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石垣島で自動運転バスの試乗を行なった鶴保大臣に聞く
「開発の手を緩めることなく進めていくことに大きな意味がある」
2017年6月28日 20:30
- 2017年6月25日 開催
6月25日、石垣港離島ターミナルにおいて自動運転バスの出発式が開催され、自動運転バスの最初の乗客として鶴保庸介 内閣府特命担当大臣(沖縄および北方対策、科学技術政策、情報通信技術政策など担当)が試乗した。
この自動運転バスは、自動運転技術を研究・開発する先進モビリティと、ソフトバンクグループのSBドライブが内閣府の推進する戦略的イノベーション創造プログラム「自動走行システム」(SIP-adus[Automated Driving for Universal Service])から委託されて実証実験を行なっているもの。
6月26日~7月8日に新石垣空港~石垣港離島ターミナルの間を、観光客も含め一般客を対象に走行しているが、鶴保大臣の試乗では石垣港離島ターミナル~ANAインターコンチネンタル石垣リゾート間を走行した。鶴保大臣は石垣島の前に行なわれた沖縄県南城市の1kmの実証実験において自動運転バスに試乗しているが、石垣島の実証実験ではさらに長距離を走行した。その点を含め、質問を行なっている。
鶴保大臣:実証実験第1日目、私も試乗に参加をさせていただきました。今回は比較的交通量の多い道路での自動運転の状況でありましたし、それだからこそ、実用化への期待感を持つことができました。
とくに印象的だったのは、信号の変わりどきを事前に予測して自動的に止まることができる、というシステムです。(これは)非常に実用化に向けての予感がありました。
今後これらの自動運転技術をさらにレベルアップしていただけるよう関係部局を督励し、また技術者の皆さまには努力をいただけるよう私たちとしても環境整備に努めたいと思っています。
──鶴保大臣は、最初の南城市の試乗においても自動運転バスに乗られましたし、今回の石垣島でも乗られました。南城市での試乗と石垣島での試乗とで違いはどこにありましたか?
鶴保大臣:間違いなく交通量です。この交通量の多いところでこれ(自動運転の実証実験)ができるのかと。正直、一番前に乗っていて最初は不安でした。曲がるときに右折も左折も対向車も来るわけですから。そこで混乱が起きないか、また、もたもたして大渋滞になりはしないかと考えましたが、非常にスムーズに、たまたまだったのかもしれませんが(交通量が)途切れたときをスッと(バスが自動で)抜けて行くことには感銘を覚えました。
あとは車線がいくつもありますから。複数車線ではないので。南城市でやったときには、単に単車線を真っ直ぐ走って(バス停に)正着するということですから。今回は複数車線を右へ行ったり、左へ行ったりしていますので。これも技術的にはもともとできたのだろうと思いますが、実用化に向けてのよい実験ができたのではないかと思います。
──沖縄、石垣島には観光客が増えているとの話がありましたが、一方で路線バスを含めて運転手の高齢化ということが言われています。観光振興と路線バスが両立していく上で、自動運転に期待するものは?
鶴保大臣:自動運転の一次的な効果としては、バスの運転手の不足に寄与するものであります。ある程度熟練のバス運転手、運転経歴の長い、熟練度の高い運転手でなければ現場になかなか投入できないという話を長らく聞いてまいりましたけれども、こういう運転アシスト的機能が進むだけでも相当負担の軽減につながっていくのだろうと思います。
今、(自動運転に関しては)道交法の問題であるとか、さまざまな法律上の整備が進んでいない状況でもアシスト機能をより進めることで、今はハンドルに手を置いたりとか、危ないときには自分でブレーキを踏まなければならないなどいろいろなことがあると思いますが、それでもこの開発の手を緩めることなく進めていくことに大きな意味があるのではないかと考えています。