山梨・静岡両県で富士山ナンバー交付開始
初の2県をまたぐご当地ナンバー

11月4日交付開始



 自動車のナンバープレートは、通常、運輸支局または自動車検査登録事務所の名称などが表示されていて、たとえば東京都の場合、品川、足立、練馬、多摩(実際には立川市にある)、八王子と、区や市の名称が付けられていた。2006年10月に地域振興や観光振興などの観点からから導入されたのが「ご当地ナンバー」。運輸支局または自動車検査登録事務所の名称に縛られることなく、ナンバープレートの地域名称を付けられるようになった。

 すでに、仙台、会津、つくば、那須、高崎、川越、成田、柏、金沢、諏訪、伊豆、豊田、岡崎、一宮、鈴鹿、堺、倉敷、下関と18のナンバーが交付されており、自分の自動車のナンバーがご当地ナンバーだという人もいるだろう。

 そして、11月4日に交付が開始されたのが「富士山」の地域名称を持つご当地ナンバー。標高3776m、日本一の山として知らない人のいない富士山だが、すそ野は山梨県と静岡県にまたがるものの、山頂はどちらの県にも属さないなどなかなか複雑。それもあってかこの富士山ナンバーは、2つの県にまたがる初のナンバーとして交付されることになり、山梨県、静岡県でそれぞれ式典が行われた。

 山梨県側の式典は富士吉田市にある道の駅「富士吉田」で、富士吉田市長をはじめとした各市長村長、富士山ナンバーの交付に努力された山梨2区選出の堀内光雄衆議院議員らが列席して行われた。式典では富士山ナンバーの交付セレモニー、そして富士山ナンバー出発式が開催された。また、静岡県側は御殿場市の御殿場市民交流センター「ふじざくら」で、各市町長が出席し、同様の出発式が開催された。

富士吉田市での式典に出席した富士吉田市長の堀内茂氏2つの地域にまたがるご当地ナンバーの実現には、国会議員である堀内光雄氏の力もあったようだ関東運輸局 山梨運輸支局長の荻原省吾氏から、堀内市長に富士山ナンバーが手渡された
「3776」は富士山の標高(3776m)にちなんだナンバーで、一番人気があるとか富士五湖消防本部の消防車は「119」を取得道志村の公用車は、同村を貫く国道413号線(別名道志みち)にかけて「413」。「よい道」にもかけている
原動機付自転車などには「富士山型ナンバープレート」が用意された
道の駅富士吉田のシンボル、富士山レーダードームを背景に、富士山ナンバーを装着した車両が出発するテープカットが行われた出発する富士山ナンバーの公用車。「2255」は「富士五湖」を意味するそうだ
御殿場市の式典に登場した静岡県警のパトカーはやはり「110」御殿場・小山消防本部のレスキュー車も「119」富士山型の原付ナンバー
 

 富士山ナンバーを利用可能な市町村は、山梨運輸支局の富士吉田市、富士河口湖町、西桂町、忍野村、山中湖村、鳴沢村、道志村と、静岡運輸支局および沼津自動車検査登録事務所の富士宮市、富士市、御殿場市、裾野市、小山町、芝川町。

 新規登録車や、変更登録などでナンバーが変更される車から順次交付されるが、現在使用中の車も希望すれば富士山ナンバーに変更できる。

 富士山ナンバー導入により、地域外に対しては富士山周辺地域のイメージ向上や観光振興が、地域内に対しては郷土と富士山そのものへの愛着を高めたり、元気付ける効果が期待されている。

 

URL
ニュースリリース(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/091130_2_.html
ニュースリリース(富士山ナンバープレート)
http://www.city.gotemba.shizuoka.jp/fujisannumber/gentsuki.html
ニュースリリース(御殿場市)
http://city.gotemba.shizuoka.jp/fujisannumber/
ニュースリリース(富士吉田市)
http://www.city.fujiyoshida.yamanashi.jp/forms/info/info.aspx?info_id=2565

(編集部:谷川潔)
2008年11月4日