルを投資してきたのはなぜか。そして、今後わずか5年間でさらに100億ドルを米国に投じる予定なのはなぜか。このカムリというクルマは、その理由の一つです。
カムリを15年連続で米国のベストセラー・カーにしてくださった、何百万ものお客様に、深く御礼申し上げたいと思います。ただ、これを当然のことだとして、漫然と受け止めることは許されません。だからこそ、この新型カムリを世に送り出したいのです。
私たちはこのカムリを、ミッドサイズセダンの市場を再度盛り上げるチャンスだと捉えています。SUVだけが栄光を独占するべきではないですよね。このミッドサイズセダンの市場が米国自動車業界にとって大変大きなものであることに変わりはありません。そしてこのカムリは、トヨタの米国生産の非常に大きな部分を占めているのです。
米自動車ウェブサイトCars.comにおいて、カムリは、あらゆるメーカーが生産するあらゆるクルマの中で「最もアメリカンなクルマ」との評価をいただいております。お客様に広く知られていることかどうかは分かりませんが、ケンタッキー州ジョージダウンにあるトヨタ最大の工場で働く7700名の従業員一同は、大変誇りに感じていると思います。もちろん私もです。
今この瞬間も、ケンタッキー工場では約1分に1台、カムリが生産されています。こうしたチームワークがあるからこそ、トヨタは米国で30年以上にわたり、2500万台以上のクルマを生産してこられたのです。このことにただただ驚嘆を禁じえません。
新型カムリの生産も、ケンタッキー工場でまもなく始まります。この新型カムリが、私たちがこれまで生産してきたカムリの中で、最高の世代になると心から信じています。
私たちの目標はただ、この新型カムリを可能な限り、事前の予想を覆す刺激的なクルマに仕上げることでした。そのため、今皆さんの前にある2台のカムリに加え、さらにスポーティなツートーンカラーのカムリもご用意いたしました。
(中略)
さて、少しからかってしまいましたが、彼らが成し遂げたことを心の底から誇りに感じています。私自身もドライバーとして、彼らがいかに命がけでそれぞれのレースを戦っているかを知っており、感謝の気持ちでいっぱいです。
NASCARに参戦して10年、今は我々も、そのファミリーの一員のように感じることができ、それは大変光栄なことだと思っています。
また本日、お越しいただいた皆様とご一緒できたことも大変光栄なことです。記者の皆様のご指導・ご支援により、私たち自身が成長できることに御礼を申し上げます。こうしたご指導こそが私どもにとって、この新型カムリのようなクルマをつくる力となるのです。私はとても誇らしく思います。まさにトヨタ!と呼べるこのクルマを!
どうもありがとうございました。