「SUPER GT夏祭りinメガウェブ 2009」リポート
3大メーカー、29名のGTドライバーが集結

29名のSUPER GTドライバーが勢揃いしたSUPER GT夏祭りinメガウェブ 2009

2009年8月16日開催



29名のGTドライバーが集結
 毎年お盆の時期に、メガウェブ(東京都江東区青海)ではレクサス(トヨタ自動車)系のSUPER GTドライバーが集結するイベントが開催されている。しかし、今年は日産自動車とホンダのドライバー、さらにはGTドライバーのOBも集結し、29名のドライバーによる「SUPER GT夏祭りinメガウェブ 2009」君たちの未来へ~“No Race No Life”~として、8月16日に盛大に開催された。

 3大ワークスのドライバーがこれだけ集結するというのは、サーキットでのレース以外にはなく、日本最大のドライバーズイベントといってよいだろう。夏休み、しかも無料イベントということで、朝から大勢のファンが並ぶほどのにぎわいを見せた。

 今回参加したのは29選手。5つのチーム+キャプテンズの組分けがなされ、チームごとにさまざまなイベントを順にこなして、ファンとの触れあいが行われた。各陣営を率いるのは、レクサスがLGDA(Lexus GT Driver Association)会長で36号車PETRONAS TOM'S SC430に乗る脇阪寿一選手、日産が2008年のGT500王者で1号車MOTUL AUTECH GT-Rに乗る本山哲選手、そしてホンダが18号車ROCKSTAR 童夢 NSXに乗る道上龍選手。この3人がキャプテンとして、各チームを牽引すると同時に、チームごとのトークショーで突っ込みを入れたり、ラジコン対決を行ったりした。

 なお、今回のイベントが3大ワークスのドライバーそろい踏みという大型イベントになったのは、ひとえに脇阪選手の尽力だそうで、こまめに各選手にメールを毎日のように送ったそうだ。それだけでなく、記念に販売されたTシャツにレクサス、日産、ホンダの3つのロゴを並べるという快挙を成し遂げたほか、日産車とホンダ車の現行レースマシンがメガウェブに初めて並ぶというサプライズを実現した。

今回のイベントの開催に尽力した脇阪寿一選手。レクサス陣営のキャプテン日産陣営のキャプテン本山哲選手ホンダ陣営のキャプテンの道上龍選手
左からROCKSTAR 童夢 NSX、XANAVI NISMO GT-R、PETRONAS TOM'S SC430。この3台が並ぶのはメガウェブ初

 各チームの陣容は以下のとおり。カッコ内は今シーズンSUPER GTで使用しているマシン。末尾のアルファベットのLはレクサス、Nはニッサン、Hはホンダを表し、どの陣営所属かを示す。

【イケメンズ】
・大嶋和也(KRAFT SC430[GT500]:35号車)/L
・国本京佑(今年はフォーミュラ・ニッポンのみ)/L
・立川祐路(ZENT CERUMO SC430[GT500]:38号車)/L
・細川慎弥(RAYBRIG NSX[GT500]:100号車)/H
・柳田真孝(エスロード MOLA Z[GT300]:46号車)/N

【ベテランズ】
・飯田章(OB)/L
・伊沢拓也(ARTA NSX[GT500]:8号車)/H
・織戸学(ウェッズスポーツIS350[GT300]:19号車)/L
・服部尚貴(OB、GTAドライビングスタンダードオブザーバー)/L
・星野一樹(エスロード MOLA Z[GT300]:46号車)/N

【フレッシュメンズ】
・井口卓人(COROLLA Axio apr GT[GT300]:74号車)/L
・国本雄資(COROLLA Axio apr GT[GT300]:74号車)/L
・塚越広大(KEIHIN NSX[GT500]:17号車)/H
・中山友貴(EPSON NSX[GT500]:32号車)/H
・平手晃平(DUNLOP SARD SC430[GT500]:39号車)/L
・安田裕信(HASEMI TOMICA EBBRO GT-R[GT500]:3号車)/N

【We are 帰国子女】
・荒聖治(HIS ADVAN KONDO GT-R[GT500]:24号車)/N
・井手有治(RAYBRIG NSX[GT500]:100号車)/H
・伊藤大輔(ENEOS SC430[GT500]:6号車)/L
・片岡龍也(ウェッズスポーツIS350[GT300]:19号車)/L
・金石年弘(KEIHIN NSX[GT500]:17号車)/H

