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【SUPER GT 第4戦 SUGO】GTA坂東正明代表の定例会見

タイ戦は1年契約で継続、日程はかつてのセパン戦(6月)の方式へと変更の方針。鈴鹿は300kmレースで2018年の前半に開催

2017年7月23日 開催

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

 SUPER GT 第4戦 SUGO GT 300km レースが、7月22日~7月23日の2日間にわたって開催されている。決勝日となる7月23日の14時30分からは決勝レースが行なわれる予定で、7月22日に行なわれた予選(別記事参照)で決定されたグリッド順にスタートが切られることになる。

 その7月23日の午前中にはSUPER GTのプロモーターであるGTアソシエイション(以下GTA) 代表取締役 坂東正明氏による記者会見が行なわれ、2018年のスケジュールなどに関しての説明などがあった。以下はその模様になる。

GT500のNSXのミッドシップハンデ軽減に関しては、軽減だけで無くホンダ側の努力もある

司会:冒頭に坂東代表から挨拶を……

坂東氏:あいにくの天気だが、昨日の予選はなんとか天気がもって、熱い戦いが繰り広げられた。ただ、現時点(記者会見は10時から)では外からの導線の引っ張り方に課題があって、下側のゲートを先頭に渋滞が発生している。村田から上がってきたお客様はしっかり誘導できているのだが、下(筆者注:東北自動車道の出口方面)から来ているお客様の誘導には課題があると認識している。今後しっかり取り組んで行きたい。

Q:前戦でGT500のNSX-GTのミッドシップハンデの軽減があったが、感想と他のメーカーからの反応は?

坂東氏:性能均衡化に関してはそれなりにうまくいっていると理解している。そうした決定事項に関して、他のメーカーの関係者が個人的に思うことはあるのかもしれないが、公なアクションという点では特に何も届いていない。仮にウェイトハンデの軽減だけで、前に行きましたって事ならホンダのSakuraは何をしていたんだということになる。だからこそSakuraの開発陣もそういう屈辱感の中から全力を出してきて、今の結果があるのではないかと考えている。

Q:GT300、特にFIAーGT3の性能調整が毎回変わっており、今回はJAF-GTの方もリストリクターの径が広がっている……

坂東氏:FIA-GT3の性能調整はSRO(筆者注:ヨーロッパでブランパンGTレースを運営しているプロモーター)に委託している。SROの方でサーキットを、低速中速高速の3つに分けており、岡山が中速、富士は高速、オートポリスは低速になる。それらの判断はSROに委託しているため、それを尊重している。ただ、ブランパンはタイヤがワンメイクだったりと微妙な違いもあり、チームの違いもあったりと、違いがでている部分もある。

 プリウスに関しては、過去のレーシングエンジンを使っている。そこにリストリクターで制限をしているのだが、それが年を経るに従って出力が大きく出せなくなってきたりという部分ができている。それをデータで確認し、仮にチームが投資するとなると莫大な費用がかかってくることになる。そこで今あるものを使って、生かす方向は何かという判断であげることにした。ただし、その代わりにウェイトで若干性能を落とす必要があり、ウェイトを乗せた。

Q:GT500の関係者からは、GT300が速くなってきており、危ないのではないかという意見もでているが……

坂東氏:昔は10秒ぐらいの差があったが、今は7~8秒程度。特に特にこうしたコースに来るとなかなか難しい。GT500に対して、GT300特にFIAーGT3が速くてというのは話しとしてでている。ただ、このレースはGT500とGT300が混走するというリスクを負って成り立っているレース。その場合はGT500の方がダウンフォースを減らして対処するとかする必要があるのではないか。現在安全性の観点からストレートは速くして、コーナリングスピードを落とそうと努力している。F1をはじめとして世界的には速さを追い求める傾向だが、同時に安全性は重要であり、自分としては去年よりも今年の方が安全だと考えている。

タイ戦の契約は1年契約で2018年も継続するが、時期はかつてのセパン戦と同じような時期に移動

Q:2018年のカレンダーについてはどう考えているか?鈴鹿1000kmは今年で終わりますし、タイに関しても今年で契約が終了しますが……

坂東氏:既にある程度固まっているが、27日にJAFの審議委員会というのがあって、そこに承認されなければしゃべってはいかんといわれているので……プロモーターが決めることなのに承認も何もへったくれも……お上に対して出さないといけないというので……

 鈴鹿1000kmに関してはSUPER GTとしては今年で終わり、その代替としては鈴鹿300kmレースを検討している。タイに対するものはこの間交渉にいってきたが、タイの景気がわるくなったりとか、ブリーラムのスポンサーの関係もあるのだが、2018年は継続して1年契約ずつになると話しをまとめてきた。

 ただ、ブリーラムでMoto GPをやるという動きがあり、そことどうするかという話しがでている。カレンダーの調整に関しては27日の会合でそれが明らかにされる。それから、鈴鹿の300kmになるというのは、8月の富士のレースの距離数を変える。5月は変わりません、4月は岡山にやって……ともかく10月にブリーラムにMoto GPが入る予定なので、タイ政府を含めてまだ話しがついていないが、そこの方向性で進んでいる以上は、Moto GPを尊重して、昔やっていたセパン方式の日程(筆者注:かつてセパン戦は6月の中旬から下旬に行なわれていた)に変更する方向性で動いている。そうすると、その後、戻ってきて富士になるという格好になると思います。1週間立てば、紙はでてくると思いますが……

Q:鈴鹿の300kmレースはどの時期にずれるのか?

坂東氏:だいたいは決まっていて、おそらく前半になる。

Q:今年も複数の選手がWECに参加するために富士戦を欠場したりしていたが、WEC側とさらなる調整をする可能性は?

坂東氏:我々が重視しているのはSUPER GTの価値であり、それを自分でダメにしてしまうつもりは無い。SUPER GTは日本にいるファンを大事にするレース。もちろん、ル・マン24時間レースを運営するACOやWEC側とは合わせられるところは合わせていくが、我々の想いとしては、今でもGT500でル・マン24時間レースに出走させて欲しいということがありそれは変わっていない。それらも含めて国内のレースがだめにならないように、できる範囲で協調はしていきたい。