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自工会、10月11日~13日に体験型イベント「東京モーターフェス2014」を開催
9月度定例会見では厳しい国内販売状況を報告
(2014/9/19 00:00)
日本自動車工業会(自工会)は9月18日、9月度の定例会見を行うとともに、10月11日~13日の3連休に東京・お台場で開催するイベント「東京モーターフェス2014」の詳細について発表した。車両の展示だけではなく、超小型モビリティの試乗や先進安全装備の体験などを増やした体験型イベントにするという。また、4輪車と2輪車による曲芸走行の「シルク・ド・モビ」も内容をよりパワーアップさせ、一部来場者の同乗体験も可能として実施する。入場は無料。
“見てもらうイベント”から“体験型のイベント”へ
東京モーターフェス2014は、東京モーターショーの休催年にあたる今年、自工会によって行われるイベント。昨年は東京モーターショーと同時開催という形式で「お台場モーターフェス」の名称で実施したが、今年は単独開催となる。開催場所は東京・お台場の船の科学館駅に隣接したエリアで、自動車関係のイベントもよく行われている一角を利用する。
今回は「クルマ・バイクの楽しさをより多くの人に知ってもらう、1人でも多くのファンを増やす」というテーマで開催する。従来のイベントを「クルマを見ていただくことに止まっている」と反省。実際に乗り込み、運転する体験によってモビリティを再認識してほしいとの意図がある。これを反映し、開催内容は試乗を含めた体験型のコンテンツを多数用意するものとなる。
会場は大きく4つにゾーンに分け、「デモコース・ゾーン」「ドキドキ・ゾーン」「ワクワク・ゾーン」「ドライブ・ゾーン」としてイベントを行う。
デモコース・ゾーンでは、4輪と2輪の車両で曲芸走行する「シルク・ド・モビ」を開催するが、今回はよりパワーアップした「シルク・ド・モビ~スペクタクル~」と、日没後に実施する「シルク・ド・モビ~エレガンス~」の2種類を上演。さらに出演するクルマに同乗できる「シルク・ド・モビ体験」も用意される。また、トラックやバスに試乗できる「はたらくクルマ体験」や「超小型モビリティ試乗」、トークショーなどのほか、10月13日には「2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の受賞車発表が行われる。
ドキドキ・ゾーンでは、バイクのショーや大型から原付まで用意する試乗コーナー、特設コースを使ったSUV体験、“ぶつからないクルマ?”などを体験できる安全技術紹介などが実施予定。
ワクワク・ゾーンでは、運転席にも座れるはたらくクルマ展示やパーソナルモビリティの体験コーナーのほか、プロのサポートを受けながらエンジンの分解組立やメンテナンス作業などが体験できるサービスエンジニアコーナー、キッズカート体験コーナー、日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカー展示、タカラトミーブースなどを設ける。
船の科学館駅を挟んで反対側に位置するドライブ・ゾーンは、船の科学館の駐車場を使い、先進安全装備の1つである駐車支援システムを体験できる「すいすい駐車体験コーナー」と、各参加メーカーの最新モデルをラインアップし、駐車場を発着点としてお台場地区の公道を試乗する「お台場テストドライブ」の2コーナーを設ける。
なお、参加企業は自工会会員の14社のうち、川崎重工業を除く国内13社に加え、海外メーカーからもメルセデス・ベンツ、BMWが参加する。
東京モーターフェス2014は入場無料で、会期は10月11日~13日。開催時間は初日の10月11日が10時30分~19時、12日と13日が11時~19時。場所は東京・お台場の船の科学館駅周辺の青海NO地区と船の科学館駐車場。集客目標は3日間で9万人を見込んでいる。
フェス初日にトークショーを実施する鈴木ちなみさんが登場
このほか、発表会にはタレントの鈴木ちなみさんが登場し、イベントへの来場を呼びかけた。鈴木さんはフェスの告知CMに出演するほか、開催初日の10月11日にデモコース・ゾーンでトークショーに参加するという。
会場で鈴木さんがオフロード走行の同乗体験をしたときの様子を収録した告知CMが流れると「こんなところをクルマが通るの?という坂道や傾斜を経験して、クルマの凄さと新しい発見があり、すごく楽しかった」と感想を語った。
好きなクルマについて問われると「色がかわいくて、小まわりが効く。ちっちゃいサイズなんだけど、中が広々としている。欲張っちゃったんですが、そういうタイプが気になります」とこだわりを見せた。
このほかに今回は、イベントの告知がSNSを通じて情報拡散されることにも期待。東京モーターフェス2014のプレ体験会に参加した大学生たちが、最長6秒の動画を共有するサービス「Vine」を使って動画を配信。クルマの楽しさを短い時間で伝える試みも行われている。
9月度定例会見では厳しい国内販売状況を報告。政府への税制要望も
東京モーターフェス2014の発表に先立って行われた自工会の9月度定例会見では、まず国内での販売状況が報告された。これまでは3月の消費税の増税前に受注して、4月以降に登録・納車された台数が含まれていたため判断を先送りしていたが、受注残をほぼ解消したことから、あらためて現在の国内販売が厳しい状態であると評価された。
4輪車の総販売台数は、7月は対前年比97.5%、8月は同90.9%とマイナス幅が大きくなっている。これは消費税の引き上げ前の駆け込み需要に対する反動減が依然として続いているだけでなく、人気車種で発生していた受注残がほぼ解消したからだと分析する。
当初は7~8月には販売数値が戻ってくると予想していたというが、実際には戻っていない。9月については集計前だが、現場レベルのヒアリングでは厳しい状況が続いているとのこと。秋の新型車登場に期待してはいるものの、厳しい状況が続くと予想している。
一方、政府に対する税制の要望をまとめた「平成27年度税制改正に関する要望書」についても説明された。自工会の最重点要望である自動車関係諸税の簡素化、負担軽減について書かれたもので、消費税率の10%引き上げ時における自動車取得税の確実な廃止や、重量税の“当分の間税率”と呼ばれる上乗せの廃止などを要望している。
特に自動車税に導入が検討されている「環境性能課税」は「自動車取得税」の付け替えであると厳しく非難。池会長は「環境性能課税は、負担軽減の要素は全く見出すことができない」と強い口調で訴えた。