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【インタビュー】レッドブル・エアレース 千葉 2016 優勝の室屋義秀選手「大きなチームの力が機能した」

2016年6月7日 実施

レッドブル・エアレース 千葉 2016で優勝した室屋義秀選手

 ブライトリングは6月7日、ブライトリング・レーシングチームと室屋義秀選手を招いたインタビューセッションを実施。「レッドブル・エアレース 千葉 2016」の戦いを終えた室屋選手が、今シーズンにかける意気込みなどを話した。

――まずは優勝おめでとうございます。千葉戦を振り返ると決勝時の天候は不安定でしたね。

室屋選手:そうですね。「ラウンド オブ 14」の最初のフライトは横風が強くて難しいコンディションでした。レース中も刻々とトラックの状況が変化していって簡単なレースではなかったです。ただ、天候が荒れた方がパイロットの技術の差が出やすいので、僕はそういった展開の方がいい結果の場合が多いです。

――25年のキャリアで初優勝ということでしたが、この千葉戦において世界一を獲得できることが証明されました。

室屋選手:2016年は年初からシリーズで3位以内に入ることに目標を設定してやっていますので、今回の優勝はその1つだと思います。1戦だけ勝つことはあると思いますが、年間を通していくとまぐれでは決して3位には入れなく、実力があるチームしか入れないので、そういう意味ではこれから本当の底力が試されていくと思います。

――優勝会見では「チームのおかげ」と強調していたのが印象的でした。優勝できるチームを作り上げるのは大変だったのでしょうか?

室屋氏:今はこうして注目を集める立場にいますが、これまでのチーム作りは大変でしたね。実際に飛行機を飛ばすには1人では飛べません。現場にいるチームメンバーだけでなく、地元のメンバーの人もいますし、それを支援してくれる人、直接的でなくてもご飯を作ってくれる人、取材をしてくれる人、背景にいるファンの人たち、全部を含めてチームだと思っています。やはり、そういった人たちが集まってくれないと世界一にはなかなか届かない世界だと実感していました。そういった意味で日本で開催されたことが大きなチームの力となって、優勝に向けて機能したんだと思っています。

――操縦技術で世界一になりたいとおっしゃってましたが、次なる目標はシリーズチャンピオンになることだと思います。今シーズンにおけるチャンピオンの可能性について聞かせてください。

室屋氏:僕たちは2017年のシリーズチャンピオンを目指していて、その目標は変わりません。2015年は日本開催があるということで当初予定より1年前倒しで新機体を導入しましたが、準備が整わなかった部分もありました。今シーズンについては年初目標の通りシリーズ3位以内を目指していて、今後4戦目が終わると上位に強いチームが並んでくると思います。5~6戦目でチャンピオンシップのリーダーが決まってきますので、きちんとそこに入っていきたい。

 また、そういう途中経過を見ながらも、毎戦きちんとファイナルに残ってポイントを取っていくことで、もちろん優勝にこだわりますが2位になったからといって気にすることなく続けていけば、それが最終的にいい結果につながっていくと思います。


 今回のインタビューセッションでは、ブライトリング・レーシングチームのナイジェル・ラム選手にも話を聞くことができた。

――初優勝した室屋選手について感想を聞かせてください。

ブライトリング・レーシングチームのナイジェル・ラム選手

ラム選手:エアレースのパイロットはみんな同じだと思うが、ホームレースは通常のレースよりメディア等の注目が高く、非常に集中力を必要とするエアレースにおいては注意力を阻害する要素が多かったはず。そこを乗り越えて優勝した室屋選手は素晴らしいと思うよ。

――ラム選手は2016年シーズン限りで引退するとのことですが、残りのレースにかける意気込みを聞かせてください。

ラム選手:今シーズンが最後のレースとなるので、もちろんチャンピオンシップで優勝を目指します。これまでのレースを振り返ると、アブダビ戦は自分のキャリアの中で一番よくないレースで、非常に苦い思い出の残るレースだった。今回のレースもファイナル4に残りながら4位に終わって不本意ではあるものの、徐々にチームの調子が整ってきている。残りのレースもいい成績を残せばこのチャンピオンシップで勝てる要素は残っているよ。