ニュース

トヨタ、ニュル24時間レースの知見を活かし「86」をマイナーチェンジ

吸排気系の改良、ショックアブソーバーの見直しとともに、空力性能を向上

2016年8月1日 発売

262万3320円~325万800円

 トヨタ自動車は、スポーツカー「86」をマイナーチェンジして8月1日に発売する。価格は262万3320円~325万800円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
G水平対向4気筒DOHC 2.0リッター6速MT2WD(FR)2,623,320円
6速AT2,647,080円
GT6速MT2,981,880円
6速AT3,048,840円
GT“Limited”6速MT3,183,840円
6速AT3,250,800円

 今回のマイナーチェンジでは、「スポーツカーとしてのさらなる深化」をキーワードに開発。ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦などで得た知見をもとに、「走りの味」を鍛え直したという。

 エクステリアでは、フロントビューからリアビューまで空力性能の向上を目的としたアイテムの設定・改良の実施などにより、接地性や回頭性を高めたデザインとした。具体的には従来型よりノーズ先端が下がり、グリル開口部を横に拡大することでワイド&ローを強調。ノーズフィン、フォグランプベゼルフィン、カナードが与えられた。リアまわりでは、バンパー黒加飾部位の幅の拡大などによって「ハ」の字を強調するワイドスタンスな構えを表現。

 また、Bi-Beam LEDヘッドランプを全車標準装備するとともに、リアコンビネーションランプをLED化し、水平基調にランプを配置することでシャープな印象を付与。さらに「GT」「GT“Limited”」にはLEDフロントフォグランプを採用し、精悍さと先進性を強調させている。

GT“Limited”(ピュアレッド)
GT“Limited”(アズライトブルー)
GT“Limited”(クリスタルブラックシリカ)
GT“Limited”(ピュアレッド)
GT“Limited”(クリスタルホワイトパール)
透視図
超低重心FRパッケージ
空力性能
空力性能(パゴダルーフ)
エンジンアンダーカバー
エクステリア
GT“Limited”(ピュアレッド)
GT(クリスタルブラックシリカ)
G(アズライトブルー)
Bi-Beam LEDヘッドランプ
リアスポイラー(ウイングタイプ)

 インテリアでは、インストルメントパネルやドアトリムなどにグランリュクス(GT“Limited”に標準装備)を採用。質感の向上に加え、外光の反射を抑えることで集中してドライビングできる環境を作り上げた。内装色はブラックで統一され、落ち着いた室内空間を実現したほか、「GT」「GT“Limited”」にTメッシュカーボン柄加飾を施したドアスイッチベース、ヒーターコントロールパネルを採用。「GT“Limited”」のシート表皮にはパーフォレーション加工を施したアルカンターラも設定している。

 そのほか“トヨタ車最小径”となるφ362mmの真円ステアリングホイールを採用し、最適なグリップ断面形状を実現することで操舵性と握り心地を追求。また、「GT」「GT“Limited”」では最高出力付近の7000rpmがタコメーターの真上にくるように変更されたほか、瞬間燃費や航続距離に加え「Gモニター」「パワー・トルクカーブ」「ストップウォッチ」といった車両情報を表示可能な「マルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチTFTカラー)」を採用している。

GT“Limited”の内装(タン&ブラック)
GT“Limited”の内装(レッド&ブラック)
GTの内装(レッド&ブラック)
Gの内装(ブラック)
GT“Limited”(6速MT)のメーター
GT“Limited”のステアリングスイッチ
GT“Limited”の86ロゴ
GT“Limited”(6速MT)のシフトノブ
コンビネーションメーター(6速AT車)
コンビネーションメーター(夜間点灯状態、6速AT車)
マルチインフォメーションディスプレイ(Gモニター)
マルチインフォメーションディスプレイ(パワー・トルクカーブ)
本革巻きシフトレバーノブ&パーキングブレーキバー(6速AT車)
本革巻きシフトレバーノブ&パーキングブレーキバー(6速MT車)
本革巻き3本スポークステアリング+ステアリングスイッチ(6速AT車)
本革巻き3本スポークステアリング+ステアリングスイッチ(6速MT車)

 パワートレーンでは、6速MT車に搭載するエンジンのインテークマニホールドやエキゾーストマニホールドなど吸排気系部品の改良を行ない、低速域からのトルク向上を含めて幅広い回転域での最大トルク発生を実現。最高出力は152kW(207PS)/7000rpm、最大トルクは212Nm(21.6kgm)/6400-6800rpmへと進化した。

 また、操舵応答性・乗り心地向上を目的に、リアピラーのスポット打点増し打ちによるボディ剛性の強化、サスペンションなど足まわりの改良を実施。より優れた操舵応答性や乗り心地に貢献するというSACHSアブソーバーもオプション設定されている。

6速MT車の水平対向4気筒DOHC 2.0リッターエンジンは最高出力152kW(207PS)/7000rpm、最大トルク212Nm(21.6kgm)/6400-6800rpmを発生。6速AT車は最高出力147kW(200PS)/7000rpm、最大トルク205Nm(20.9kgm)/6400-6600rpmとなる

 なお、今回の新型86について、86のチーフエンジニアを務める多田哲哉氏は「ニュル参戦からフィードバックされた技術を中心にすべてを見直し、何度も世界の様々な道で鍛え直すことで、1つひとつのアイテムをつくり込みました。新型86は、ハンドルを握って走り出した瞬間から、その深化を誰もが実感できるクルマに仕上げております」とコメントしている。

新型86 プロドライバーの試乗インプレッション