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【SUPER GT第6戦鈴鹿1000km】GTA定例記者会見レポート。最終戦もてぎの進行などについて報告

タイ戦には新しいマザーシャシー車両を含むタイ側の2台が参加

2016年8月28日 開催

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 板東正明氏

 8月27日~28日の2日間にわたりSUPER GT 第6戦 インターナショナル鈴鹿1000kmが、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行われている予選レポート記事、予選でポールポジションを獲得した15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTのインタビュー記事は別記事を参照いただきたい。8月28日の決勝レース前には、そのSUPER GTを主催しているGTアソシエイション(GTA) 代表取締役 板東正明氏による定例記者会見が行なわれた。

 このなかで、坂東氏は10月にタイで開催されるSUPER GT第7戦にワイルドカードとして参加する車両についての情報、中止となった第3戦オートポリスの代替としてダブルヘッダーで行なわれる最終戦での予選の形態などについての説明を行なった。

第6戦タイにはワイルドカードでタイの2チームが出走、1台はマザーシャシーを利用

――冒頭に坂東代表より挨拶を(司会)

坂東氏:あいにくの天候だけど、ピットウォークに並ぶお客様が多い。大きいサーキットでも小さいサーキットでも(お客様は)お見えになってくださっているので、それに答えられる運営をしないといけない。

――レクサス17年規定車両が発表されたが、改めて17年規定の狙いや17年車両をご覧になった感想を教えてほしい

坂東氏:基本的に17年の技術規則に関しては金曜日にお話したとおり、安全性の向上、コスト削減に取り組まないといけない。GT500クラスの14年規定は各サーキットでコースレコードを更新するなどどんどん速くなっているので、コーナリング速度に関しては抑制していく必要があると考えた。このため、フロントのスプリッター、リアのディフューザー、リアウイングの規則を変え、ダウンフォースの25%削減を目指した。このほかにも後部に隔壁を設置するなど、2019年のITRとの規則統合となるプラスワン規定に向けて話し合いながら進めている。

 また、SUPER GT規則は、高性能のエンジンと燃費向上の両立、また速く走れるが長く走ることもできるタイヤという方向性であるべきだと考えている。一発だけ速く走れるエンジンやタイヤではなく、環境と両立できる仕組みで、今の現状をきちんと維持しながら「世界最速のGTレース」という方向性を目指さないといけない。

 レクサス(トヨタ自動車)のLC500に関してはデトロイトで発表された車両で、ノーマルの形状も2ドアスポーツカーという、コンセプトカーではない元のクルマを出していただいている。それを今回のレースで公開していただいたというのは、Gazoo Racingの関係者の方には苦労をしていただいたと思っており感謝したい。見てのとおり、ディフューザー、リアウイングが小さくなっていて、大丈夫なのかなと思う部分もあるが、このオフシーズンのテストでは各メーカーが頑張ってそれなりのモノができてくると思っている。他メーカーに関しても準備を進めており、最終戦には3メーカーが揃って見せられる状況にしたい。

――次戦のタイではワイルドカードで参加するチームがあると聞いているが?

坂東氏:タイでは2チームがワイルドカード使って参加する。1チームは新車のマザーシャシーを使って参戦する。トヨタチームタイランドからのエントリーで、GT Asiaで走っているシンハービールのピッピさんなどが乗る。現在新車はこちらでも準備中で、タイ戦までにはお渡しできるようにしたい。もう1台は昨年ランボルギーニで出場したチームで、こちらはBMW M6を走らせる。

 この2台がワイルドカードとして参加し、日本からは39台が参加する。このため全部で41台となり、ピットが足りなくなるので、2ピット3台というところもでてくると思う。

――タイでのSUPER GTの認知度やプロモーションなどについて教えてほしい

坂東氏:プロモーターとは友好的にやっているが、SGTに認知度の向上を高めていく必要がある。大きなショッピングモールでプロモーションするなど、SGT車両、レースクイーンによる告知。知らない人に認知度を高めるように広報する。プロモーターはブリーラム。設立以来、WTCCなど複数のレースを開催することで経験を積んでいる。

 2018年にはパタヤの先にもう1つサーキットが設立されると聞いており、タイの国内でSUPER GTのレースを開催しようという動きがあり、その時には我々がタイに出かけていって、審査委員会を作ったり、開催のノウハウを伝えるなどの協力体制をタイで作り上げる必要があると考えている。そのバーターとしてSUPER GTというコンテンツをタイで盛り上がるようにしていきたい。

ツインリンクもてぎの第3戦と第8戦、予選は土日それぞれの午前中に1人ずつ走る形に

――ツインリンクもてぎでは土日2レースとなる。Q1、Q2だったり、運用の予定について教えてほしい

坂東氏:時間がないので、金曜日にフリー走行を午前、午後に1回ずつやっていく。そして土日の午前中それぞれに予選を行ない、午後は決勝レースとなる。Q1、Q2のノックアウト方式の予選をやっている時間がないので、土日それぞれに15分間の予選をやる。今の予定では、例えば土曜日にAドライバーが走ったら、日曜日はBドライバーという形でやりたい。レースに関しては250kmとなる。

