長期レビュー

福島晃の「新型アクセラ(BM)」に乗って写真を撮りに行こう!

第3回:マツダ ターンパイク箱根(神奈川) マツダ広島本社工場リポートもあるぞ!! 編

アクセラと一緒に記念撮影。マツダ ターンパイク箱根内にある「MAZDAスカイラウンジ」の駐車場から見える富士山が美しい。この写真のポイントは、ある程度離れた位置から200mm程度の望遠レンズで狙ったところ。望遠レンズの圧縮効果を活かしている

 まずは連載3回目がたいへん遅くなってしまったことを冒頭で謝罪したい。不定期連載ということを言い訳にズルズルと遅れてしまった。理由を探せばいくつかあるのだが、ここでそれを書き連ねても自分の恥を晒すばかりなので止めておく。だが、何もしていなかったのかと問われれば、答えはNOだ。この記事を執筆させていただいたことがほんの少しだけ評価されたのか、マツダ広島本社の工場見学と新型「デミオ」の試乗会を行うというプログラムに参加することができた。また、マツダがネーミングライツを取得した箱根ターンパイクで「アクセラ」を走らせた。今回はその2つをまとめてお届けしたい。そして第4回はなるべく早く掲載することを約束したい。ここに記すことで自分への戒めとしておこう。

マツダがネーミングライツを取得した箱根ターンパイクへ

 すでにご存じのように6月28日に圏央道が東名高速と接続した。私が住んでいる青梅から箱根へと向かうには、これまでは八王子バイパスを利用し、国道129号を経由して厚木に向かう必要があった。トラックの交通量や渋滞も多く、お世辞にも箱根にアクセスしやすい場所とは言えなかった。それが圏央道によって一変した。箱根ターンパイクがTOYO TIRESからMAZDAとなったこともあって、アクセラで気持ちよく走ってみようというのが今回のテーマだ。小田原あたりでおいしい魚でも食べられたら最高だろうということで、前回同様、編集部の武間と島村を同乗させて箱根へと向かった(箱根ターンパイクではレンタカーを借り、2台で撮影した)。

 圏央道 高尾山IC(インターチェンジ)から先のルートは初体験となるわけだが、実際に走ってみると予想していた以上にトンネルが多い。だが、トンネル内はとても明るく、横幅にも余裕があるためか、圧迫感はなく、むしろ快適で走りやすいという印象を受けた。そんなことを3人で話し合っているうちにすぐに厚木ICへと到着してしまった。厚木からは小田原厚木道路で箱根まで。このルートは学生時代から何度も走ったこともあって、見慣れた景色が続いていく。箱根ターンパイクのゲート前で車を止めて、「マツダ ターンパイク箱根」と書かれた看板を画面に入れ込んで写真を撮ることにした。せっかくネーミングライツを取得したのだから、マツダが推し進めているデザインを生かして、もっとカッコよく宣伝した方がいいと思うのだが、そう思うのは私だけだろうか。

 終点付近には芦ノ湖と富士山を一望できるドライブインがあるが、そちらも名前がMAZDAスカイラウンジと名称変更されていた。マツダとなったことでラウンジはどうなったのかと言うと、ほぼ何も変わっていなかった。室内の模様をお伝えしようと思い撮影許可を願い出たのだが、あっさりと拒否されてしまったため、写真で紹介することができない。名車のミニカーが並べられているのだが、ここにマツダ車がないなど、かなり首を傾げる場面もある。アテンザやアクセラの予約特典(関東マツダ)であるラフスケッチとミニカー(1/43スケール)があることぐらいだ。それにしても、一切の撮影が許可されないという対応がとても残念に感じる。FacebookやTwitterなどでどんどん宣伝してもらうことの方が、経済効果もあるように感じるのは私だけだろうか。

