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ブリヂストン、バスと停留所の隙間を小さくする「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」の開発と「次世代正着縁石」を改良

縁石とタイヤサイド部を接触させることでバスと縁石の段差を33mmに

2017年6月15日 発表

新しく開発された「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」の交換可能なサイドゴム部分

 ブリヂストンは6月15日、バスを停留所に停車させる際に縁石とタイヤサイド部を接触させて、乗降口と停留所の隙間や段差を小さくする「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」を開発し、あわせて「次世代正着縁石」の改良を発表した。

 バリアフリー用新コンセプトタイヤは、バス停留所の縁石とバスのタイヤサイド部が接触を繰り返して摩耗が進んだ際に、サイドゴムを貼り替えられるというもの。この新技術はブリヂストンが持つリトレッド技術を応用していて、タイヤサイド部がトレッド部よりも早く摩耗した場合、シート状のサイドゴムを現場で追加接着してタイヤの再使用を可能とする。また、タイヤサイド部とトレッド部の両方が摩耗した場合は、リトレッド工場で新たなサイドゴムとトレッドゴムを同時に貼り替えることもできる。

タイヤを再使用する際の流れ

 これらの技術により、タイヤサイド部のゴムをあらかじめ厚くする従来の摩耗対策に比べて、タイヤの重量増や転がり抵抗の悪化を軽減。摩耗した部分のみ交換するため、より省資源でタイヤを長く経済的に使えるようになる。

 なお、新しいサイドゴムはタイヤが縁石と接触する際の耐摩耗性能(削れにくさ)と低摩擦性能(滑りやすさ)に着目して開発され、実車試験により接触した際の摩耗量が従来品の約4分の1に抑えられたことが確認されている。

 また、次世代正着縁石については、従来から採用している正着性を向上させる傾斜付きの路肩スロープとタイヤサイド部の摩耗を軽減する縁石底のラウンド形状に加え、縁石の上部に車両との接触を回避する形状を新たに採用。バスと縁石との段差をこれまでの58mmから25mm減少させ、33mmに改善した。

従来型「次世代正着縁石」の路肩形状
縁石にタイヤサイド部を接触させてバスを停めた場合の段差は58mm
改良型次世代正着縁石の路肩形状。縁石の上部に車両との接触を回避する形状を追加
縁石にタイヤサイド部を接触させてバスを停めた場合の段差は33mm

 ブリヂストンは、今回発表したバリアフリー用新コンセプトタイヤと次世代正着縁石により、バス乗降時の車いすやベビーカー利用者の負担軽減に貢献できると考え、バリアフリー化の実現に向けた検討を推進。2020年の実用化を目指していく。