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レクサス チームルマンの脇阪寿一監督が今週末のSUPER GT 鈴鹿1000kmのPRに編集部を訪問
伝統あるSUPER GT真夏の決戦
2016年8月24日 12:11
- 2016年8月23日 来訪
鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で8月27日~28日に開催されるSUPER GTのシーズン第6戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round6 第45回 インターナショナル SUZUKA1000km」のプロモーションのため、今シーズンから「レクサス チームルマン ワコーズ」の監督としてチームを率いている脇阪寿一氏がCar Watch編集部を訪れてくれた。
脇阪氏は2015年シーズンをもってSUPER GTでの選手活動にピリオドを打つまでに、SUPER GTと前身となる全日本GT選手権のGT500クラスで計3回のシリーズチャンピオンを手にしてきた日本レース界のスタードライバー。今シーズンもスーパー耐久シリーズやTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレース・プロフェッショナルクラスでのレース参戦を継続しつつ、老舗レーシングチームであるチームルマンの監督としてSUPER GTでチームの指揮を執っている。
ここ数年低迷を続けているチームを立て直す使命を帯びて監督に就任した脇阪氏だが、「なかなか組織というのは急に変わるというのは難しいものなので、長いスパンで、人が入れ替わったりする時差といったものも計算しながらチーム運営を1つ1つ進めているのですが、ここにきてだんだんと実を結んできているなと感じます。実際に1つ前レース(第4戦 SUGO)ではポールポジションも手に入れて、決勝レースでもGT300クラスのマシンと接触して下位まで落ちながら、そこからトップ争いまで持っていけた。今までは、1つのトラブルによってそのままレースを失ってしまうような、これまで監督になる前にも外から見ていてそんなイメージがチームルマンにはありました。そのへんが少しずつよくなってきているのかな」。
「自分のなかで、1年で急にタイトル争いができたり、勝ってチャンピオンが獲れたりするとは思っていないですけど、そんななかでもスタッフの頑張りで、なんとかシリーズランキングも5位になるといったところにいるのかな」と語り、これまでの5戦を戦ってきたなかで、チーム作りを進めてきた手応えを率直に表現。
その上で、「ベーシックな部分を変えてきて、人の顔つきであるとか、チームの空気感といったところを自分では意識してコントロールしてきました。後半戦はある程度『勝負したい』というレースも出てくるかなと思います。そのなかで、今回の鈴鹿1000kmというレースは、普段よりも長いレースになりますし、トラブルであるとか、アクシデントであるとか、そういったことが起こる可能性が比較的増えてきます。そのなかでどうやってレースを乗り切るかということが、今後のチャンピオンシップにとって大切なのかなと思います」と、今週末に行なわれる第6戦 鈴鹿1000kmの重要性について表現した。
夢や希望を与えるレースにすることで、SUPER GTの存在も大切になってくる
シーズンを戦っている「LEXUS RC F」については、「過去のレースを見ていただいて、GT-Rの4連勝という結果でも分かるように、今シーズンに限らずSUPER GTでは開発凍結のルールが決まってから、2014~2016と同じ規則でやっているのですが、クルマのポテンシャル的には日産さんに負けているのかなというイメージがあります」「そのなかで、チームスタッフやトラックエンジニアが頑張ってくれている部分があるし、クルマ自体は触れませんが、エンジン屋さんが最近は頑張ってくれてライバルとの差を詰めてきている。先日のSUGOからはホンダ勢もエンジンを新しくしてきて、そのへんで均衡してきている部分があるので、そこでより白熱したレースになってくる。そんななかで、ヒューマンエラーが起こらないように、チーム全体で一体感を持って臨み、負けてる部分をカバーして、勝っている部分を伸ばしたいなと思っています」とコメント。
また、第6戦 鈴鹿1000kmで初公開される予定となっている「2017年からGT500クラスに実戦投入されるレクサス新型車両」については、「この3年間で負けてきた部分をどのように取り返しているのかという点に期待しています。細かい点についてはまだ分かりませんが、とにかく、我々がネガティブだと感じていた部分が改良されていることを祈っています」と語り、「ブランディング面では、この先に発売されるレクサスのスポーツカーになると思うので、そのクルマを使いながらレースをできるというのは、SUPER GTのレクサスチーム関係者としての歓びですね。レースでの活躍でファンのみなさんがチームに愛着を持ってくれて、そのクルマに対しても購買意欲が出てくる。レクサス車はそこそこ高いクルマなので直接購入につながらなくても、そのクルマへのわくわくだとか、夢や希望を子供たちやファンのみなさんに与えられるようなレースになれば、SUPER GTの存在も非常に大切になってくると思います」と述べ、レースと市販車の関係性も口にした。
このほかに脇阪氏は、予選が行なわれる8月27日に実施される走行イベント「トヨタGT伝統の系譜」についても言及。このなかでは2002年に脇阪氏がドライブして全日本GT選手権のシーズンチャンピオンを獲得した「ESSO Ultraflo スープラ」が登場し、当日のデモランも脇阪氏が担当することを明らかにした。「この2002年には、僕もこの鈴鹿1000kmで(スープラに乗って)勝っていて、そういったレースの存在が語る歴史を体感していただけると思います」とコメント。ちなみに、同じくデモランが行なわれる「TOYOTA TS010」は片山右京氏がドライブを担当するとのことだ。
数万人のお客さんで賑わっている鈴鹿1000kmの会場に来てほしい
このほか、脇阪氏はレースに先駆けた8月26日に、地域交流イベントとして地元の小学生たちとのフットサルに参加する予定となっている。一見してレース活動とは無関係に思えるイベントだが、脇阪氏は「モータースポーツがメジャースポーツになるためには、社会貢献であるとか地域貢献であるとか、青少年育成などにも積極的に取り組んでいかないといけないと思っているんです」とコメント。モータースポーツをさらに盛り上げていきたいとの意気込みを語った。
最後に脇阪氏は「SUPER GTの鈴鹿1000kmは、来ればリピーターになること間違いなしと言えるもので、サーキットではクルマやドライバー、レースに関わるレジェンドのみなさん、レースクイーンやモータースポーツファンといったすべてが織りなす超独特の雰囲気があります。鈴鹿1000kmはなかでも伝統のレースで、僕がごちゃごちゃ言わなくても来ていただければ体感いただけると思います。SUPER GTは本当に未来に対して可能性があると思っていて、数万人のお客さんで賑わっている会場に来ていただけたらと思っています」とコメントしている。