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自工会、10月27日開幕の「第45回東京モーターショー2017」開催概要発表会
モーターショー特別委員会 委員長の星野朝子氏が解説
2017年9月21日 19:38
- 2017年9月21日 開催
自工会(日本自動車工業会)は9月21日、東京都港区の東京プリンスホテルで9月度の定例会長会見を開催。このなかで、10月27日~11月5日に開催される「第45回東京モーターショー2017」の開催概要を発表した。
東京都江東区有明の東京ビッグサイトを会場に行なわれる今回の東京モーターショーでは、国内メーカー14社15ブランド、海外メーカー13社19ブランドの自動車メーカーが出展。世界10カ国から計153社・団体が参加して、70以上のワールドプレミアを予定している。入場券の前売りは東京モーターショーオフィシャルWebサイト内のチケット情報で8月1日から販売が開始されており、2万枚限定の「プレビューデー入場券」(10月27日12時30分~18時)が3500円、一般公開日(10月28日~11月5日)の入場券は一般1600円、高校生500円。中学生以下は入場無料。
また、9月21日からは取扱先が拡大され、鉄道会社、旅行会社、コンビニエンスストアなどの店頭でも各種前売入場券の販売がスタートしている。
会見ではこのほか、モーターショー特別委員会 委員長を務める星野朝子氏から、東京モーターショー2017の開催概要に加えて主催者テーマ展示「TOKYO CONNECTED LAB 2017(東京コネクテッドラボ2017)」の詳細や、開幕に向けたPR活動などについて紹介された。
東京ビッグサイトの西4ホールで実施されるTOKYO CONNECTED LAB 2017は、従来の主催者テーマ展示と比較して規模を大幅に拡大。「東京モーターショーの新たなシンボル」として開催する。来場者が見るだけではなく、体験しながら実感できるプログラムを用意して、未来のモビリティ社会の姿をより深く理解できるようにするという。そのために、「THE FUTURE~東京とモビリティの未来を描こう~」「THE MAZE~都市迷宮を突破せよ~」「THE MEET UP~モビリティの未来を語ろう~」という3つのプログラムを用意しているという。
THE FUTURE~東京とモビリティの未来を描こう~
300人が同時に入れるという大型ドーム内で実施される「THE FUTURE」では、来場者に問いかけられるアンケートにスマートフォンなどのアプリを使って回答すると、回答内容に応じて想定される「6つの未来」の映像をドーム内に表示。さらに回答から読み取れる志向を分析して、来場者が求める“未来モデル”をリアルタイムに生成。会期を通じて回答内容のデータが蓄積されると、ほかの来場者がどのような未来を志向しているかを確認することもできるようになるという。
THE MAZE~都市迷宮を突破せよ~
PlayStation VRを最大30台接続するVRシステムで自動運転やコネクテッドカーについて体験できる「THE MAZE」。来場者はバーチャル空間で2輪・4輪の好みの車両を使い、迷路に見たてた未来の東京を走行。すれ違うほかの来場者の車両から送られてくる通行止めなどのリアルタイム情報を活用し、ゴールを目指しながらコネクテッドカーのある世界をゲーム感覚で楽しめる内容となる。
THE MEET UP~モビリティの未来を語ろう~
THE MEET UPでは、自動車業界以外で活躍するクリエイターが未来のモビリティについて語る「トークセッション」を連日実施するほか、事前に他業界やベンチャー企業、学生などから募集した50以上の「未来のモビリティ社会に向けたビジネスアイデア」から選ばれた4チームと、同日から広く追加募集を始めたなかの1チームによる「決勝プレゼンテーション」を実施。決勝では各自動車メーカーの担当者なども審査に参加して、高く評価されたアイデアは実現に向けて動き出すことも想定しているという。
最後に星野氏は「日本自動車工業会は、世界の注目が集まる2020年の東京オリンピック・パラリンピックを機会に、この2017年と2019年の東京モーターショーを一体として取り組み、日本の自動車メーカーが技術力を集結させることで『世界一のテクノロジーモーターショー』にするべく努力してまいりたいと思っております」と意気込みを語った。
また、会見では自工会 会長の西川廣人氏から通常の定例会長会見で紹介されている景況感などについての解説が行なわれ、西川氏は「足下となる国内の景況感としては、少しずつではありますが、期待していた経済の好循環が出始めていて数値に表われているのだろうと見ております。直近の4~6月のGDPの数字も前期比で2.5%の成長ペースを維持しております。先月の政府の月例経済報告では、この景気回復が戦後2番目に長い『いざなぎ景気』に並ぶものであるとの認識が示されています。我々の自動車業界に目を移すと、4月から8月までの累計で前年比10%増えており、好調を維持して今年度の後半もこのペースが続くのではないかと見ております。結果として、自動車業界としても経済の好循環にさらに貢献していくことが重要であろうと認識しております」とコメント。
このペースを維持するためには今後の税制改正も大切で、自工会としては平成30年度の税制改正に対する要望書を取りまとめており、車体課税に焦点を当て、自動車税の引き下げと重量税の「当分の間税率」廃止などについて取り組みを進めていくと西川氏は語った。
「世界一のハイテックショー」を目指すと西川会長
会見後半に行なわれた質疑応答では、西川氏に対して現在の東京モーターショーの位置づけなどについて質問。西川氏は「今回の2017年と次の2019年を合わせて、東京モーターショーを『世界一のハイテックショー』にしていきたいという狙いを持っております。モーターショーは従来から、ワールドプレミアがどれだけあるとか、参加社が何社あるとか、規模を基準に語られることが多かったですが、そういったことではなく中身の質で存在感を上げていきたいということです。モーターショーをそういった形に進化させていきたい。進化をさせるためのコンテンツは、日本の自動車メーカー各社さんが非常にレベルが高く、世界をリードするものをお持ちです。それをショーケースとして上手く表わす場として、日本以外のOEM各社さんも、『東京モーターショーで見せて、はじめて世界に広がるんだ』という存在感のあるショーにしていきたいというのが大きな狙いです」。
「そのためには各社での展示内容が魅力あるものでなければなりませんが、それ以前に多くの人に来ていただくことが重要で、そういった意味で、先ほどもご紹介したテーマや主催者テーマ展示といった企画で幅広いみなさんに興味を持っていただき、来場いただくことが狙いです。来ていただければ各社さんの展示を含めて十分なコンテンツがありますので、そこで『自動車はこんな風に変わっていくんだな』と感じていただき、各社の持つ技術を知って自動車の進化をより身近に感じていただき、かつ日本の自動車マーケットを活性化していきたい。その上に東京モーターショーの存在感を世界のなかでもっと上げていきたい。質の向上というものを狙って企画したものとなっております」と解説した。
また、先だって開催されたフランクフルトショーなどでも多くのメーカーでEV化の方向性が強く打ち出されたことに対する自工会としての認識を問われ、西川氏は「自動車の電動化については大きな流れになるであろうと我々も思っていましたし、会員各社のみなさんもそういった方向を前提に仕事をしていると思っています。最近の各国における政府発表であったり、メーカーの将来に向けた計画などいろいろ言われておりますが、足下を見て、日本のマーケットや会員各社さんのあり方は、電動化に向けてかなり進んでいると思います。ハイブリッドなども含めて先行しているところで、これから徐々にそういった変化の波が来たとして、むしろ我々がより競争力のある商品をオファーして存在感を上げていく、実力を発揮していく土壌ができて、来るものが来ていると思っています」とコメントしている。