国交省とNEXCO東日本、圏央道 川島IC~桶川北本IC間を開通
上尾道路の一部区間もあわせて開通へ

新規開通した桶川北本IC

2010年3月28日開通



 国土交通省 関東地方整備局とNEXCO東日本(東日本高速道路)は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)川島IC(インターチェンジ)~桶川北本IC間5.7kmを3月28日15時に開通した。また、桶川北本ICまでのアクセス道路となる国道17号上尾道路の一部区間2個所(約4.2km、約2.1km)も、暫定2車線で開通した。

 圏央道は神奈川県、東京都、埼玉県、栃木県、茨城県、千葉県を結ぶ延長約300kmの環状道路として建設が進められている道路。2月27日に東名高速と接続する海老名JCT(ジャンクション)~海老名IC間が開通し、4月24日には常磐自動車道と接続するつくばJCT~つくば中央IC間が開通を予定している。

 今回開通する川島IC~桶川北本IC間は、すでに開通している関越自動車道 鶴ヶ島JCT~川島ICの延長部分となる。この開通により、中央自動車道 八王子JCT~桶川北本IC間が高速道路で結ばれ、その所要時間は約40分。時短効果としては、桶川市役所から入間市役所までの移動時間を90分から45分へと最大約45分短縮するなど効果が大きい。

 今後埼玉県内の圏央道は、2010年度内に東北道と接続する久喜白岡JCT~菖蒲白岡IC間が開通。2012年度には桶川北本IC~菖蒲白岡IC間が開通する。この2012年度に圏央道は、東名高速~東関東自動車道までが結ばれ、首都圏を横断する巨大な環状道路がほぼ完成することになる。

首都圏3環状の中でも最大のものが圏央道。2012年度には、そのほとんどが完成する今回開通する区間は左の圏央道5.7km。3月27日、28日にはアクセス道路となる上尾道路の一部区間も開通した圏央道は桶川市を東へと延伸し、国道17号に桶川ICを、国道122号に菖蒲白岡ICを設け東北道の久喜白岡JCTへとつながる。菖蒲白岡IC~久喜白岡JCT間が2010年度開通予定
埼玉県内の圏央道の進捗状況。川島IC~桶川北本IC間の開通で半分以上が開通したことになる桶川市役所から入間市役所までの移動時間を最大約45分短縮するなど、時短効果が大きい桶川北本IC付近のアクセス道路
桶川北本IC図。左下が圏央道 川島IC方面で、下が料金所。今回の開通ではシンプルな形態圏央道が東へ延伸した(桶川ICができた)際の桶川北本IC図。T字状の利用形態になる上尾道路、圏央道延伸時の桶川北本IC図。この図からも分かるように圏央道の延伸が先に予定されており、桶川北本IC以北の上尾道路の完成時期は未定
埼玉県知事 上田清司氏

 開通に先立って行われた開通式で埼玉県知事の上田清司氏は地権者へお礼を述べるとともに、「このたびの開通で、(圏央道の)県内延長58.4kmの6割近くが整備された。埼玉県は関越道、東北道、常磐道と3本の高規格の高速道路が南北に貫いている。そして東京外かく環状道路(外環)もあり、東京都、千葉県の区間がほとんどできていないのに対し、埼玉県の区間のみができあがっている。この川島~桶川北本IC間がさらに伸びて東北道と結ばれたとき、外環とあわせて県内で環状道路ができることになる。東京都と大阪府にも環状道路があるが、20km/h程度。埼玉県内の環状道路は80km/h程度となり、日本で初めて高速の環状道路ができることになる」と埼玉県の高速道路をアピール。

 川島IC付近での企業誘致の成功を語るとともに、新たに開通した桶川北本ICで付近でも企業誘致を目指したいとした。「この辺りの事情(企業誘致など)を踏まえて、よいコンクリートは(国に)しっかり出していただきたい。わるいコンクリートは抑えて、人から人へ、よいコンクリートからよいコンクリートへと、しっかり道路ネットワークを整えていきたい」(上田知事)と、開通式の来賓として参加した地元選出の衆議院議員であり、内閣府副大臣でもある大島敦氏に強く語りかけていた。


