BMW、「MINIクロスオーバー」を日本初公開
クーパーとクーパーSを展示

2010年11月13日公開



 ビー・エム・ダブリューは11月13日、千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで、「MINI クロスオーバー」を初公開した。2011年春に発売する。価格は未定。

 同社が開催したMINIのオーナー向けイベント「MINIコネクション2010」会場に設けたブースで、日本初公開となった。

MINI CONNECTION 2010会場に見世物小屋よろしくしつらえられたMINIクロスオーバーのブース発表会はブース内で行われた。中央はバートラム・シュネック MINIマーケティング本部長

 MINIクロスオーバーは、MINIシリーズ4番目のバリエーションにして、初のクロスオーバーモデル。海外では「カントリーマン」の名が付いているが、日本国内では「クロスオーバー」と称する。

 MINI初のクロスオーバーモデルというだけでなく、初の5ドアボディーであり、また初めて4WDシステムをラインアップするモデルでもある。

 会場に展示されていたのは、直列4気筒DOHC 1.6リッターガソリンエンジンを積む「クーパー」と、同ターボ付きエンジンの「クーパーS」。クーパーSは「ALL4」と呼ばれる4WDシステムを搭載したモデルだった。

 ノーマルより高い車高に大径タイヤを履いたSUV然とした外観だが、ボディーにピラーをブラックアウトしたグラスエリアを重ねた2ボックスのフォルム、Aピラーからフロントホイールアーチにつながるボンネットのオープニングライン、台形のグリルとその両側に1灯ずつ配したヘッドライト、縦長のテールランプといった、MINIシリーズに共通する要素はしっかり備えている。

MINIカントリーマン クーパー
フロントフェンダー上部ごと開くボンネットもハッチバックモデルと同じクーパーは自然吸気エンジンを搭載する
大径センターメーターにステアリング前のタコメーターと、インテリアもハッチバックモデルと同じ
パッセンジャールームを前後に貫くレールがクロスオーバー独自の装備。リアシートはセパレートの2人がけ。レールにはさまざまなアクセサリーを装着できる
ラゲッジルーム。スペアタイヤはない

 詳細なスペックは明らかにされていないが、MINIとして初めて全長4mを超える大柄な体躯に、やはりMINIとしては最長の約2.6mのホイールベースのおかげで、後席のニールームは既存のハッチバックモデルより実に200mmも長くなり、ヘッドルームも拡大。ラゲッジルームの容量は350~1170Lと、これまたMINIシリーズ最大である。

 インテリアも、大径センターメーターやトグルスイッチ風の各種スイッチなどを備えた他のMINI同様のものだが、クロスオーバーだけ、シフトレバーの後ろからリアシート中央までつながる「センターレール」を備える。リアシートはレールにセパレートされた2人がけとなるが、同価格で3人掛けベンチシート仕様も選ぶことができる。ベンチシート仕様の場合、レールは前席のみとなる。

 会場に展示されていた2台はいずれもセパレートシート仕様。このレールにはカップホルダーや小物入れなど様々なアクセサリーを装着でき、会場の2台にはティッシュボックスやゴミ袋が付いていた。

ターボエンジンと4WDシステムを搭載するクーパーS
クーパーSのターボエンジン

 同社のバートラム・シュネック MINIマーケティング本部長は会場で「MINIは新しい次元に到達したと言える。ご覧になってお分かりのとおり、MINIクロスオーバーは紛れもなくMINI。非常にMINIらしく、そして新しいMINIのファミリーであることがすぐに分かる顔になっている」とこのモデルを紹介。

 「しかし、サイズがすこし大きくなっていて、4mある。4人が十分に乗れるスペースが確保されていて、後部座席やラゲッジルームも広くなっている」「オーセンティックなコンセプトと、SUVのDNAを併せ持った本物のMINIと言える」と、SUVらしい実用性を備えつつ、MINIらしさを失っていないことをアピールした。

 シュネック本部長によれば、2002年の導入以来、日本では累計10万台のMINIシリーズを販売。2010年10月までの販売台数は9400台で、前年比7%増。10月の前月比は実に18%増となっている。10月のマイナーチェンジによる新車効果があるとは言え、9月のエコカー補助金終了に伴って各社が業績を落とす中での好調は異例と言える。

 MINIクロスオーバーのファミリー層でも使いやすい室内とラゲッジルーム容量、高いグラウンドクリアランスと4WDシステムによる走破性を武器に、MINIユーザーの拡大を図る。

クーパーSのインテリア。パイピングされたレザーシート、シフトパドルなどを備える
リアシートの広さをアピールするシュネック本部長
クーパーSに装着されていたダブルサンルーフ。前席のサンルーフが開く

 

【お詫びと訂正】記事初出時、MINIの販売台数を誤って記述しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:田中真一郎)
2010年 11月 15日