ニュース

2017年仕様のGT-R NISMO GT500が登場した「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2016」レポート

19回目の開催。晴天に恵まれ3万人あまりのファンが訪れた

2016年12月11日 開催

今年も快晴の元、19回目となるNISMOフェスティバルが開催された

 日産自動車とNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は12月11日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)において「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2016」を開催した。2016年のレースシーズンを締めくくるファン感謝イベントは例年より2週間ほど遅い開催となったが、晴天にも恵まれ会場には3万人あまりのファンが訪れた。

 8時30分、最初のプログラムとなるオープニングセレモニーがグランドスタンド前のステージで行なわれた。セレモニーには田中利和総監督をはじめ日産系のチーム監督やレジェンドドライバー、現役ドライバー達が集合。華やかな雰囲気のなかでスタートした。

オープニングセレモニーにドライバーや監督が集合

 ドライバーを代表してマイクを握った松田次生選手は1年の感謝をファンに述べつつ「今年は3連覇を達成したかったのですけれども、あと一歩のところで獲ることができなかったので、来シーズンはチャンピオン奪還に向けて日産勢が力を合わせて頑張っていきたいと思います」と述べるとともに、「シーズン5勝できたことは今年GT-Rが強かった証だと思う」とコメント。

 続いて総監督の田中氏がマイクを握り、日産、NISMOのモータースポーツ活動への応援への感謝を述べるとともに「SUPER GT GT500では前人未到の3連覇を狙って日産陣営、力を合わせてやってきましたが、ちょっとだけ届きませんでした。しかし、8戦中5勝という大変素晴らしい成績を出せて、皆さんに毎戦毎戦ワクワクドキドキを提供できたのではないか」との自負を口にした。

 また、去年チャンピオンを逃した2つのカテゴリー、スーパー耐久 ST-Xクラスの「スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R」、および若手育成プログラムとして参戦している「B-MAX NDDP F3」がCクラスで初のチームタイトルを獲得したと紹介し、こちらも感謝を述べた。最後に「来年も日産、NISMO、勝つことにこだわっていろいろなカテゴリーでチャレンジをしていきたいと思いますので、1年間また熱い応援をよろしくお願いします」と締めくくった。

松田次生選手
田中利和総監督
手を振ってセレモニーを後にする選手たち

STAND EVENT AREA

 グランドスタンド側の広場には、オープニングセレモニーをはじめとしたトークショーなどが行なわれるステージをはじめ、さまざまな日産車やNISMOコンプリートカーの展示を実施。例年パドックイベントエリアで行なわれていたコクピットライドなどの体験イベントはこちらに移動した。実際にレースで使われたパーツを販売するガレージセールやNISMOグッズ、限定ミニカーなどの物販ブースは朝早くから長蛇の列となっていた。また、今年は子供向けのイベントが多く実施されており、中でも本格電動カートの体験ができるキッズカート体験が人気を集めていた。

車両展示や物販が行なわれるステージイベントエリア
レース車両のパーツが販売される大人気のガレージセール。今年の高額商品はこの30周年記念幕
給油用ブームなんて珍品も。よく見るとカーボン製
レース車両のフェンダー
2017年は車両規則が大きく変わらないので、ボディパーツは少な目とのこと。こちらは大物のリアゲート
ヘッドカバー
こちらも珍品。風洞用のフロントバンパー
ブラケットやパイプなどの小物類
ミニカーも毎年人気のアイテム
NISMOパーツのアウトレット
C26セレナのエアロパーツが登場
ホイールはすでに売約済みとなっていた商品も
ステアリングボスやオイルフィルター
パフォーマンスセンターでは各地のディーラーが商品を販売
純正パーツやアフターマーケットのパーツ類が並ぶ
特価ホイール
「こちらオススメですよ~」と販売スタッフ
ウェアやグッズを販売するNISMO COLLECTION
タオルやパーカーが人気とか
ロゴ入りの一脚などちょっと変わったアイテムも
子供に大人気だった電動キッズカート。電動アシスト自転車の駆動系を流用しているそうで、最高速は「頑張って20km/hぐらい」とか
常時行なわれていたコクピットライド系も長蛇の列
カスタマイズされたキャラバンが並ぶ

PADDOCK EVENT AREA

 パドックに隣接するピットビル1階では、富士スピードウェイ50周年にちなんだ車両を中心とした展示を実施。2016年にサーキットで活躍したレースカーに加えて、まだカラーリングが行なわれていない2017年仕様のGT500 GT-Rもひと足先に公開。多くの観客から注目を浴びていた。また、NISMO FESTIVALならではの「エキサイティングエリア」では、コースイベントで出走するレースカーのピット作業はもちろん、ピットを走行するマシンを間近で見ることが可能だった。

 例年ならコクピットライドなどの体験コーナーが設けられるピットビル3階では、記念写真が撮影できる家族向けのファミリーライド、日産応援団 20周年記念 特別展示を実施。混雑が緩和されており小さな子供も安心して遊べるエリアになっていた。

