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独アウディ、2017年発売の新型「A8」全エンジンに「48Vマイルドハイブリッド」設定

6気筒、8気筒、W12気筒に48Vマイルドハイブリッドを設定

2017年6月14日 発表

「内燃エンジンテクノロジーに関するテックデイ」で紹介された48Vマイルドハイブリッドシステム

 独アウディは、先だって開催した「内燃エンジンテクノロジーに関するテックデイ」のなかで、2017年中ごろに“新しいマイルドハイブリッドシステム”を採用する「MHEV」の生産を開始。2017年の投入が予告されている新型「A8」では、すべてのエンジンに48V電源を活用するマイルドハイブリッドシステムを用意すると発表した。

 MHEVは2種類が用意され、4気筒エンジンは既存の12V電源が組み合わされ、6気筒、8気筒、W12気筒については主電源に48Vシステムが採用されるという。これにより、車両のさらなる効率化だけでなく、よりスポーティで快適な走行の実現も可能になる。

 新型A8のMHEVでは、フロントに搭載するエンジンの前方に水冷機構を備えた「ベルト式オルタネータースターター(BAS)」を設定。ヘビーデューティなV型リブのベルトを介してエンジンのクランクシャフトと連結されるBASは60Nmのトルクを発生し、さらに最大12kWの電力を回生発電する。

 また、48Vの電力を安定供給するリチウムイオンバッテリーは、車両後方のラゲッジコンパートメントに温度管理用の空冷機構を備えて設置。このリチウムイオンバッテリーは10Ahの充電容量を持ち、DC/DCコンバーターを介して補機類用の12Vバッテリーとも接続されている。

48V MHEVの主要コンポーネント
60Nmのトルクを発生する「ベルト式オルタネータースターター(BAS)」
リチウムイオンバッテリーは車両後方にレイアウト

 この48V MHEVテクノロジーでは30km/h~160km/hで走行している状態でアクセルをOFFにすると、最大45秒までエンジンが完全に停止してコースティング(無負荷走行)の状態に移行。また、エンジンの再始動時にはBASがエンジン回転を規定まで即座に高め、その状態から燃料噴射と点火が再スタートする。さらに新型A8のMHEVでは減速時の回生発電とコースティングの切り替え判断を、フロントカメラ、予測効率アシスタント、カーナビのルート情報、ネットワーク化されたセンサーからのデータなどを利用する「ドライブマネージメントシステム」で行なうという。

 これらにより、V6 TFSIにMHEVテクノロジーを搭載することでNEDCサイクルで最大0.7L/100kmの燃料節約を実現する。

 このほかに同テックデイでは、アウディがラインアップする多彩なV型エンジンの戦略や各エンジンの詳細、人工合成する「アウディ e-gas」などのCNG(圧縮天然ガス)を燃料とする「アウディ g-tron」の技術概要、2017年9月からNEDC(新欧州ドライビングサイクル)に変わって導入されるWLTP(Worldwide Harmonized Light Duty Test Procedure)などについても解説されている。詳細はアウディ ジャパンのニュースリリース内に用意されているPDFファイルを参照していただきたい。

ドイツ本国などでは販売が行なわれているCNG(圧縮天然ガス)が燃料の「アウディ g-tron」