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メルセデス・ベンツ、新型「Sクラス カブリオレ」「SL」「SLC」オープンモデル3車種発表会

「Sクラス カブリオレ」は44年ぶりに復活

2016年6月2日 発表

Sクラス カブリオレ:2145万円~3417万円

SL:1265万円~3383万円

SLC:530万円~970万円

 メルセデス・ベンツ日本は6月2日、新型の「Sクラス カブリオレ」「SL」「SLC」という3種類のオープンモデルを同時発表。「SL」「SLC」は同日発売、「Sクラス カブリオレ」は受注が開始され、10月中旬ごろに納車が開始される予定となっている。価格はSクラス カブリオレが2145万円~3417万円、SLが1265万円~3383万円、SLCが530万円~970万円。

Sクラス カブリオレ
モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング位置価格
S 550カブリオレV型8気筒DOHC 4.7リッター直噴ツインターボ9速AT2WD(FR)左/右21,450,000円
メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレV型8気筒DOHC 5.5リッター直噴ツインターボ7速AT4WD27,500,000円
メルセデスAMG S 65 カブリオレV型12気筒OHC 6.0リッターツインターボ2WD(FR)34,170,000円
メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130V型8気筒DOHC 5.5リッター直噴ツインターボ4WD32,510,000円
SL
モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング位置価格
SL 400V型6気筒DOHC 3.5リッター直噴ツインターボ9速AT2WD(FR)左/右12,650,000円
SL 550V型8気筒DOHC 4.7リッター直噴ツインターボ16,980,000円
メルセデスAMG SL 63V型8気筒DOHC 5.5リッター直噴ツインターボ7速AT22,770,000円
メルセデスAMG SL 65V型12気筒OHC 6.0リッター直噴ツインターボ33,830,000円
SLC
モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング位置価格
SLC 180直列4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボ9速AT2WD(FR)5,300,000円
SLC 180 Sports5,900,000円
SLC 200 Sports直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ6,850,000円
メルセデスAMG SLC 43V型6気筒DOHC 3.0リッター直噴ツインターボ左/右9,700,000円
S 550カブリオレ
S 550カブリオレのボディサイズは5027×1899×1417mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2945mm
走行中でも約50km/hまで開閉可能で、約20秒で動作を完了する「アコースティックソフトトップ」。3層構造の採用によって遮音性や耐候性を高めている
新型「Sクラス カブリオレ」ソフトトップ開閉シーン(50秒)
タイヤサイズはフロント(左)が245/40 R20、リア(右)が275/35 R20。ブレーキは4輪ベンチレーテッドディスクとなる
S 550カブリオレは最高出力335kW(455PS)/5250-5500rpm、最大トルク700Nm(71.3kgm)/1800-3500rpmを発生する「M278」型のV型8気筒DOHC 4.7リッター直噴ツインターボエンジンを搭載
インテリアはフルレザー仕様。本革巻ウッドステアリングを装着する
TFT液晶で構成されたメーターパネルをSクラス共通アイテムとして装着。高精細で視野角も広い
全車でdesigno Exclusiveナッパレザーシートを標準装備。シートカラーはボディカラー別に、ポーセレン(写真)やベンガルレッド、ブラックを設定する
運転席と助手席の首元位置にあるレバーを操作するとロックが解除され、スプリングの力でシートバックが前方に倒れるほか、シート自体が電動スライドして後席の乗降スペースを作り出す
メルセデスAMG SL 63
メルセデスAMG SL 63のボディサイズは4640×1875×1305mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2585mm
タイヤサイズはフロント(左)が255/35 R19、リア(右)が285/30 R20。強化ブレーキシステムはAMGモデルの専用装備
トランク容量は、バリオルーフの格納時(写真)は364L、展開時は504Lとなる
メルセデスAMG SL 63は最高出力430kW(585PS)/5500rpm、最大トルク900Nm(91.8kgm)/2250-3750rpmを発生する「157」型のV型8気筒DOHC 5.5リッター直噴ツインターボエンジンを搭載
フルレザー仕様にカーボンインテリアトリムを組み合わせてスポーティさを強調するインテリア。AMGパフォーマンスステアリングの表皮はナッパレザーとDINAMICAのコンビネーションタイプとなる
メルセデスAMG SL 63のトランスミッションは7速AT。シート表皮はオープン状態で日差しを受けても温度が高くならない「サンリフレクティングレザー」となり、ヘッドレストには温風を出して冷たい外気から乗員を守る「エアスカーフ」を装備
メルセデスAMG SLC 43
メルセデスAMG SLC 43のボディサイズ(欧州参考値)は4143×1810×1303mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2431mm
タイヤサイズはフロント(右)が235/40 R18、リア(左)が255/33 R18。ポリッシュ/ブラック 18インチAMG 5スポークアルミホイールを専用装着する
新型「SLC」バリオルーフクローズシーン(19秒)
メルセデスAMG SLC 43は最高出力270kW(367PS)/5500-6000rpm、最大トルク520Nm(53.0kgm)/2000-4200rpmを発生する「M276」型のV型6気筒DOHC 3.0リッター直噴ツインターボエンジンを搭載
レッドステッチが施されたフルレザー仕様のインテリア。シート表皮はメルセデスAMG SLC 43のみナッパレザーとDINAMICAのコンビネーションタイプを採用する
全車で本革ステアリングを標準装備。メルセデスAMG SLC 43ではステアリング表皮がナッパレザーとDINAMICAのコンビネーションタイプとなる
トランスミッションは全車9速AT。メルセデスAMG SLC 43ではインテリアトリムにブラックアッシュウッドインテリアトリムを採用

