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【もてぎJoy耐 2017】Car Watchチームの走りを支えるタイヤは横浜ゴム「ADVAN A050」

予選は“GSコンパウンド”、レース本番は“Mコンパウンド”

2017年7月1日 公式予選

2017年7月2日 決勝・7時間耐久レース

“Joy耐”こと「2017 もてぎEnjoy耐久レース」では、練習走行、予選、そして7時間耐久レースが行なわれる。Car Watchチーム(64号車・ホンダ フィット)が装着しているタイヤは横浜ゴムの「ADVAN A050」(195/55 R15)だ。

 このタイヤはモータースポーツ専用として発売されているもので、静粛性や省燃費、耐摩耗性のよさよりは、競技でよい成績を残すことに特化した作りが施されているのが特徴。Car Watchチーム以外でも多くのチームで好んで使っているなど、モータースポーツの世界では信頼を置かれているタイヤだ。

 さて、そんなADVAN A050だが、今回のレースには同サイズで2種類のタイヤを持ち込んだ。その違いはタイヤトレッド面のコンパウンドである。

 用意したのは「M(サーキット走行全般に適する)コンパウンド」と「GS(ジムカーナ専用)コンパウンド」。Mコンパウンドは名前のイメージのとおり、硬すぎず、柔らかすぎず、使いやすい特性を持つタイプで、今回のJoy耐ではこのタイヤを中心に使用していく方針である。

 ただ、これまでのレポートでも紹介したように、今回の予選は雨天が予想され、気温も路面温度も低い。このため、競技専用タイヤであるADVAN A050のMコンパウンドではグリップを発揮できるタイヤ温度までなかなか上がってこない。

 そこで登場するのがGSコンパウンド。このタイヤはジムカーナという競技用に開発されたものだが、ジムカーナは静止状態から走り出す競技スタイルなので、レースのように事前にタイヤを暖めておくことが困難。そのため、タイヤ温度が低い状態からグリップを発揮できるようになっているのが特徴だ。

 ただし、ジムカーナは競技時間が短いので、サーキットレースで使用すると今回のようなウエット路面であっても消耗による性能低下が激しく、ツインリンクもてぎのコースではグリップ力の高さが持続するのは1周が限度ということだ。

 しかし、そのグリップの高さは予選において非常に強い武器になるので、予選ではGSコンパウンドを使用するということになった。

Car Watchチームが使用するタイヤは横浜ゴム ADVAN A050(195/55 R15)だ。このタイヤは公道走行をしても違反にはならないが、基本的に用途はモータースポーツ専用となっている
雨の予選ではGSコンパウンドを使用する。タイヤのショルダーにはコンパウンドのグレードを示す「G/S」の文字が入る
最初に乗るドライバー西村氏
主要なサーキットにはタイヤメーカーの常設サービスがある。なお、タイヤの本数ほどホイールを用意していないので、横浜ゴムのタイヤサービスで使用済みタイヤなどと組み替えてもらう
レース用タイヤは一般車用タイヤと比べてタイヤの構造自体の剛性が高いので、ホイールにはめるのも硬い。組み付け時はタイヤのビード部に傷を付けないよう、モータースポーツ担当の熟練スタッフがていねいに、かつスピーディに作業を行なう
組み替えたタイヤはエア入れの行程に送られる。ここも専業のスタッフがいる。充填するのは基本的に空気だが、チームによっては窒素ガスを指定する場合もあるという
最後に回転バランスを取る。ホイールリムの裏に平板式のバランスウエイトを貼るのだが、レースではウエイトが剥がれて飛ぶことを防止するため、ウエイトの上からテープを貼り付けることが決まりになっている