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2016年度の4輪車総需要500万台超えの見込みで、自工会 西川会長「3年ぶりのプラスでグッドニュース」
2017年度の4輪車総需要は500万台との見通し
2017年3月16日 18:26
- 2017年3月16日 発表
自工会(日本自動車工業会)は3月16日、都内で開催した定例記者会見で2017年度自動車国内需要見通しを発表。発表によると2016年度の4輪車総需要が500万台超えの見込みとなり、記者会見に出席した自工会 会長の西川廣人氏は「3年ぶりのプラスでグッドニュース」と感想を話した。
自工会の発表では、2016年度の4輪車総需要は503万8000台で2015年度比102.0%との見込み。内訳は、登録車が331万9000台で2015年度比106.2%、軽4輪車が171万9000台・2015年度比94.8%との見通し。
西川氏は「足下の販売状況は堅調で、直近4カ月は登録車は前年同期比で約1割のプラスになっており、軽自動車は新車投入等で販売増が見込まれる。マクロでは直近で実質GDPが上方修正されて緩やかながら4半期続けてのプラス成長が見える。自動車も各社の努力で新車投入やお客様のポジティブな反応もあり、2016年度の販売台数は500万台を超えるのではと見ている。9月に発表した484万5000台の予想から約20万台の上振れとなり、3年ぶりのプラスでグッドニュースだと思う」と説明した。
2017年度の4輪車総需要は500万台で2016年度比99.2%との見通し。内訳は登録車が325万8000台で2016年度比98.2%、軽4輪車が174万2000台で2016年度比101.3%。
西川氏は「(燃費不正問題など)特殊要因のあった軽自動車を除き、登録車のトレンドを見ると自然なカタチで需要が戻ってきていると見ている。この販売ペースは2017年度も続くと見ており、全体需要は2016年度並みの500万台はいくであろうと見ている。堅調な登録車の状況を見て、今年度後半同様の上振れにぜひ期待したい」との期待感を話した。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けた中長期モビリティビジョン
また、会見では西川氏が東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年に向けて、最新のモビリティ社会の実現に向けた自工会の取り組みについて話した。
西川氏は「自工会では2020年を節目に、自動運転等の最新テクノロジーによるモビリティ社会の進化を国内外に発信して、アピールしていきたいと検討を進めてきた。今回、自工会のなかで検討を加速するための推進組織を立ち上げた。これから検討を加速していきたい」と話すとともに「政府、安倍首相をはじめとするトップレベルのイニシアティブがスタートしていて大変心強い。完全自動運転のレベル4の公道実験に向けて環境整備が進んでいる。大規模な実証実験としては、6月ごろから首都高や東名高速、東京臨海地区等で実施されることになっている。また、羽田空港周辺地域で実証実験を行なうということで、政府と東京都で、自工会を含めて連携しながら取り組んでいる」と話した。
また、西川氏は「こうした整備が進むと、各自動車メーカーもこれらの実証実験に参加していくことになる。技術開発、実用性、安全性等を検証して、完全自動運転に向けて本当に加速していくと思っており、大変期待している。また、インフラ、ルールの整備、輸送に携わる人たちとの連携も重要で、この面でも幾つかの関係省庁にまたがる体制づくりが進んでおり、産官学オールジャパンで取り組みが加速していくことを期待している」との期待感を語った。
今後の展開について、西川氏は「秋に開催する東京モーターショーでどんなことをお見せできるのかを含めて、5月の会見で明らかにする」と予告した。