警備員が常駐する厳戒態勢で展示されていた2017年GT500仕様のGT-R
来シーズンの雪辱を目指して開発中の2017年GT500仕様 GT-Rがサーキット走行を披露
Coca Cola CANON BLUEBIRD TURBO(1984)
NICHIRA IMPUL SILVIA TURBO(1983)
TOMICA SKYLINE TURBO(1982)
YHP NISSAN R90CP(1990)
NISSAN R91CP(1992)
FAIRLADY 240ZG(1973)
SUNNY EXCELLENT COUPE 1400GX(1973 左)とCHERRY COUPE 1200X-1(1973 右)
SKYLINE 2000GT-R(1969)
CALSONIC SKYLINE(1990)
PRINCE R380(Type A-I)(1966)
NISSAN R382(1969)
NISSAN R391(1999)
CALSONIC NISSAN R92CP(1992)
スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R(2016)
ENDLESS・ADVAN・GT-R(2016)
Mach MAKERS GTNET GT-R、Rock254 GTNET(ともに2016)
RUNUP Group&DOES GT-R(2016)
DIJON RACING GT-R(2016)
B-MAX NDDP GT-R(2016)
GAINER TANAX GT-R(2016)
CALSONIC IMPUL GT-R(2016)
Forum Engineering ADVAN GT-R(2016)
S Road CRAFTSPORTS GT-R(2016)
NISSAN GT-R NISMO GT3 2016 BES、NISSAN GT-R NISMO GT3 2015 Bathurst 12h
PENNZOIL NISMO GT-R(1998)
XANAVI NISMO GT-R(2003)
MOTUL AUTECH GT-R(レプリカ)(2013)、MOTUL AUTECH GT-R(2013)。どっちが本物?
NISSAN GT-R GT1 (2011)
MOTUL AUTECH Z(2006)
ファミリーライド
日産応援団 20周年記念 特別展示。フラッグや寄せ書きなども展示されていた

RACING EVENT AREA

 富士スピードウェイのメインともいえるコース上では、現役および歴代のレーシングカーによるレースやデモンストレーション走行などが実施された。個人オーナーが所有するNISMOコンプリートカーやロードカーによる「NISMO CARS PARADE RUN」、助手席での「レーシングカー同乗走行」&観光バスによる「サーキットサファリ」、NISMOロードカーに同乗できる「サーキットタクシー」など、サーキットの雰囲気をディープに味わえるコンテンツが満載だった。

サーキットサファリが行なわれた時間帯には新旧多くのレースカーがコースを走行
新旧GT-Rの競演
NISMOロードカーでの同乗走行も実施

 また、1960年代から1970年代の日産の歴史的名車による「NISSAN ヒストリックカー エキシビションレース」、「R380」「R381」など歴史的なマシンが走行する「NISSAN MOTORSPORTS HERITAGE RUN」、GT500など現役レースカーによる本気バトル「NISMO GP 2016」など、レースカーの速さやサウンドを体感できるプログラムも用意されていた。

NISSAN MOTORSPORTS HERITAGE RUN
コースを走行した後はストレート上にマシンを並べた
和田孝夫氏とPRINCE R380(Type A-I)
NISSAN R382は星野一義氏がドライブ
NISSAN R381の前で話す北野元氏と長谷見昌弘氏
CALSONIC NISSAN R92CPと鈴木利男氏
NISSAN R391と本山哲選手
レジェンドドライバーと監督たちによる記念撮影
FIAの交通安全活動「アクションフォーロードセーフティ」キャンペーン
ゴールデンルールを読み上げる松田選手
ゴールデンルール
トリを務めるNISMO GP 2016の前にはグリッドウォークを実施
ペースカーはGT-R
ウォーミングラップでスモークを上げてタイヤを温めるMOTUL AUTECH GT-R
GT500勢が速さを見せるが、タイヤ交換やドライバー交代が必須となっていたため順位は混沌

フィナーレ

 イベントを締めくくるフィナーレは、現役車両によるパレードランでスタート。全車がメインスタンド前に整列したあと、シリーズチャンピオンを獲得したスリーボンド 日産自動車大学校 GT-Rのドライバーと監督に花束が手渡された。

 続いてイタリアで発生した地震の支援活動「Pray for Italy」を主宰するロニー・クインタレッリ選手に、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル 代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO)片桐隆夫氏から募金の目録が手渡された。

 片桐CEOは本当にいいこともわるいことも沢山あったシーズンだったと振り返り、「嬉しい時も悔しい時も本当に多くの熱心なNISMO、日産ファンの皆様と分かち合った1年でした」とコメント。来年は「日産が1番だと思っていただきたいと思います。我々も頑張りますので、来年も応援よろしくお願いします」と締めくくった。

スーパー耐久 ST-Xクラスでシリーズチャンピオンを獲得したスリーボンド 日産自動車大学校 GT-R
「来年も"来てるぜ日産"と言われるよう頑張ります」と内田優大選手
「本当にうれしい1年になりました」と藤井誠暢選手
「日産、NISMOと共に一所懸命に頑張ってきたかいがありました」と近藤真彦監督
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社 代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO)片桐隆夫氏
日産応援団 20周年を記念したセレモニーも行なわれた
片桐CEOからクインタレッリ選手に募金の目録が手渡された
花束が置かれたスリーボンド 日産自動車大学校 GT-R
来場者に選手や監督が挨拶
夕暮れと共にイベントは終了