 土曜日はオートポリスの代替であるので第3戦、日曜日に関しては第8戦となる。スタートの進行に関しては通常と同じにする予定。なお、土日ではハンデウェイトが異なる(筆者注:土曜日の第3戦はポイントと同じ数字×1kgのハンデウェイト、日曜日の第8戦はハンデウェイトなし)ので大変だが、金曜日のフリー走行でウェイトをそれぞれ別にしてチェックしてもらう。そこの部分はやる方はものすごく大変だと思うが、見ている方は楽しいと思う。

――GT300の予備予選を検討しているという話しがあったが、その進捗状況を教えてほしい

坂東氏:予備予選という言葉を使ったことで、かなりのチームから反響をいただいた。現時点ではどれだけの台数になるかどうかは分からないが、48台までだったら、予備予選をやらずに通常の予選をやり、予選落ちを出す形にしようと考えている。その場合、大きなサーキットでもピットが足りなくなるので、新しく入ってきた人は2ピット3台という形になる。ただ、例えば菅生などサーキットが大きくなく、沢山の台数を入れると安全性に課題があるところには台数を絞らないといけない。来季に関してはそういう形にしたい。

 2018年度とかでさらに参加台数が増えるようであれば、予備予選の導入が必要になると考えている。我々がSUPER GTを始めてから10年経つが、その当時からいた方も、Aシード、Bシード、ポイントがない方という形になるので、ピットなどで優遇を考えないといけない。

――タイでワイルドカードがマザーシャシーの車両が出走するという話だが、現在のマザーシャシーと異なるところはあるのか?

坂東氏:フロントとリアのオーバーハングが950、ホイルベースが2750という基本部分は全く同等。外観に関しては86だが、新しく作りたいという人がいて、現在マザーシャシーの86として走っている車両とは若干空力が異なる。来季に関しては1台参加表明をしているところがある。

 マザーシャシーに関しては下面に関しては一緒で、公認パーツという考え方は変わっていない。基本的には公認パーツを使ってもらって、それ以外は工夫ができるというのが考え方。マザーシャシーをベースにして、JAF-GTの公認をやりたい、いいとこ取りをしたいという人もいるようだが、マザーシャシーはGTAの規則の中での規定なので、それは維持しなければいけないと考えている。

 なお、今後チームから発表があるが、今回フリーラムで参加する車両が来年タイで走ることになるという。タイ戦でのカーナンバーは35番になる。

今年の鈴鹿1000kmで5回以上のピットストップ義務づけはSC対策、来年以降は見直しも

――今回のレースで5回以上のピットストップについての考え方について教えてほしい

坂東氏:基本的な考え方は、SC(セーフティカー)を導入することになった時に燃料が足りなくてペナルティを覚悟でピットに入る車両がでることを避けるために、5回を義務づけにしておけばどこのタイミングでSCが入っても燃料が残っているのではないかという考え方で決められた規定。

 ただ、私個人の見解を述べさせてもらえるなら、それは各チームの作戦に関わる部分でどうでもいいと思う。5回にしても、結局チームは攻めることを考えるから同じことが起こると思う。

 私たちが考えているSUPER GTのレースというのはすでに述べたとおり、より高性能だけど燃費がよいエンジンや車両、より長く持つけど高性能なタイヤ作りが目的。確かにレースで5回を義務づければ計算上はタンクに残る燃料があるかもしれないが、チームは次の予定周回数だけいけるように燃料をギリギリしかいれないし、タイヤはソフトを選ぶという選択をすると思う。今回のルールは“今年の事情”に配慮してこうなっているが、将来的にはそこは変えていかないと行けないと思う。

司会(GTA広報):昨年のレースでは、SCが入ったらその義務づけが解除するとなっていたので、事実上すぐに意味がなくなってしまった。そのため、今年はレースコントロールから公式にそれが解除されるという通知があるまでは絶対5回が義務づけられるという意味です。GTA内でもさまざまな議論があります。

――17年車両が発表されたが、GT500でミッドシップ車両に関してのウェイトハンデを見直すのか? また、富士向けのローダウンフォース仕様が規則で禁止されるということだが、コスト削減案が他にあるのか?

坂東氏:それはこれからの話しで、現状は進展はない。ミッドシップハンデに関しては、ホンダさんにも色々ご意見はあると思うが、技術的に見ればミッドシップとは言うが、本来はフロントエンジンのモノコックにミッドシップにマウントしているので、やりづらい位置になっているだけという話もある。そのあたりも含めて、他のマニファクチャラーも含めて議論をしていく必要がある。ローダウンフォースに関しては、正直言えばローダウンフォースのGT-Rは格好わるい(苦笑)。

 最後に、今日のレースは後半折り返しということで、大事なレースになる。よりよいレースを、より多くのお客様に提供したい期待。お客様がまたきていただけるレースであるようにしていきたい。