オープンモデルの3車種は「ドリームカー」であると上野社長

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野金太郎氏

 6月2日に都内で行なわれた記者発表会では、メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏が登壇。同社では2016年を“SUVイヤー”と定め、矢継ぎ早にSUVのニューモデルを投入してプレミアムブランドとして最多の6車種を展開。これに主力モデルである「Cクラス」「Eクラス」「Sクラス」と、これまでに強化してきたコンパクトモデルなどを組み合わせ、豊富なラインアップを構築して2016年の販売も非常に好調に推移しているとアピールした。

 そして「SUVをメルセデス・ベンツの新しい顔と表現するなら、メルセデス・ベンツの伝統を象徴するモデルとなるのが、クーペやカブリオレ、ロードスターといったスペシャルティモデルです。私たちはこうしたモデルを社内で『ドリームカー』と呼んでいます。クルマを運転するワクワク感や所有する喜びを、より感じていただけるモデルでございます。本日は、なかでも人気のオープンモデルを3車種発表させていただきます。これにより、ドリームカーは10車種35モデルの展開になります」と語り、壇上に置かれた新型モデルのSクラス カブリオレ、SL、SLCについてそれぞれ解説した。

上野氏が「最高級ロードスター」と表現するSL。スーパーライトを略したモデル名が与えられたSLでは、フルアルミニウムボディシェルによる軽量さと卓越した安全性を持ち、上質で俊敏な走りを追究。また、コーナーリング時に2輪車のように車体をイン側に傾ける「ダイナミックカーブ機能」を新たに採用した
1996年に世界初の電動開閉式ハードトップ「バリオルーフ」を備えてデビューした「SLK」の後継モデルとなるSLC。今回のモデルチェンジから、メルセデス・ベンツのロードスターモデルを表わすSLと、車格を意味するCを組み合わせた車名に刷新。なお、1970年代に販売されていた4シータークーペのSLCとはまったく異なるモデルになると説明された
44年ぶりにSクラスに設定されたSクラス カブリオレ。「ラグジュアリー4シーターオープンモデル」となっており、通常はボディ剛性を確保するため重量が増えがちなオープンモデルだが、マグネシウムやアルミニウムといった素材を多用して、ボディシェル重量をクーペモデル同等に抑えているとのこと

 また、発表会内では「ドリームカー」である3車種の紹介に連動して、メルセデス・ベンツ日本が続けている文化振興などの取り組みを紹介するため、ゲストとして写真家の篠山紀信氏が登壇。さらにファッション分野での活動として、阪急メンズ東京とのコラボレーションにより、3車種それぞれのイメージを表現するファッションコーディネートが設定され、着用モデルが各車と並ぶシーンも用意された。

メルセデス・ベンツ日本の協賛により、9月17日~2017年4月(予定)まで箱根彫刻の森美術館で写真展「KISHIN meets ART」を開催する写真家の篠山紀信氏。発表された3車種について上野氏から感想を求められ「乗ってみたい。となりにきれいなお姉ちゃん乗せてね~。写真家ってそんなイメージじゃないですか。まぁボクも歳食っちゃってそんなことはないですけど、でも本当に乗ってみたいです」とコメントして会場を沸かせた
各社をイメージしたファッションに身を包む3人のモデルも登壇。また、阪急メンズ東京1階で、7月20日~26日にSLCの車両展示が行なわれる
ダイムラーAG エクステリアデザイン シニアマネージャー アヒム・ディートリッヒ・バドシュトゥブナー氏

 このほか、発表会には3車種のデザインを担当したダイムラーAG エクステリアデザイン シニアマネージャーのアヒム・ディートリッヒ・バドシュトゥブナー氏も登壇してプレゼンテーションを実施。このなかでバドシュトゥブナー氏は「私たちメルセデス・ベンツは『夢を造ること」が仕事です。その夢のなかの3つがここに一堂に会しています。メルセデス・ベンツにとって『ドリームカー』というのは必須の概念です。ブランド全体が『ドリームカー』という概念で成り立っていると言っても過言ではありません」とコメント。この「ドリームカー」のキーワードとして「モダンラグジュアリー」という言葉を使って表現し、この「モダンラグジュアリー」はセンシュアル(官能的)と、ピュリティ(純粋さ)という2つの側面で構成されるとした。

ポイントを紹介しながら車両ごとのデザインキーについて解説するバドシュトゥブナー氏。「フロントホイールとドアまでの距離が長いことは『ドリームカー』としてのスペックの1つ」「SLでは、ほかのメルセデス・ベンツモデルにはない垂直のフロントグリルを使って伝説のレーシングカーである『300 SL パナアメリカーナ』との共通性を感じさせている」などの要素について語り、「デザインは言語を伴わない意思疎通」であるとしている
発表会場には新たに発表された3車種につながる歴代モデルも展示された。こちらは1963年式の「190 SL(W121)」
1984年式の「380 SL(R107)
「280 SE 3.5 カブリオレ」