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日産、レーシングカートの積載デモなど「NV350 キャラバン」の説明会
メディア対抗カート大会も開催
2017年8月8日 00:00
- 2017年8月3日 開催
日産自動車は8月3日、7月にマイナーモデルチェンジした「NV350 キャラバン」の詳細を解説する説明会を開催した。説明会では「NV350 キャラバン」の趣味用途での使用例として、オプションのベッドシステムを装着した車両でレーシングカートの積載デモなどが行なわれたほか、参加メディアによるカート大会も開催された。
先進安全装備をライバルに先んじて搭載した「NV350 キャラバン」
2012年にフルモデルチェンジしてから5年目を迎えた「NV350 キャラバン」。去る2017年7月13日にマイナーモデルチェンジを実施し、これまでは一部のグレードにしか設定していなかった「インテリジェント エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」と「VDC(ビークルダイナミクスコントロール[TCS機能含む])」および「ヒルスタートアシスト」をバン全車に標準装備した。
また、インテリア・エクステリアのデザイン変更を行ない、車両周辺の障害物を検知して警告する「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」をオプション設定している。
今回のマイナーチェンジの主な目的は、日産の担当者いわく「ライバル車との差別化」に加え、不足しているアイテムを補完することによるライバル車へのキャッチアップだとしている。先進安全装備を先んじて盛り込むことによって機能面の充実度を高め、オプションアイテムの拡充などによって用途と選択の幅を広げる意味合いがある。
ここで想定されている「ライバル車」とは、言うまでもなくトヨタ自動車の「ハイエース」だろう。「小型キャブオーバーバン」市場で圧倒的なシェアを誇るハイエースではあるが、日産のNV350はフルモデルチェンジを果たした2012年に、前年比でおよそ2倍の28%というシェアに急伸し、その後も25〜26%を維持している。
日産独自の予測では、「小型キャブオーバーバン」市場の全需要は2016年以降2019年まで年間10万台弱という極めて安定した数字で推移する見込み。車種の性格上、当然ながら業務用途の購入が多いが、同社の調べによるとNV350は個人の車両登録が41%と比較的多い。レジャーや買い物といったプライベート用途もそれぞれ2割前後(複数回答)に上るとのことで、ここにプライベートの趣味用途にもマッチする機能、装備を追加することで、その10万台弱のなかでさらなるシェアアップを図る考えだ。
趣味用途にも適する「トランスポーター」と「ライダー」
「プライベートの趣味用途」のなかには、マリンスポーツ、自転車、バイク、レーシングカートといったアウトドアスポーツが含まれる。そうした目的に最適なNV350のグレードとして紹介したのが、マイナーチェンジ後のNV350 キャラバンをベースにした特装車、「トランスポーター」と「ライダー」の2車種だ。
NV350 キャラバン トランスポーターは、荷室が標準でロンリューム加工の施されたフラットなフロア床張りとなっており、自転車やバイクなどを安定して積載できるほか、水や汚れに強いのが特徴。
会場で展示していたモデルには、荷室両端に腰掛け+小物入れとして使える「サイドボックス」や、床面から高さ340mmのところに設置できる「ベッドシステム」などのオプションが追加されていた。
このベッドシステムの上にはレーシングカートのような重量物を積載することも可能。今回の説明会として選ばれた場所がカートレース場の「オートパラダイス御殿場」ということもあり、レーシングカートを実際に運び入れてぴったり収まる様子をデモンストレーションした。
一方のNV350 キャラバン ライダーは、エクステリアデザインを独自のフロントマスクにしている。オプションの「プロ・スタイル・パッケージ」を用意し、本革巻ステアリングを装備するほか、フロントシートとセカンドシートを防水シートとするなど、マリンスポーツを趣味にしている人にも適したモデルとなっている。
一度に10チームが競うメディア対抗カート大会
説明会と合わせて開催されたカート大会「メディア対抗カート大会“Supported by NV350 CARAVAN”」では、Car Watchを含む8つの媒体チームと、日産広報、日産車体の主催者2チームによる計10チームが争うレースとなった。NV350のイベントということで、NV350のラッピングが施されたスペシャルデザインのレーシングカートで全チームが走行した。
最初に練習走行し、2回に分けられた予選、そして決勝レース30分が行なわれる。決勝では最低2回のピットストップと2名以上のドライバー交代が義務づけられ、各チーム2名または3名のドライバーで臨んだ。Car Watchチームは、モータージャーナリストの日下部保雄氏と筆者の2名体制。
予選は7番手と出遅れたが、リバースグリッドによる決勝レースとなり、ファーストドライバーの日下部氏が絶妙のスタートを切ってポジションアップ。オープニングラップのトラフィックの混乱もうまくかわして10分後に筆者にドライバーチェンジした。
筆者は15分ほどの間に周回遅れの2台をオーバーテイクし、レース残り5分で再び日下部氏に交代。トラブルや大きなミスもなく、最終的に5着でフィニッシュ。3位、4位に主催者である日産広報と日産車体のチームが入り、その2台がノーリザルト扱いとなったことから、Car Watchチームは繰り上がりの3位表彰台を獲得した。