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24時間耐久レースが富士スピードウェイで復活!! 2018年開催を目指す「富士SUPER TEC 24時間レース」会見レポート

「日本から世界に発信していく“アジアの耐久レース”をやっていきたい」とSTO 桑山事務局長

2017年9月2日 開催

富士スピードウェイ株式会社 代表取締役社長の原口英二郎氏(左)とSTO(スーパー耐久機構)の桑山晴美事務局長が、「富士SUPER TEC 24時間レース」について会見を開催

 富士スピードウェイではスーパー耐久シリーズ第5戦富士大会が開催中だが、9月2日の予選終了後に9月1日に発表された「富士SUPER TEC 24時間レース」について、富士スピードウェイ 代表取締役社長の原口英二郎氏と、STO(スーパー耐久機構)の桑山晴美事務局長から開催についての会見が行なわれた。

 今回発表された「富士SUPER TEC 24時間レース」は、関連記事で紹介しているとおり、10時間耐久レースで行なわれているスーパー耐久シリーズ 富士大会を、2018年度から24時間耐久レースとする計画のことである。

富士スピードウェイ株式会社 代表取締役社長 原口英二郎氏

 会見では、まず原口氏から24時間レースを開催しようと考えた経緯の説明があり、「富士スピードウェイはかねてから耐久レースをすごく大事にしているところであります。私自身の考えとしても、耐久レースは人とクルマとサーキットとの一体感が一番感じられるレースだと思っておりまして、だからこそ従来から『耐久レースの富士』というような言い方で大事にしてきました。また、富士スピードウェイは1967年に日本で初めての24時間レースを開催しているし、スーパー耐久も10年前までは十勝で24時間レースがありました。そういうことから、耐久レースのなかでも究極である24時間レースをまたやってみたいと考えました。時間の長い耐久レースに関しても、スーパー耐久で徐々にレース時間を延ばし、今年は10時間となり、開催のノウハウも貯まってきたところであります。まあ、夜間の走行についてはまだ経験がないですが、それでも我々としては踏み込んでみようか、と思ったところです。しかし、開催には色々な条件が整わないと実現しないと思っています」と語った。

 続けて「開催にあたってはさまざまな検証が必要です。とくに騒音の件については一番気にしていることで、私どもがこの地域でレースをするにあたって、夜は基本20時までと近隣の方に説明しています。24時間レースとなるとそれを越えるので、ちゃんとしたご説明をしていかなければならないと思っています。そのあたりはこれから行なっていくことになります。観客の宿泊については、すでにSUPER GTでは場内でのテント泊をOKとしていて、前回の開催では場内に宿泊する方へコンテンツを用意したりしました。そういったことも24時間レース開催へ向けてのノウハウになると思います」とのことだった。

 次にどのような24時間レースにしたいか、ということについてだが、原口氏からは「単にサーキットだけで何かやっているということではなく、地域と一体感があるような24時間にすべきだと思っています。ル・マンにしてもニュルにしても、24時間レースを開催している街はモータースポーツ文化といいますか、モータースポーツに対する理解が定着していないとできないと思うんです。そういう理解があるからこそ街ぐるみで盛り上げているのでしょう。なので我々もぜひ、この地域の方々にも盛り上げていただけるように理解活動をやっていきたいと思っています。そうして開催できる一体感のある24時間レースが望ましいです」とのことだ。

STO(スーパー耐久機構)桑山事務局長

 同じ質問について桑山事務局長からは、「24時間レースをやるといっても、過去のものと同じではダメだと思っています。現代にあった内容の24時間レースというものを日本人の力で作っていきたい。私はスーパー耐久をはじめいろいろなレースを見ていて、日本人が作るレースは素晴らしいと感じています。だから海外の力を借りることなく、日本から世界に発信していく“アジアの耐久レース”というものをやっていきたいと思っています。多くの方が“ドイツの耐久レースならニュルだ”と答えるように“日本だと富士だね”となるような世界を必ず作っていきます」と力強いコメントを語ってくれた。

 参加車両枠については桑山事務局長がコメントし、「基本はシリーズエントリーをベースに考えていきたいと思っています。エントラントさんによっては、これは負担になることもあると思いますが、ぜひ24時間レースという世界を味わっていただきたいです。クラスに関しては、おそらく来年はGT4も出てくると思うし、TCRも増えると思います。それにアジアのGT3を走っているチームも興味を持ってくると思うので検討が必要です。そういったことがありながらも、スーパー耐久の根っこにあるのはN1です。そこで個人的な思いですが、十勝で活躍したドライバーなど、私たちがリスペクトさせていただく方々も走ってもらえればと思っています。これは富士スピードウェイさんと協議が必要ですが、観客、ドライバー、関係者、そして年齢などに関係なく、みんなが1つになってやってよかったと思えるレースにしたいので、資格があるならばできるだけ受け入れていきたいと思っています」と語った。

原口社長、桑山事務局長が24時間の耐久レースについて語ってくれた。なお、「富士 SUPER TEC 24時間レース」は現在、2018年6月上旬の開催に向けて調整が行なわれている

【お詫びと訂正】記事初出時、原口社長の表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。