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15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTがポールポジション。SUPER GT第6戦「鈴鹿1000km」予選レポート

2016年8月27日~28日 開催

15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTが(武藤英紀/オリバー・ターベイ組)がコースレコードでポールポジション

 「インターナショナル鈴鹿1000km」は、毎年夏に行なわれるロングディスタンスのレースとして、例年8月に開催されている伝統のレースだ。今年もSUPER GT第6戦として、第45回大会が8月27日~28日の2日間にわたって三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催されている。

 快晴の鈴鹿サーキットでGT500のポールポジションを獲得したのは、15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ組、BS)。昨年より参戦を開始しているドラゴチーム、さらにはそのドライバーのターベイ選手がポールポジションを獲得するのは初めてとなる。2位は46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/高星明誠組、MI)、3位は12号車 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、BS)となった。

 GT300のポールポジションはUPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田真之亮組、YH)で、今年FIA F4からGT300にステップアップした山田真之亮選手は、初めてのGT300ポールポジションの獲得となり、同時にSUPER GT直下のカテゴリーとして昨年よりスタートしたFIA F4出身者による初めてのSUPER GTポールポジションとなった。2位は31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組、BS)、3位が2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/牧野任祐組、YH)。

鈴鹿での公式テストでトップタイムをマークした15号車が、フリー走行/Q1/Q2すべてでトップタイム

フリー走行/Q1/Q2すべてでトップタイムでマークするなど、速さを見せた15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT

 GT500の予選は、これまでの予選と同じように、各チームともに路面が改善する後半までピットで待機が続く展開に。15分間の予選1回目(Q1)では残り9分ぐらいまで、すべての車両がピットで待っている状態だった。

 それを破って一番最初に登場したのが46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/高星明誠組、MI)。今回レギュラーで走っている千代勝正選手が、富士スピードウェイでのクラッシュにより負傷したことで、大事をとってこのレースを回避することに。それにより第3ドライバーとして登録されていた高星明誠選手が急遽千代勝正選手の代理となり、この日朝のフリー走行で初めてGT500車両を走らせるという、厳しい状況の中で代役を務めることになった。その高星選手がドライブする46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、Q1で7番手のタイムを記録し、Q2へコマを進め、本山哲選手にバトンを渡すことに成功したことは高く評価される結果だ。

 このQ1では、1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)、37号車 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組、BS)といったランキング上位の車両が脱落した。ただし、これらの車両はいずれも50kgを超えるウェイトハンデを背負っており、脱落は既定路線。意外だったのは、優勝候補の一角と考えられていた、36号車 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組、BS)で、このレースを過去2連勝している同車としては、決勝での巻き返しが必要になる展開となった。

 このQ1でトップタイムをマークしたのは、15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ組、BS)。2位が24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組、YH)、3位が19号車 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組、YH)。2位、3位は横浜タイヤユーザーが並ぶ展開になった。

 15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは、鈴鹿サーキットで行なわれた公式テストでトップタイムをマークするなど、鈴鹿でのポテンシャルに自信を持っていることもあり、そのイニシャルセットを持ち込み、フリー走行でもトップタイムをマークするなど調子のよさをずっと維持している。

 こうした15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTの勢いは、予選2回目(Q2)でドライバーがオリバー・ターベイ選手から武藤英紀に変わっても維持され、Q2でコースレコードのトップタイムをマークして見事ポールポジションを獲得した。2位は、本山哲選手に替わった46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R、3位は前戦優勝の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)が獲得した。

GT500 予選結果
順位号車車両ドライバータイヤハンデ(kg)Q1Q2
115ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT武藤英紀/オリバー・ターベイBS81'47.6381'47.456
246S Road CRAFTSPORTS GT-R本山哲/高星明誠MI301'48.1631'47.578
312カルソニック IMPUL GT-R安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラBS561'48.0821'47.992
419WedsSport ADVAN RC F関口雄飛/国本雄資YH241'48.0071'48.114
58ARTA NSX CONCEPT-GT松浦孝亮/野尻智紀BS201'48.1081'48.191
617KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越広大/小暮卓史BS401'48.6751'48.534
724フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R佐々木大樹/柳田真孝YH441'47.9631'48.696
838ZENT CERUMO RC F立川祐路/石浦宏明BS401'48.1291'49.327
964Epson NSX CONCEPT-GT中嶋大祐/ベルトラン・バゲットDL21'48.679-
106WAKO’S 4CR RC F大嶋和也/アンドレア・カルダレッリBS501'48.763-
1136au TOM'S RC F伊藤大輔/ニック・キャシディBS341'48.861-
121MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI1001'48.896-
13100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT山本尚貴/伊沢拓也BS261'49.150-
1437KeePer TOM'S RC Fジェームス・ロシター/平川亮BS601'49.157-
1539DENSO KOBELCO SARD RC Fヘイキ・コバライネン/平手晃平BS741'49.204-

