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自工会、池新会長が就任した2014年度定時総会を実施

「会員各社から意見を取り入れ自動車産業の発展に全力を尽くしたい」と池新会長

2014年度の定時総会後に記者会見を行った新しい役員の面々。左から、副会長兼専務理事 永塚誠一氏、副会長 相川哲郎氏、副会長 志賀俊之氏、会長 池史彦氏、副会長 豊田章男氏、副会長 小飼雅道氏
2014年5月15日開催

池新会長による就任の挨拶や集まった記者との質疑応答が行われた

 自工会(日本自動車工業会)は5月15日、2014年度の定時総会を実施。この総会で3月度の理事会で内定していたとおり、2012年5月から会長を務めてきた豊田章男氏に代わり、本田技研工業の代表取締役会長の池史彦氏が新しい会長として選任された。また、合わせて今年度の事業計画も定められている。総会後に行われた記者会見では、池新会長のほか、新しい副会長など6人が登壇。新会長による挨拶に続き、集まった記者との質疑応答が行われた

「リーディングインダストリーとして日本経済の再生に貢献したい」と池新会長

質疑応答で自身の“持ち味”について問われ、自分が所属しているホンダは2輪車生産を行っているのでその部分にもさらに力を入れたいと語り、さらに自らが30年ぶりに2輪車を買ったリターンライダーであることも明かしている

 就任の挨拶で池史彦新会長は、まず前会長の豊田章男氏が2年間の任期のなかで自動車産業の発展させ、“お台場モーターフェス”などの事前からの盛り上げによって2013年に開催された東京モーターショーを大成功に導いた手腕などを賞賛。志賀俊之氏、豊田章男氏と歴代会長が築いてきた自動車産業にとってよい流れを受け継ぎ、会員各社から幅広く意見を取り入れて自動車産業の健全な発展に全力を尽くしたいとした。

 また、昨年度は政府による力強い経済政策などによって国内経済は回復基調になり、これまで自動車産業にとって大きな重荷となってきた超円高がようやく是正。日本の自動車産業に久しぶりに明るさを感じる1年になったと語り、今年度は米国市場の改善を軸とする世界経済の回復、政府による経済政策の加速・強化による国内景気の向上が期待されるが、一方で新興国市場の減速懸念、国内でも消費税の増税に伴う駆け込み需要の反動減や消費マインドの低下が不安視されるなど、自動車産業を取り巻く環境はけっして楽観できる状況にはないと分析している。2014年度は日本経済が回復基調から持続的成長に転換するための重要な年になると語り、自動車産業は“日本のリーディングインダストリー”として、また“もの作りの代表選手”として日本経済の再生に貢献したいと意気込みを表明した。

 挨拶の後半では2014年度の事業計画について触れ、「クルマ・バイクの魅力発信による新たなファンづくりと自動車ユーザーの税負担軽減、2輪車の利用環境改善などによる国内市場の活性化」「TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)や日・EUのEPAといった自由貿易協定のさらなる推進、法人税引き下げによる国内産業の盤石化に向けた政府に対する要望活動による事業環境の改善」「安全技術の導入や普及、次世代自動車の開発などによる、安全・快適で持続可能なクルマ社会の創造」といった3点を事業方針として決議したことを紹介している。

質疑応答では2014年度の新体制のおける抱負について質問された。池新会長は「自動車産業はアベノミクスの“第3の矢”に置ける“一丁目一番”に挙げられるなど大きな期待が持たれています。この大きな期待に応えていくことが自動車産業の大きな責務だと考えています」と回答
「6月に安倍政権が“第3の矢”である成長戦略を発表しますが、自動車産業は“リーディングインダストリー”として大きな役割があると思います。真の競争力を持って日本を支えていく責務を背負っていると考え、自動車産業を盛り上げて日本の成長に貢献していきたいと思っています」と語る副会長 志賀俊之氏
「池新会長に“カーガイ”と評されたように、今後も自動車に熱い思いを持ち、また副会長として新会長と自動車産業に対して、微力ではありますが貢献していきたいと考えています」と語る副会長 豊田章男氏
「池新会長のもと、日本の自動車産業のために企業人としてだけでなく、1人のクルマファンとしてお役に立ちたいと考えています」と語る副会長 相川哲郎氏
「池新会長やほかの副会長のみなさんとコミュニケーションをしっかり交わし、個社の枠を超え、微力ではありますが池新会長を最大限にサポートしてきたいです」と語る副会長 小飼雅道氏
「私は自動車工業会の事務局を取りまとめる重責を担っていると認識しています。この責務をしっかりと果たし、自工会の事業方針の実行と実現に努力していきたいと思っています」と語る副会長兼専務理事 永塚誠一氏

(編集部:佐久間 秀)