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トヨタとNTT、「コネクティッドカー」向けICT基盤の研究開発に関する協業で合意

「データ収集」「データセンター」「次世代通信」「エージェント」の分野で標準化を目指す

2017年3月27日 発表

2016年2月に行なわれた「NTT R&Dフォーラム2016」で公開された「ぶつからないクルマ」コンセプトの実動デモンストレーション

 トヨタ自動車とNTT(日本電信電話)は3月27日、トヨタが保有する「自動車に関する技術」と、NTTグループ各社が保有する「ICTに関する技術」を組み合わせ、コネクティッドカー分野での技術開発・技術検証及びそれらの標準化を目的に協業することに合意したと発表した。

 今回の協業では関連する各社が持つ技術やノウハウをそれぞれで共有。クルマから得られるビッグデータを活用することで事故や渋滞などさまざまな社会的課題の解決したり、新たなモビリティサービスをユーザーに提供するときに必要とされる技術の研究開発に協力して取り組むことで、持続可能なスマートモビリティ社会の実現をグローバルな視点から目指すとしている。なお、今後はコネクティッドカー分野での代表的なサービスの実現可能性やサービス性などを評価するため、2018年に実証実験を行なう予定となっている。

 協業の対象となるのは「データ収集・蓄積・分析基盤」「IoTネットワーク・データセンター」「次世代通信技術(5G、エッジコンピューティング)」「エージェント」の4分野。トヨタではクルマのユースケースにおける知見をはじめ、車両側のデータ要件に基づき、モビリティサービスの価値創造を目指すコネクティッドカー向けICT基盤の研究開発を行ない、NTTグループでは、NTTがエッジコンピューティング技術の研究開発や国際標準化活動の推進、NTTグループのAI技術「corevo」の知見を活かした運転アドバイスや音声インタラクション技術などの研究開発を担当する。

 このほかにも、NTTデータが社会インフラ構築の実績と設計力、技術力と戦略的に強化中のグローバル対応力、大規模データの高度数理分析・解析の研究と経験を活かしてデータ収集・蓄積・分析基盤に関する技術を創出し、NTTコミュニケーションズはグローバル展開するICTサービスの「Tier1 IPバックボーン」「VPN」「データセンター」を活用してIoTに最適な次世代グローバルインフラを創出。NTTドコモが次世代移動通信システムである「5G」の標準化を牽引し、高度な研究・技術開発の実績を活用して自動車向けとなる5Gの標準化を推進しつつ、5Gの実証実験を先導していくという役割分担となる。

NTT R&Dフォーラム2016で公開された「ぶつからないクルマ」デモ(21秒)