衆議院議員 内閣府副大臣 大島敦氏

 それを受け大島氏は来賓の挨拶で、「ご安心ください。作りやすい道路から作るのではなく、必要な道路から作るのが私たちの立場です。圏央道、そして上尾道路は地元にとって本当に必要な道路」と述べ、一部未開通の上尾道路の開通に向けて積極的な姿勢を示すとともに、関東の人の流れを変える圏央道・上尾道路は産業にとっても重要な道路と位置づけた。

 開通式では、桶川市長、北本市長、川島町長、地元選出の国会議員らによる圏央道開通への熱い期待が述べられるとともに、国交省、NEXCO東日本から道路ネットワークの完成へ向けての抱負が語られた。

 その後桶川北本IC前で、記念植樹、鋏入れ式、久寿玉開披が行われ、通り初め式が行われた。


桶川市長 岩崎正男氏北本市長 石津賢治氏川島町長 高田康男氏
衆議院議員 松崎哲久氏衆議院議員 森岡洋一郎氏参議院議員 古川俊治氏
埼玉県議会議長 小谷野五雄氏国土交通省 官房審議官 松脇達朗氏NEXCO東日本 代表取締役会長 八木重二郎氏

桶川北本IC脇では県木などの記念植樹も行われた桶川北本IC前での鋏入れ式と久寿玉開披。通り初め式の先頭車両は埼玉県警の白バイ2台
白バイに続くのは、埼玉県警のパトカー 日産「スカイライン GT-R」。パトカーの後ろに県知事を乗せた自動車が続く

 今回開通する区間は、既開通部分の延長区間となり、これまでの圏央道同様片側2車線の道路。写真で簡単に紹介するとともに、3月27日に開通した上尾道路の1部区間も紹介しておく。この上尾道路は、国道17号のバイパスとなるべく作られている道路で、国道17号と16号が交差する宮前ICから鴻巣市付近までを結ぶ。新大宮バイパス~桶川北本IC~熊谷バイパスをつなぎ、国道17号の渋滞を大幅に緩和する予定だ。

圏央道 桶川北本IC→川島IC

桶川北本ICを抜けるとY字の分岐が現れる。左は将来開通する東北道方面。右の関越道方面にしか道はないインターからの導入路を上っていくすぐに合流部が現れる
片側2車線の本線に合流開通区間は5.7kmのため、1kmほど走るとすぐにこの看板が見える多くの部分に防音壁が設置されている
一部道路外が見える場所もあるが、防音壁が多く、景色を楽しむ道路ではない川島ICで国道254号に接続

圏央道 川島IC→桶川北本IC

川島ICから桶川北本ICへと圏央道を東に向かう。防音壁が続く2車線道路桶川北本ICの表示。高速道路はここで終わるため終点表示が掲示される端末点のICのため黄色の看板が使われる
最後は急カーブとなるため警告看板が頻繁に表示される桶川北本IC直前。写真の橋脚は圏央道延伸の際に使われる。写真左が東北道方面桶川北本ICに到着

桶川北本IC近辺

桶川北本IC近辺には本田技研工業関連の施設がある。写真はホンダの所有する飛行場「ホンダエアポート」。軽飛行機やパラグライダーなどで、空を楽しむ人が多く訪れる。セスナによる夜間遊覧飛行も受け付けているミニサーキットの「桶川スポーツランド」もホンダエアポートのすぐ横にある。カートやミニバイクの走行も頻繁に行われている

上尾道路 宮前IC→上尾環状線間

大宮バイパスを東京から北へ向かうと国道16号との接続地点である宮前ICが現れる。従来は左方向(八王子方向)と右方向(熊谷/春日部)のみであったが、中央方向(17号終点)が加わった左の写真から少し進んだ分岐部。上尾と書かれている上尾方面へと向かった。現時点では片側1車線の道路
上尾道路は途中までしかできていないため、○○km先終点という標識が頻繁に現れる先ほどの写真もそうだが、片側1車線でありながら、片側3車線分の用地が確保されているのが分かる。将来的には計6車線の幹線道路となるのだろう宮前ICから分岐した上尾道路の最北端。上尾環状線に接続して終わる。この先に桶川北本ICがあるのだが、途中にある江川の環境調査の関係で、開通時期は未定となっている

(編集部:谷川 潔)
2010年 3月 29日