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自工会 西川会長、2017年は「自動運転技術の導入・普及の取り組みを加速していく」
定例会見より。東京モーターショー2017のショーテーマも発表
2016年12月22日 19:16
- 2016年12月22日 開催
日本自動車工業会(自工会)は12月22日、定例会見を都内で開催。自工会会長の西川廣人氏から平成29年(2017年)度税制改正大綱やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、2017年10月27日から東京ビッグサイトではじまる「第45回東京モーターショー2017」などについてコメントが発表された。
まず平成29年度税制改正大綱については、基準の切り上げを最小限に止める形でエコカー減税等の延長が決定したことを受け、「エコカー減税の延長を決めていただき、減税措置・免税措置への影響を最小限にしていただき大変感謝している」と述べるとともに、TPPが国会で承認されたことについては「グローバルに事業展開する自動車業界にとって大変大きなこと。競争力強化をしていくうえで、環境の整備をしていただいたことは大変大きい」とコメント。
また、9月15日に行なわれた世耕弘成 経済産業大臣との意見交換会の際、「適正取引推進のための自主行動計画」を策定するよう要請されたことを受け、自工会として年内に自主行動計画の大筋をまとめ、年度内に具体的な行動計画を取りまとめることを表明。今回の定例会見ではその行動計画が示され、「我々の理解として日本経済の活性化は喫緊の課題と思っているし、それに向けた政府や世耕大臣の方針、我々に対する要望というのは十分に理解している。それを踏まえてバリューチェーン、サプライヤーチェーンという広がりが大きい我々自動車業界として貢献すべき。内容的にもだいぶ加速して具体案を議論してきた。今後も大筋の計画をさらに具体化し、実行していくということで部品工業会や関係団体、政府の皆様と連携して適正取引の普及、啓発に努め、結果的にサプライヤーチェーン全体での経済効果波及ということにできるだけ貢献していきたい」とした。
会見では2017年に向けてのメッセージも発信され、自工会として「安全・快適で持続可能なモビリティ社会の創造」「国内市場の活性化」「事業環境の改善」に取り組むことを紹介。
まず「安全・快適で持続可能なモビリティ社会の創造」については、「我々の目指すところは交通事故ゼロ・渋滞ゼロ。そのなかで自由な移動手段や高効率な物流を確保する手段として、自動運転技術の導入・普及の取り組みを加速していく。自動運転技術は少子高齢化、地方の過疎化が進むなかで、特に高齢者の方の運転による事故も話題になっているが、それらを未然に防ぐという意味でも非常に安全に貢献するのではないかと期待している。一方で、現在の自動車で実用化が進んでいるレベル1、レベル2よりもさらに高度な自動運転技術を社会に応用していくために、さらなる技術開発が必要になる。同時に、今までとは次元の異なる社会的なコンセンサスやルール作りが必要になり、そのための法的整備や交通環境整備も不可欠になる。次世代自動車の開発というのは日本の自動車メーカーにとって得意とする技術開発になるので、インフラの整備について政府のご支援をいただきながら商品、技術開発にフォーカスしていく」と述べた。
また、「国内市場の活性化」については「2017年は第45回東京モーターショーの開催年になる。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を1つのターゲットとして2017年、2019年の東京モーターショーをマイルストーンとして進めていきたい。狙いは大きく2つあり、1つは東京モーターショーとしての存在感。世界に対して技術の進化、将来のモビリティ社会の進化を示す場として東京モーターショーの存在感を大きく上げていきたい。もう1つは国内に対して“クルマ離れ”と言われる若者の皆さんを含め、従来よりも幅広い皆さんから関心を持っていただくショーにしたいということ。この2つを念頭に企画を進めていきたいと考えている」「日本の先進技術をアピールする大きなチャンスで、ハイテクショーとしての存在感を高めたい。既存のパターンにはまらないショーを作っていきたい」とし、ショーテーマとテーマロゴを公開。東京モーターショー2017では「ステートメント(宣言)」を設定しており、この思いをショーテーマである「世界を、ここから動かそう。BEYOND THE MOTOR」とロゴデザインに表現したという。
ステートメント
クルマの進化は、これからどこへ向かうのだろう。その答えは、きっとひとつではない。もしかしたらそう遠くない未来、クルマという概念は今とはまるで違うものになるかもしれない。
けれど、思い出そう。クルマの本質とは何かを。
それは人を動かすものだ。ココロを動かすものだ。私たちの可能性をひろげ、自由にするものだ。
クルマが変われば人やモノだけでなくもっと多くのものを動かせる。社会を前進させ、境界を超えて世界をもっと自由にできる。
だからこそ東京モーターショーは、クルマという枠を超えて生まれ変わろうと思う。
世界最先端のナレッジがぶつかりあい、新たなイノベーションやビジネスを生み出すイベントへと進化する。時代とともに成長しながらモビリティ産業の次のミッションを指し示す。
さあ、回転数を上げよう。あらゆる境界を超えて、クルマの未来を拡張していく冒険のはじまりだ。
「事業環境の改善」については、国会でTPPの締結が承認されたことについて歓迎の意向を示すとともに、日EU経済連携協定(EPA)を含めた自由貿易の拡大にも積極的にサポートしていく方針であることが語られた。
なお、会見の最後に西川会長は2017年に対する抱負を語り、「2016年を振り返ると色々なことがあった。経済環境、市場環境、そして地政学的にもさまざまなことがあり、2017年は平穏な年であることを望みたいが、色々なことがあると思う。これを自動車業界としては技術の進化、市場の変化をチャンスととらえ、競争すべきところは競争し、協調すべきところは協調するというような動きを進めたい」と述べている。