マツダ、新開発の「シングルナノ触媒」を世界初の実用化へ 貴金属使用量を70％削減、新型「アクセラ」から採用

1月8日発表

　マツダは1月8日、触媒に使用する貴金属を大幅に削減し、排出ガスの浄化性能と耐久性を兼ね揃えた「シングルナノ触媒」を世界で初めて実用化すると発表した。

　従来の触媒は、ベースとなるサポート材（セラミックス）に貴金属を付着させる構造を取っており、貴金属の表面で排出ガスの浄化反応を促進させていたため、排出ガスの熱によりその貴金属が移動・凝縮。その結果、貴金属の表面積が減り触媒自体の性能が低下するので、あらかじめ多くの貴金属を使用しなければならなかった。

　今回マツダが開発したシングルナノ触媒は、表面積を増やすために5nm（ナノメートル）以下の小さいサイズの貴金属粒子を使用し、さらにその貴金属粒子を触媒材料自体に埋め込むことで貴金属の凝縮を防止。これにより貴金属の使用量を従来の0.55g/Lから0.15g/Lと、およそ70％の削減に成功し、過酷な使用条件下でも浄化性能が劣化しにくい構造となった。国内モデルでは「平成17年基準排出ガス75％低減レベル（SU-LEV）」を達成している。

　マツダは今後、このシングルナノ触媒をすべての市場を対象に順次採用を拡大し、希少金属の使用低減と排出ガスのクリーン化に貢献していくとしている。

　なお、このシングルナノ触媒は、2009年に発売予定の新型「アクセラ」から採用する予定。

新触媒技術による貴金属分散モデル図

■URL
マツダ株式会社
http://www.mazda.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/release/2009/200901/090108a.html
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（編集部：小林隆）
2009年1月8日