日産自動車は、2011ニューヨーク・インターナショナル・オートショー（2011年4月20日～5月1日）に、「リーフ ニスモRC」を出展する。

　量産市販EV「リーフ」を、同社のレース部門であるニスモがレース用車両に仕立てたもの。車名の「RC」は「レーシング・コンペティション」の意。

　EVをはじめとするゼロ・エミッション車の競技を開発するプラットフォームとして作られており、実際にレースを戦えるクルマとなっている。そのため、リアシート、トランク、オーディオ、カーナビ、カーペットといった快適装備はなく、ウインドーも固定されている。

　最大の変更点はパワートレーンの位置と駆動形式で、リチウムイオンバッテリー、モーター、インバーターがフロントからドライバーの背後に移され、後輪を駆動する。急速充電ポートもリアカウル内に設けられる。

　スタイリングは日本のグローバルデザインセンターが担当。リーフのフォルムやディテールを活かしつつ、4ドアから2ドアに変更し、ドライバーが調整できる大型のリアウイングを装着。ボディーはカーボンファイバー製で、前後カウルを取り外せる3ピース構造となっている。ヘッドライトとテールランプはLEDを採用している。

　ベース車よりも全長は約2cm長く、全幅は約17cm広く、ホイールベースは約10cm長い。車高は約35cm低く、最低地上高も約10cm下げられている。重量は約938kgで、40％以上軽量化されている。

　サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン。ホイールは18インチで、P225/40 R18サイズのブリヂストンのレーシングタイヤを履く。ブレーキバランスはドライバーが調整できる。

　モーターの最高出力は80kW（107HP）、最大トルクは207lbft。テストでは0-100km/h加速は6.85秒、最高速度約150km/hをマーク。48のモジュールで構成されるバッテリーは、30分で80％まで急速充電でき、約20分間のレース走行が可能と推測している。

　同社はリーフ ニスモRCをさまざまなモータースポーツの場でデモンストレーションし、EVのポテンシャルを披露するとともに、将来のゼロ・エミッションレースを模索する。