アクセラを路肩に止めて、マツダ ターンパイク箱根の看板を入れて撮影。いい車でも来ないかなと待っていると、いい具合にコペンが走ってきた
編集部の島村がキヤノン EOS 7D Mark IIで撮影したカット。相模湾を背景にして疾走する姿をとらえた。EOS 7D Mark IIのAF性能が成せるワザか?
ターンパイク箱根にはいくつかの歩道橋がある。そちらを使って、俯瞰(ふかん)撮影を行ってみた。いつもとは違うアングルからねらってみるのもおもしろい
こちらはニコン D610に80-400mm VRをセットした編集部(武間)のお気に入りの1枚。ゆるやかなカーブからの立ち上がりのシーン。少しだけ画面を傾けるのがポイント。センターラインを画面右下に合わせると構図的にもバランスがとれる
EOS 7D Mark IIとシグマの120-400mmをセットした島村のお気に入りの1枚。APS-Cモデルのため焦点距離が1.6倍換算となって、このカットは500mm相当。ノートリミングで画面いっぱいに車体をとらえた

 箱根ターンパイクのようなカーブと坂道が続く、いわゆる峠道を走るときは、どのようにドライビングしているだろうか。ターンパイクは比較的、Rも勾配も緩やかなので、気持ちよく走ることができるが、それでもしっかりとエンジンブレーキを使っておきたい。昨今は技術も進歩しているので、フットブレーキをいくら踏んでもフェードやベーパーロックなんて起きないのだろうが、古い時代のクルマを乗ってきた私はどうしてもエンジンブレーキを多用しなくてはならないと考えてしまう。フェードやベーパーロックというよりもブレーキディスクが削られてしまうからという、貧乏性の考えが先に立つのだ。

 そこで、シフトノブをマニュアルに入れるか、ハンドルにつくパドルシフトかで対応するわけだが、私の場合は圧倒的にシフトノブ派だ。シフトノブを前に倒してシフトダウンしてから、しっかりと両手でハンドル操作する方が圧倒的にスムーズだ。パドルの場合は慣れていないこともあるのだろうが、コーナーから立ち上がる際にシフトアップしようと思うと、ハンドルがまだ回転している状態にあるので、どちらがアップでどちらがダウンなのか、分からなくなってしまうことが多い。おそらく、F1がそうであるように、慣れてしまえば手の無駄な移動が少ないパドルシフトの方が優秀なのだろう。シフトノブと違って、ハンドルから手を離さずに操作することができる利点もあるので、そちらの操作にも徐々に慣れてみようと考えている。

芦ノ湖と富士山を見ることができるドライブインは、名称もMAZDAスカイラウンジとなっていた。この日は晴天に恵まれて、気持ちのよい青空だった
残念ながらMAZDAスカイラウンジの室内は撮影不可能だった。イメージしてもらうために自宅にあったイメージデザインとミニカーを撮影してみた。店内にもアクセラのほかアテンザなどがこのようなイメージで展示されていた
この日は天候に恵まれたためかバイクでツーリングを楽しむ人も数多くいた。一言、声をかけて、ヘルメットを主役にバイクをぼかして撮影させてもらった
箱根まで足を伸ばしたのだから、おいしい魚介類を食べたいということで訪れたのが「小田原さかなセンター(http://www.sakana.co.jp/)」。ここでは好きな素材を選んで、その場で焼いて食べることができる
店内にはさまざまな店舗が並んでいて、魚介のほかにも地場産の野菜なども楽しめる。はじめから計画しておかないと、ついつい買いすぎてしまうことも。実際、私たちも2万円ぐらい散財するはめに……

広島本社の工場見学とマツダショールームを体験

 マツダの広島本社工場を見学できるというツアーに招待された。異文化交流を深めて、マツダというブランドをより多くの人に知ってもらうというプログラムのようで、今回は写真業界が選ばれた。直接、マツダの広報からお誘いが来たのではなく、以前から交流のあったGRの開発担当者としても知られているリコーの野口さんから案内状が届いた。顔馴染みの写真家と編集者が20人ほど集まった。タイムスケジュールは魂動デザインのプレゼンテーション、新型デミオの試乗会、エンジン工場の見学、自動車運搬船の見学、マツダミュージアムの見学という内容だ。

「マツダの商品/技術のこだわり」というテーマで、商品戦略本部の梅下隆一さんがプレゼンテーション。このほかにもいくつかのプレゼンが行われた
案内された受付の入口で待っていたのは「靭(SHINARI)」。即座に撮影許可をいただいて、フロントから撮影させてもらった。抜群にカッコいい。このボディーにロータリーエンジンが搭載されたらと夢を馳せてしまった

