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レクサス、鈴鹿サーキットで「LC500」ベースのGT500新型車両を初公開
ダウンフォースを約25%削減し、車内の後部隔壁設置を義務化する2017年規則に適合
2016年8月26日 20:06
- 2016年8月26日 公開
LEXUS GAZOO Racing(トヨタ自動車)は8月26日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で2017年シーズンのSUPER GT GT500クラスに参戦する新型車両を公開した。新型車両は来春国内販売が予定されている「レクサス LC500」をベースに、2017年シーズンの車両規則に沿ってトヨタテクノクラフトが開発を担当。9月にはシェイクダウンが予定されている。
記者発表会の冒頭で、SUPER GTを主催するGTアソシエイション 代表取締役の坂東正明氏が来シーズンの車両規則について「2017技術規定の変更は、ひと言でいうと安全性のさらなる向上です。2014年に導入された現行の規則導入後、GT500のスピードは年々増しており、軒並み各サーキットのコースレコードを更新しております。プロモーターとしては『世界最速のGTレースをお届けしている』と自負しているものの、一方で『行き過ぎたスピード競争がいつか大きな事故につながるのではないか』と懸念を抱いているのも事実です。今のGT500車両のコーナーリングスピードは異次元の領域に踏み込んでいると言っても過言ではありません」と、GT500クラスの速さの魅力とともに危険性への懸念を語った。
GTアソシエイションとしてはマニュファクチャラー、タイヤメーカー、参戦チームによる技術の進化に歯止めをかけるつもりはないとの基本スタンスを示したうえで、GT500クラスの2017年規則ではコーナーリングスピードを司る空力性能を制御するため、フロントスプリッター、リアディフューザー、リアウイングに関する規則の見直しを行なったと坂東代表は発表した。これにより、現行車両と比べてダウンフォースは約25%削減されるとのこと。また、さらなる安全対策としてコックピット内に後部隔壁を設置することを義務付け、それに伴いリアウイングの材質をカーボン等に変更することも可能にするという。
以上の規則変更を行なった上で、坂東代表は「SUPER GTはスピードと燃費性能を両立させたエンジン、より長い距離を走ることができ、より速く走れる高性能タイヤ、最新の環境技術を駆使して地球に優しいレースでありながら、世界最速のレースを今後も目指して参ります」と、SUPER GTの目指す方向性を改めて示した。なお、GT300クラスについてはFIA-GT3の規則を維持するものの、詰まるであろうGT500クラスとの速度差については大きな懸念事項はないと語った。
坂東代表の技術解説後に新型車両「LEXUS LC500」がお披露目され、真新しい車両が披露された会場でトヨタ自動車 モータースポーツマーケティング部 主査の高橋敬三氏は以下のように語った。
「LEXUS Gazoo Racingは、2017年のSUPER GT GT500に来春発売が予定されているレクサス LC500をベースとした新型車両で参戦いたします。LC500はレクサスの次世代を象徴するフラグシップクーペとして誕生したモデルでございます。世界最速のGTレースであるSUPER GTに、レクサス最高のクーペモデルであるLC500で参戦することは、SUPER GTをさらにエキサイティングなものにしてくれると期待しております。また、この参戦によって多くのモータースポーツファンのみなさまに新型LC500をご覧いただき、レクサスの挑戦的なデザインや走行性能の高さなどを知っていただけたらと思っております。このLC500のレース車両は2017年規則に沿ってトヨタテクノクラフトで開発、製作され、数日前に完成したばかりでございます。来月シェイクダウンを行ない、来年4月の開幕に向けて最高の戦いができるように準備を進めてまいります。引き続きご支援よろしくお願いいたします」。