GT300のQ1は、牧野任祐ドライブの2号車がトップタイム、Q2では初ポールとなる18号車 UPGARAGE BANDOH 86が獲得

GT300のポールポジションは18号車 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田真之亮組)

 GT300の予選Q1で注目されたのは、今回がSUPER GTデビュー戦となる2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/牧野任祐組、YH)。通常はジェントルマン・ドライバーの高橋選手とプロドライバー加藤選手の組み合わせで戦う同車両だが、例年このレースには第3ドライバーを乗せており、今年は昨年のFIA F4シリーズ2位で、今年は全日本F3選手権を戦っている牧野任祐選手が抜擢され、その期待に応えるQ1トップタイムで、Q2を走る加藤選手にバトンが渡された。このQ1では、前戦優勝の55号車 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志選手、BS)、そして7号車 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治/アウグスト・ファルフス組、YH)といったBMW勢2台がどちらもQ1を通過できないという波乱もあった。

 Q2はQ1でトップタイムをマークした2号車がそのまま行くのかと思われたが、予選中盤にトップタイムをマークしたのは、18号車 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田真之亮組、YH)で、結局そのまま18号車のタイムは破られることなく、昨年から参戦している18号車 UPGARAGE BANDOH 86としてはチーム初ポール、そして昨年のFIA F4からステップアップしてきた山田真之亮選手にとってもうれしい初ポールとなった。なお、昨年よりSUPER GTのサポートレースとして開催されているFIA F4の卒業生が、SUPER GTのポールを獲得したのはこれが初めてとなる。

 以下2位が2位は31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組、BS)、3位が2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/牧野任祐組、YH)となった。

GT300 予選結果
順位号車車両ドライバータイヤハンデ(kg)Q1Q2
118UPGARAGE BANDOH 86中山友貴/山田真之亮YH241'58.9231'57.876
231TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨宏紀/中山雄一BS401'58.6381'58.092
32シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規/牧野任祐YH1'57.8111'58.127
461SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL441'59.2891'58.384
525VivaC 86 MC土屋武士/松井孝允/山下健太YH661'59.0691'58.608
60GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート/富田竜一郎DL221'59.2111'58.947
74グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH501'59.1801'58.981
833Excellence Porsche山野直也/坂本祐也YH1'59.6891'59.230
965LEON CVSTOS AMG-GT黒澤治樹/蒲生尚弥YH401'58.9231'59.484
1063DIRECTION 108 HURACANエイドリアン・ザウグ/横溝直輝YH1'59.8251'59.728
113B-MAX NDDP GT-R星野一樹/ヤン・マーデンボローYH641'59.4431'59.904
1221Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/藤井誠暢YH461'59.9492'00.020
1326TAISAN SARD FJ AUDI R8密山祥吾/元嶋佑弥/中野信治YH61'59.1792'00.235
1488マネパ ランボルギーニ GT3織戸学/平峰一貴YH301'58.9342'00.559
1511GAINER TANAX AMG GT3平中克幸/ビヨン・ビルドハイムDL402'00.366
1648DIJON Racing GT-R高森博士/田中勝輝/青木孝行YH22'00.522
1787triple a ランボルギーニ GT3細川慎弥/佐藤公哉/飯田太陽YH62'00.530
1851JMS LMcorsa 488 GT3都筑晶裕/新田守男/脇阪薫一YH262'00.563
19360RUNUP Group&DOES GT-R柴田優作/田中篤/清原章太YH2'00.609
207Studie BMW M6ヨルグ・ミューラー/荒聖治/アウグスト・ファルフスYH242'00.654
219GULF NAC PORSCHE 911阪口良平/吉田広樹YH2'00.720
22108DIRECTION 108 HURACAN峰尾恭輔/ジョノ・レスター/竹内浩典YH2'01.061
23111エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT植田正幸/鶴田和弥/石川京侍YH2'01.074
2455ARTA BMW M6 GT3高木真一/小林崇志BS742'01.168
2522アールキューズ SLS AMG GT3和田久/城内政樹/東徹次郎DL2'02.591
2660SYNTIUM LMcorsa RC F GT3飯田章/吉本大樹/ドミニク・ファーンバッハーYH2'06.136
2730TOYOTA PRIUS apr GT永井宏明/佐々木孝太YH42'09.739
2850ODYSSEY SLS安岡秀徒/久保凜太郎/加納政樹YH3'30.950
-5マッハ車検 MC86玉中哲二/山下潤一郎/影山正美YH出走せず

 鈴鹿1000kmの決勝は、8月28日12時30分スタート。1000km、173ラップの戦いとなる。

ポールポジション記者会見より
15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、オリバー・ターベイ選手
15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、武藤英紀選手
18号車 UPGARAGE BANDOH 86、山田真之亮選手
18号車 UPGARAGE BANDOH 86、中山友貴選手
8月25日に発売されたばかりの市販車、新型「NSX」。NSX CONCEPT-GTは、市販車の発売を祝うかのように鈴鹿でコースレコードのポールポジションを獲得した