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ホンダ、“人と協調するAI”の開発に向け京都大学と共同研究開始

“人と協調するAI”が活用されるためのコンセプトの確立を目指す

2017年4月27日 発表

ホンダのヒューマノイドロボット「ASIMO」とパーソナルモビリティ「UNI-CUB β」

 本田技研工業は4月27日、AI(人工知能)の研究を加速させるために、同社研究開発子会社HRI-JP(ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン)と京都大学 大学院情報学研究科 知能情報学専攻がプロジェクトチームを立ち上げて新たな共同研究を開始したと発表した。

 ホンダではAIを搭載したモビリティやロボットが信頼できる家族のようになり、生活の一部として人に役立つ社会を描いており、「人の感情を理解し共感できること」「人に寄り添い、共に成長していくこと」「主役である人の可能性を拡大していくこと」ができる“人と協調するAI”の開発を目指している。

 今回立ち上げたプロジェクトチームの代表は同大学の熊田孝恒教授が務め、専攻長である鹿島久嗣教授も参画。プロジェクトでは“人と協調するAI”が広く社会に受け入れられ、活用されるためのコンセプトの確立を目指す。

 京都大学 大学院情報学研究科 知能情報学専攻 熊田孝恒教授は「ホンダの創造性や技術力、HRIの研究開発力に大いに期待をしています。AIの新しいコンセプトを作り出し、世の中に発信していくことは、我々、アカデミアの人間にとっても大変に魅力的です。また、この機会に、新しい産学連携のあり方も模索できればと考えています」とコメント。

 ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン 代表取締役社長の辻野広司氏は「京都大学 大学院の知能情報学専攻は、人間の情報処理の解明から、理論構築、知能情報処理にわたるトップクラスの研究者を擁しており、HRIは長年にわたり、共同で研究を行ってきました。このたび始まるプロジェクトを通じて、新たな知能研究を提案していきたいと思います」とコメントしている。

ホンダのAI(人工知能)を搭載したEVコミューターのコンセプトカー「NeuV」