【SUPER GT 第5戦富士】8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/小林崇志組、BS）が予選トップ。2戦連続、シーズン3回目のポールポジション

GT500でポールポジションを獲得した8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/小林崇志組、BS）

　「2017 AUTOBACS SUPER GT ROUND 5 FUJI GT 300KM RACE」（以下、SUPER GT 第5戦富士）が、8月5日～6日の2日間にわたって富士スピードウェイ（静岡県駿東郡小山町）で開催されている。8月5日は午前中に練習走行、午後に予選が行なわれ、6日の決勝レースに向けたグリッドが決定された。

　GT500は8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/小林崇志組、BS）が、前戦スポーツランドSUGO戦に引き続き2戦連続、今年3回目となるポールポジションを獲得した。GT300は55号車 ARTA BMW M6 GT3（高木真一/ショーン・ウォーキンショー組、BS）が1分37秒525をマークしてポールポジションを獲得した。

富士のGT300予選日は“BMWの日”、Q1は7号車 Studie BMW M6が、ポールは55号車 ARTA BMW M6 GT3が獲得

55号車 ARTA BMW M6 GT3（高木真一/ショーン・ウォーキンショー組、BS）

　GT300の予選1回目（Q1）は、14時半から開始された。上位14台が予選2回目（Q2）に進めるため、熾烈な争いが展開されることになった。その予選1回目でトップにたったのはヨルグ・ミューラー選手がドライブする7号車 Studie BMW M6（ヨルグ・ミューラー/荒聖治組、YH）。2位は蒲生選手がドライブする65号車 LEON CVSTOS AMG（黒澤治樹/蒲生尚弥組、BS）、3位は井口選手がドライブする61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）という順位になった。

　1位からQ2へ進める14位までの差はわずかに0.878秒。1秒以内に19台がひしめくという激戦になった。このQ1でいくつかの有力チームが脱落しており、惜しくも15位となった21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS（リチャード・ライアン/柳田真孝組、DL）、前戦の優勝チーム11号車 GAINER TANAX AMG GT3（平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組、DL）が19位となり、Q1で脱落となった。

　GT500のQ1を挟んで行なわれたQ2も引き続き熾烈な争いが繰り広げられ、次々とトップタイムが塗り替えられるタイムアタック合戦になっていった。その中で残り3分でトップタイムをマークしたのは、高木真一選手がドライブする55号車 ARTA BMW M6 GT3。終盤にはさらにタイムを縮めて1分37秒525をマークしてトップに立った。結局そのまま55号車のタイムを上回る車は現れず、55号車がポールポジションを獲得することになった。2位はQ1でトップタイムをマークした7号車 Studie BMW M6、3位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG（谷口信輝/片岡龍也組、YH）となった。

　なお上位はいずれもFIA-GT3規格の車両が占めており、JAF-GTの車両の最上位は5位になった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。ポイントリーダーの25号車 VivaC 86 MC（松井孝允/山下健太組、YH）も12位になるなど振るわず、予選の結果からは決勝もFIA-GT3勢がパフォーマンス的には分がありそうだ。

GT300クラス予選2位となった7号車 Studie BMW M6（ヨルグ・ミューラー/荒聖治組、YH）

予選3位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG（谷口信輝/片岡龍也組、YH）

GT500は8号車 ARTA NSX-GTが前戦に引き続き、今年3回目のポールポジションを獲得

GT500で3度目のポールポジションを獲得した8号車 ARTA NSX-GT（野尻智紀/小林崇志組、BS）

　14時55分から行なわれたGT500のQ1は、ここ最近の傾向どおり最初の5分はどのチームも走らず、残り時間10分を切ったところで続々とアタックにでてくる展開になった。予選中盤に松田次生選手がドライブする23号車 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI）が1分29秒423というタイムをマークし、これで決まりかと思われたがその後、46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R（本山哲/千代勝正、MI）がわずか0.097秒差の2位タイム。ニッサン1-2フォーメーションを作り上げる。トップから8位となった17号車 KEIHIN NSX-GT（塚越広大/小暮卓史組、BS）までの差は0.352と非常に僅差で、現在のSUPER GTの熾烈な争いを証明する予選となった。

　上位進出が予想された中で意外なQ1落ちとなったのは、12号車 カルソニック IMPUL GT-R（安田裕信/ヤン・マーデンボロー組、BS）。ミシュランタイヤを履く23号車、46号車がQ1で1-2となったのと比べるとコントラストがある結果になってしまった。また、レクサス勢の中で、ウェイトハンデが最も軽く上位進出が予想された19号車 WedsSport ADVAN LC500（関口雄飛/国本雄資組、YH）も14位と、こちらも意外なQ1落ちとなってしまった。

　それとは好対照にいずれも70kg以上のウェイトハンデを搭載している37号車 KeePer TOM'S LC500（平川亮/ニック・キャシディ組、BS）、36号車 au TOM'S LC500（中嶋一貴/ジェームス・ロシター組、BS）は、それぞれ3位と5位とこちらもコントラストのある結果となった。

　GT500のQ2は、15時40分から12分間で行なわれた。Q1と同じく開始数分はどの車両も走らず、時間ギリギリまでピットで待機する展開となった。残り9分で、Q1でトップタイムだった23号車 MOTUL AUTECH GT-Rを先頭に、すべての車両が徐々にでてくる展開となった。各車とも3周程度はウォームアップに時間をかけてゆっくりとタイヤを温めており、その後タイムアタックに入った。

　Q2をリードしたのは最初にタイムアタックに入ったジェームス・ロシター選手がドライブする36号車 au TOM'S LC500。しかしそのタイムをロニー・クインタレッリ選手がドライブする23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが破ってトップに立つ。それで決まりかと思われたとき、野尻智紀選手がドライブする8号車 ARTA NSX-GTがそれまでの23号車のトップタイムを0.371秒も縮める1分29秒104をマークして一気にトップに。そのままそのタイムを破る車両はなく、8号車がポールを獲得した。

　8号車は前戦スポーツランドSUGOのレースでもポールを獲得しており、2戦連続で今年3回目（開幕戦、第4戦、第5戦）のポールポジションとなっている。2位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R、3位は36号車 au TOM'S LC500となり、ホンダ、ニッサン、レクサスが1位～3位にそれぞれ別メーカーが入る展開となった。

GT500クラスの予選2位は、23号車 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI）

予選3位は36号車 au TOM'S LC500（中嶋一貴/ジェームス・ロシター組、BS）