 最初に見せていただいたのはMazda Design.の根幹ともいえるクレイモデル。工業用の特殊粘土を使って、人間の手によって削り出していく。コンピュターグラフィックスによるバーチャルモデリングではなく、コンマ数mmの世界をクレイで表現してゆく。実際にクレイを使って、削り出してゆくところを見せてもらったが、その手間のひとつひとつがマツダのデザインを支えていることを実感した。

Mazda Design.のシンボリックな一部がクレイモデラーの存在だろう。実際にクレイ(工業用粘土)を使って、削りだしていくシーンを再現してくれた
実際にクレイによって仕上げられたコンセプトモデル。人間の手によって作り出されたとは思えないほど美しい流線型。マツダのデザインが評価されている根源には、こうした努力があるからこそ

 試乗車として用意されたのは新型デミオ(1.5D)、アクセラ(2.2D、2.0G、1.5G)、ロードスター(残念ながら現行タイプ)の5車種。ロードスターを除く4車種を試乗した。コースは本社工場内に用意された「宇品テストコース」。一般道と異なり速度制限がなく、思いっきりアクセルを踏み込むことができる。私自身、気になっていたのが新型デミオ(1.5D)の存在。はたして1.5リッターのクリーンディーゼルはどこまでパワフルなのか。それを確かめてみたかった。試乗した順番はアクセラの2.0G、2.2D、1.5G、デミオの順番。やはり、アクセラに搭載されるパワートレーンを改めて乗り比べてみると、2.2Dの圧倒的なパワーはさすがである。アクセルを踏み込んだときの気持ちよさは2.0Gをはるかに凌ぐ。散々、迷った挙句、2.0Gを選んだ身としては選択肢を誤ったか、と思うほどだ。だが、一般道ではそんなに踏み込むことはない、と言い聞かせている自分がいた。

試乗は本社工場内に設置された「宇品テストコース」で行われた。あいにくの小雨模様だったが、新型デミオ(1.5D)のほか3つのパワートレーンバリエーションのアクセラとロードスター(MT)が用意された

 一方、デミオ 1.5Dは私の期待が大きかったせいか、アクセラ 2.2Dと比較してしまったからなのか、それほどのパワーを感じることができなかった。アクセルを踏み込んでからのレスポンスもワンテンポ遅れてくる印象だ。もちろん、1.5リッターとしては十分なトルクを持っているので、走る楽しさは十分に味わえるのだが、2.2Dに乗ってしまった人は1.5Dで満足できるかと問われれば、答えはNOだ。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したクルマを批判するわけではないが、それほどまでに2.2Dのパワーが印象的だった。

 エンジン工場でマツダらしさを感じたのは、1つのラインに複数の異なるエンジンが次々に流れていることだった。一般的には1つのラインでは同じ形式のエンジンを流した方が効率的だと思うのだが、マツダでは直列4気筒の後ろにV6エンジンが流れてくるというシステム。そのため、さまざまなエンジンに対応するための技術が作業者にも求められているという説明があった。ちなみにマツダのV6エンジンはすでに海外向けのCX-9だけに搭載されていて、こちらも2015年に全面改良する予定で、次モデルは2.5リッター(直4)と噂されているため、今後は直4のみとなるのかもしれない。

 最後にマツダミュージアムだが、こちらには「コスモスポーツ」から1991年にル・マン(24時間レース)を総合優勝した「マツダ 787B」まで、さまざま名車が展示されている。見学は完全予約制でインターネット(http://www.mazda.com/jp/about/museum/)もしくは電話にて予約をすることができる。

デジタルカメラマガジンでもおなじみの写真家・大和田良さんが私のパートナーだった。後部座席から新型デミオを運転している姿を撮影した
本社工場のエンジン生産ラインはガソリン(1.3、1.5、2.0、2.5リッター)、ディーゼル(1.5、2.2リッター)、さらにはV6(3.7リッター)の計7種類
エンジンの組み立てラインには7種類のエンジンがバラバラに流れてくる。作業工程や部品点数などが異なるため、作業者はすべてのエンジンに対応する技術力が求められる
出荷の順番を待つ車体がズラリと並ぶ。今回は海外向けの自動車運搬船を見学することができた。この写真は運搬船の上から撮影した1枚
マツダミュージアムにはマツダの名車がずらりと並べられている。私が目を奪われたのはコスモスポーツ。この優れたデザイン性は2014年の今でも褪せることがない。カメラ業界はクラシックデザインと最新技術が融合したニコン Dfのような存在もあるため、クルマ業界もこのデザインで最新技術という組み合わせがあってもいいと思うのだが
ル・マン 24時間レースで総合優勝をはたしたマツダ 787Bも展示されている。オレンジとグリーンのパターンが懐かしい。マツダがモータースポーツの世界に再び参入することを願っているのは私だけではないはず

