ホンダ、「オデッセイ」発表会展示車写真レポート
ワンモーションフォルムの7人乗りミニバン

10月16日開催

  ホンダは、10月16日都内ホテルで新型「オデッセイ」の発表会を開催した。発表会の模様や新型オデッセイそのものの詳細は関連記事を参照されたい。ここでは、発表会において展示された新型オデッセイを写真レポートでお届けする。

ワンモーションフォルムが美しい新型オデッセイ  
  屋内に複数台、ホテルの中庭に1台のオデッセイが展示されていたが、光線状態のあまりよくない屋内で見るオデッセイより、秋晴れの空の下、中庭に展示されていたオデッセイの美しさが印象的。中庭に展示されていた車種は、下位グレードとなる「M」グレードのオデッセイで、ボディーカラーは「プレミアムホワイトパール」。オプションの16インチアルミホイールが装着されていた。

最近のホンダ車に共通する力強いフロントマスク。フロントグリル、ヘッドライト、バンパー開口部に一体感を持たせてあるという低く伸びやかなサイドビュー。ホンダのいうところのワンモーションフォルムが表現された部分だフロントウインドウやボンネットに、秋晴れの青空やホテルの外壁が映り込んでいる。ウインドウに映り込むということは、それだけ光を反射していることでもあり、不要な光が車内に入り込んでいないことを物語っている
右後方からのリアビュー。リアドアからリアフェンダーへかけての膨らみが力強い左後方からのリアビュー。複雑な曲面を持つリアウインドウがよく分かるテールゲートを開けたところ。この角度まで開けることができる
展示車にオプション装着されていた16インチのアルミホイール(16×6 1/2J)。アブソルート以外は215/60R16のタイヤとなる車内色はベージュ。ファミリーカーらしい明るい室内。木目調の処理もていねいなもの運転席側から車内を見たところ。ステアリングホイールは近年のホンダ車に共通するデザインを持つ
立体自発光メーター。スピードメーターの中央にインフォメーションディスプレイを持ち、瞬間燃費や外気温などが表示されるシフトはインパネシフトになっており、広い足下空間を実現している。シフトの左横にある円柱状のものはカーナビなどのコントロールを行う「プログレッシブコマンダー」「Li」「L」「M」グレードの2WD車にはECONスイッチが付く。スイッチを押すとCVT、エンジンが協調制御され、よりスムーズな加速が行われ省燃費運転をサポートするという
運転席側のドアに取り付けられたパワーウインドウなどの操作系。標準的なデザインなので操作に迷うことはないだろう2列目シート。シートはダブルラッセルの肌触りのよいものだテールゲート方向から前方を望む。この新型オデッセイでは乗車位置のV字状配置が図られており、1列目より2列目、2列目より3列目のほうが着座位置間隔が狭めてある。これにより後列でも前方視界を楽しめるとしている

スポーツグレードとなる「アブソルート」   
 ホテル内の展示会場には多数の展示車が用意されていたが、ここではスポーツグレードとなるアブソルートを見ていく。アブソルートは外見だけでなく、エンジンにまでも手が入ったオデッセイの特別なグレードだ。

