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自工会 西川会長、先進性や新技術のアピールで「東京モーターショーの存在感を上げていきたい」

5月度の定例会見より

2017年5月22日 実施

日本自動車工業会 会長 西川廣人氏

 自工会(日本自動車工業会)は5月22日、5月度の定例会見を開催して2016年度の自動車国内需要について振り返りを行ない、2017年度の事業計画を報告したほか、第45回東京モーターショー2017について発表した。

 10月27日~11月5日に開催される「第45回東京モーターショー2017」では“TOKYO CONNECTED LAB 2017”と題した主催者イベントを開催するなど、新たな取り組みが紹介された。

 具体的には360度に映像を映し出す大きなドーム型の空間で自動運転やカーシェアリングといった、2020年の東京とその先のモビリティ社会を俯瞰で体感できるという「インタラクティブ展示」のほか、VRシステムを利用して自動運転やコネクテッドテクノロジーをゲーム感覚で体験できる「VR展示」などを実施する。

 自工会 会長の西川廣人氏は「日本は先進性という特徴を持った市場で、それをモーターショーでアピールしたいと考えて、トヨタとホンダと協力して継続的に進めている。2020年の東京オリンピックまでを1つの節目として考えていて、発表された技術は2021年、2022年と続けて具現化していきたい」と話した。

 また「日本のマーケットは500万台規模で、中国の3000万台に届こうとしている規模とは違うが、『先進的な技術を磨いて日本のマーケットで評価されると世界に通用する』という、自動車の先進技術の市場でテンプレートみたいなものとして存在感を上げたい。多くの日本企業は世界で勝負していて、技術面で見ればトップクラス。日本の市場というのはこういうクルマの使われ方をしているのだというのをモーターショーで競いながら、モーターショーの存在感を上げていきたい」と語った。

 さらに、今後のモーターショーについて西川氏は「将来を見据えたコンセプトカーのあり方にもなるが、従来型のように次にこれをリニューアルする、と新車を発表するパターンだけではどこのモーターショーでもあまり注目を浴びない。技術の先進性などのアピールが一番注目をされるだろうし、今後はますますそういう傾向になっていくと思う。少なくとも10年間くらいはモーターショーの中でコンベンショナル(伝統的)なアピールよりも、先進性や新技術をアピールする方が比重が増えていくのではないかと考えている。ワールドプレミアが多く発表されるという“数の部分”での期待値は難しく、そこは焦点ではなくなるのではないかと思う。新車が出るという発表の繰り返しだけでなく、どのように進化していくかをユーザーにどのようにアピールして、どのようにとっていただくかがポイントになる時代が、これからしばらく続くのではないかと考えている」と述べた。