【Mr.ストイック】
・石浦宏明(KRAFT SC430[GT500]:35号車)/L
・小暮卓史(ROCKSTAR 童夢 NSX[GT500]:18号車)/H
・松田次生(IMPUL カルソニック GT-R[GT500]:12号車)/N
・ロイック・デュバル(EPSON NSX[GT500]:32号車)/H
・ロニー・クインタレッリ(HASEMI TOMICA EBBRO GT-R[GT500]:3号車)/N

 なお、フレッシュメンズの平手選手がなぜ自分がイケメンズじゃないのかと訴えたり、SUPER GT2年目の伊沢選手がなぜかベテランズに入っていたり、海外のレースや選手権に参加して外国語がペラペラという紹介だった「We are 帰国子女」の中には一部アヤしい外国語もどきしかしゃべらない選手がいたりと、かなり苦しいチーム分けだったのだが、脇阪選手がかなり苦労したらしい組み合わせなので、そこはあまり深く突っ込まないでほしいところ。

オープニングには板東GTA代表取締役も登場
 イベントは、まず11時30分に富士スピードウェイのイメージガール「クレインズ」の秋葉ミキさんが登壇してのSUPER GTのレース紹介が行われた。SUPER GTの今後のスケジュールは、8月22日、23日に鈴鹿サーキットで第6戦「第38回 インターナショナル ポッカ GT サマースペシャル」が開催され、9月12日、13日には富士スピードウェイで第7戦「FUJI GT300km RACE」が開催される予定だ。

 そしてオープニングの脇阪選手の挨拶の後、SUPER GTを運営するGTA(GTアソシエイション)の坂東正明代表取締役が挨拶。第一声は、ファンならおなじみの「ちぃっす!」だ。これには、会場のファンも大喜び。「世界にはF1などの素晴らしいレースがありますが、自動車産業大国の日本にも素晴らしいレースがいくつもあります。レクサス、日産、ホンダ。この3メーカーの市販車をベースとした、技術もレースも高レベルなのがSUPER GTです。そのGTのプロドライバーがここに勢揃いしました。夢と感動と子供たちの未来を考え、モータースポーツの中から1つでも多くの夢をと考え、ドライバーたちみんなが自主的に集まりました。(脇阪)寿一をはじめ、これだけのドライバーが揃うことはレース以外ではまずありません。心から、ここに集まってくれたドライバーたちに感謝したいと思います。そして、これを許してくれたレクサス、日産、ホンダに心から感謝し、今後ともこのイベントを大きくしていけるよう、協力のほどをよろしくお願い致します。我々GTAは、ドライバー主催のイベントを支持して、一緒に歩んでいきたいと思います。多くの方に、ドライバーたちの真剣な姿も一度見てもらえるよう、サーキットに来てもらえたらと思います」と語り、鈴鹿や富士、オートポリス、ツインリンクもてぎにも足を運んでもらえるよう呼びかけた。

クレインズの秋葉ミキさんがSUPER GTのスケジュールなどを紹介GTアソシエイション代表取締役の坂東正明氏(写真中央)も登場。オヤブンらしい挨拶の言葉から始まった

各チームが30分刻みで次々とイベントを実施
 オープニング終了後、5つのチーム+キャプテンズは各イベントスペースに移動し、30分刻みでさまざまなイベントを行い、ファンとの交流を深めた。イベント内容は、メガステージでのトークショーに始まり、トークショー後のサイン会、E-COM同乗(イケメンズのみ)、ドリフト3輪車を使ったタイム計測、KIDSカート教室、動体視力チャレンジ(ベテランズのみ)、京商ラジコン大会、ドライバーズシート体験、SUPER GTチケットプレゼント抽選会などである。そして最後に全員が集合して、普段はトヨタ車の試乗用コースとして利用されているライドワンのピット前などを利用した特設コースでカート大会が行われ、フィナーレとなった。またフィナーレ後は、各ドライバーが出品したヘルメットやレーシングスーツなどのオークション大会の結果発表も実施。今回はその場でオークションを行うのではなく、あらかじめ金額を紙に書いて投函し、最も高額だった人が落札するという仕組みだった。

オークションに出品されたアイテムの数々。立川選手のヘルメットなどもあったドリフト3輪車でスタートラインに着く塚越選手。ちょっと大人にはきついサイズだラジコン大会のエキジビションレース。左から道上、本山、伊沢、伊藤、片岡、荒の6選手が出走中
メガウェブの試乗コースであるライドワンを使ってのカート大会も開かれた最後はドライバーが全員集合して記念撮影

(デイビー日高)
2009年 8月 17日