ホテル内の会場に展示されていたアブソルート。ボディカラーは屋外に展示されていたMと同じプレミアムホワイト・パール低い位置から見たアブソルート。フロントフェンダーの張り出しが力強い。先代よりも強い意志を感じる先ほどの写真より高い位置から撮影したところ。角度が少し変わるだけで印象が大きく変わる。フロント部だけを見ていると7人乗りのミニバンにはとても見えない
フロントバンパーまわり。鋭角な部分が少なく、衝突時の「相手車両への攻撃性低減」が図られ、歩行者への傷害も軽減するという考え方が取り入れられているオデッセイを印象付けるヘッドランプクラスター。プロジェクター式のロービームとポジションランプにブルーカラーのインナーレンズが配されるアブソルートの専用装備となるフォグライト。同様にエアロダイナミクス・カラードバンパーも専用装備
従来よりも傾斜を強めたテールゲート部。これによりスポーティ感を演出している。ドアハンドルも矢のような形状アブソルートのリアには、エアロダイナミクスカラードバンパーが装着される。左右2本出しマフラー付近の処理が通常グレードとは異なっているリアランプクラスター。あえてボディラインより盛り上げるデザインがされており、視認性の向上が図られている
ターンシグナルが埋め込まれたドアミラー部。単純に埋め込まれている訳ではなく一段凹んでおり、リアランプクラスターと同じテーマを感じるアブソルートには18インチのアルミホイールが標準装備。タイヤサイズも225/45R18となり、150kW以上のパワーに対応する大きく開いたフロントボンネット。ボンネット裏面には大面積の遮音材が取り付けられ、静音性にも気が配られている
アブソルートのエンジン。通常グレードとは異なり、2WD(FF)で151kW(206PS)、4WDで150kW(204PS)と出力が高められている一部グレードの2WD車にはオプションとなるものの、4WD車には標準で装備される熱線入りフロントウインドウ。寒冷地などで起きがちなワイパーラバーの凍結を防いでくれるこの展示車のアブソルートは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などのオプションが装備されているため、ステアリングホイールには多数のスイッチが並ぶ
ステアリングホイール右側にあるクルーズコントロール関係のスイッチ類そしてステアリングホイール左側にはオーディオや携帯電話のコントローラが。ちなみにアブソルートは、ステアリングなどにブルーステッチ(青い縫い目)が入るステアリングホイール同様ブルーステッチの入った、本革巻きATセレクトレバー。センタークラスターは「鳥が翼を広げたような造形」という扇状のデザイン
助手席側のフロントピラーを内側から見たところ。高強度材の使用などで高強度化し約30%スリムにしたという。実際に圧迫感は少なく、視界の広さに貢献しているアブソルートに標準装備されるステンレス製ペダルパッドとフットレスト。パーキングブレーキは全車共通でフット式アブソルートには、エンジンがパワー志向のためかECONモードが装備されず、ECONスイッチが付いていない。全車に標準装備してほしい機能だと思うのだが……
通常グレードと同じく、分かりやすいデザインのウインドウスイッチ類標準的な装備のオーバーヘッドコンソールこれは、アブソルートではオプション装備の電動スライドシート。前後スライド、リクライニング、そして座面の高さを前後別々に調整可能な8ウェイパワーシート
1列目のシートセンターテーブル。カップホルダー類が装備されている。スライド式のシャッターも付いているスライド式のシャッターを全開から半開にしたところこの展示車は、アブソルートにオプション設定可能なブラックの本革シートを装備。ブラックが基調カラーながら、ブルーステッチがよいアクセントとなっている
リアハッチ開口部。従来よりも開口部下側が左右に広げられ、より荷物の積み下ろしなどがしやすくなった7名乗車時の荷室。VDA方式によるホンダ測定値で、従来のオデッセイよりも15L増えている3列目シートは50:50の可倒式。これは全車種同様だ



オデッセイのデザインテーマは変わっていない   
エクステリアデザインについて語ってくれた、本田技術研究所四輪開発センター、デザイン開発室第1ブロック2スタジオ主任研究員の古仲学氏
 
3代目に比べさらに伸びやかで力強いデザインとなった新型オデッセイ。発表会場にいらした本田技術研究所四輪開発センターでオデッセイのエクステリアを担当した古仲学氏にエクステリアデザインについて聞いてみたところ、オデッセイのデザインテーマは初代から変わっていないという。「オデッセイのデザイテーマは初代から、まず7人乗れる乗用車であること、そして低全高で安定感のあるデザインであることです。確かに外見は今までと異なる部分もありますが、テーマは変わっていないのです。その時代時代で異なってくるところは当然ありますが、最良のオデッセイは最新のオデッセイという気持ちでやっています」と語り、とくに2代目から3代目になる段階で大きく変わったように見える部分も、同じテーマを持ちつつその時代の最良の回答を求めた結果とのことだ。ホンダが2008年に送り出すこのオデッセイ、本日から発売となるのでディーラーなどでその進化を確かめてみてほしい。
 

会場で展示されていたオデッセイのカットモデル同じくカットモデルから2列目シート部を見る。2列目シート部が1列目より1段高くなっており、これが2列目に座る人の視界を確保する同じくカットモデルの3列目シート部。オデッセイは2+3+2の7人乗りで、3列目の着座間隔が狭くなっているのがよく分かる
オデッセイ全車にオプション装備可能なマルチビューカメラシステム。車両の前後左右に付けられた魚眼CCDカメラからの映像を処理し、上方から見下ろしたような映像が見られる。駐車時に便利なガイドラインも表示可能ドアミラー下部に設置された魚眼CCDカメラ。非常にコンパクトなものだフロント部は、エンブレムの上部に魚眼CCDカメラを設置

リアの魚眼CCDカメラはナンバープレート取り付け部の上部にある助手席にリフトアップシートを備えるモデルも用意されており、この車種用の専用カタログも用意されている

オデッセイのボディカラーは、プレミアムホワイト・パールのほかに5色、全6色用意されているアブソルート専用色となる、プレミアムミスティックナイト・パール
ディープボルドー・パールポリッシュドメタル・メタリック
スーパープラチナ・メタリッククリスタルブラック・パール

URL
本田技研工業株式会社
http://www.honda.co.jp/
ニュースリリース
http://www.honda.co.jp/news/2008/4081016-odyssey.html
製品情報
http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/
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【10月16日】ホンダ、4代目「オデッセイ」の発表会を開催
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【10月16日】ホンダ、低重心ミニバン「オデッセイ」をフルモデルチェンジ
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20081016_37933.html

(編集部:谷川 潔)
2008年10月17日