一難去ってまた一難、マツダコネクトはVer.32から33へ

 前回、大幅なバージョンアップでVer.31となったマツダコネクトだが、12月7日現在の最新版はVer.33である。Ver.31では小冊子の配置とマニュアルの変更などもあって、これまで頻繁に行われてきたバージョンアップも一息つくかと思われたが、そう単純なものではなかった。Ver.31を使っていて、すぐに気になったのはエンジンをリスタートしたときに、自車位置の検索が遅く(体感的には2〜3分かかる)なったことと、ナビ(地図表示)のスケールがリセットされてしまうことだ。私の場合、地図のデフォルトを200mにしているのだが、エンジン始動時に毎回毎回、ダイヤルを回して設定するという手間が必要となってしまった。

 Ver.33では自車位置検索および地図スケールのリセット問題は改善されると同時に、目的地までの距離や到着時刻の表示が分かりやすくなり、乗降する高速道路のIC情報なども見やすくなった。だが、1つだけ気になったことがあるので、ここで報告しておきたい。

 マツダコネクトの場合、スマートフォンとの連携によって音楽を聞くことができる。私もiPhone 6をBluetooth経由で接続しているが、Ver.33になってからは音量の出力レベルがかなり下がってしまったという印象を受けた。マツダコネクト側のボリュームレベルを最大に上げても、かつてのような迫力が出ないのだ。試しにCDプレイヤーに音源を切り替えてみるとしっかりと音量が出ている。さらに原因を探るべく、iPhone 6をUSB接続してみると、これもしっかりと音が出る。つまり、Bluetooth接続だけが音が小さいのだ。どうやらBluetooth接続の場合、ソース側の音量レベルがそのまま入力レベルになってしまうようだ(USB接続であれば音量はMAXとなる)。そのため、iPhone(ソース側)の音量が半分以下に設定されていると、いくら車内のボリュームを上げても音量が大きくならない。というわけで、こちらも毎回、iPhoneのボリュームを上げるという手間が必要になってしまった。

 毎回、USBで接続することを選ぶか、ボリュームを上げることを選ぶか、今のところ、どちらがベストな選択肢なのか決着をみていない。Bluetooth接続でも自動的に音量MAXとして認識するように設定する方法はないのだろうか。もし、そのあたりに詳しい方がいれば、教えていただけると嬉しい限りだ。

マツダコネクト Ver.32で対応したテンキーによる住所入力。Ver.31まではダイヤルをひたすら回して選ばなくてはならなかったので、1000番ともなると嫌気が指していた
スマートフォンを音楽ソースとして繋いでいる場合に気を付けたいのが音声出力レベル。USBでは自動的に最大(MAX)になるのに対して、Bluetoothはソース側の出力レベルに依存する

●今回の走行距離と平均燃費
走行ルート:青梅−(圏央道)−厚木−(小田原厚木道路)−小田原−(マツダ ターンパイク箱根)−(伊豆スカイライン)−亀石峠−箱根−厚木−青梅
走行距離:292.5km
平均燃費:13.7km/L


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福島 晃

1968年東京都生まれ。東海大学航空宇宙学科卒業後、ソフトバンクに入社。月刊PC、Hello! PC、PC USERなどのPC雑誌に携わり、2002年にカメラ雑誌「デジタルフォト」を創刊、編集長となる。その後、フリーの編集者を経て、2013年にインプレスに入社、「デジタルカメラマガジン」の編集長となる。趣味は写真と車。スプリンタートレノ(AE86)、アルトターボ(CA72V)、スターレットターボ(EP91)、YRV(M200G)、アクセラ(BL)など。現在の愛車はアクセラ(BM)とミラジーノ(L660S)