首都高、2016年度開通予定の横浜環状北線トンネル掘削現場を公開 節電のためシールドマシンを停止 |
首都高速道路は7月5日、現在建設が進められている横浜環状北線のシールドトンネル掘削現場を報道陣向けに公開した。昨年の8月にはシールドマシンの組み立て現場を公開したが(関連記事参照)、12月6日にはシールドマシンが掘削を始め、現在約1kmほど掘り進めたところだと言う。
横浜環状北線は、第三京浜の港北IC(インターチェンジ)にできる港北JCT(ジャンクション)と、首都高速の生麦JCTまでを繋ぐ約8.2kmの高速道路。途中には3つの出入口ができる。さらに将来的には港北ICから、東名高速道路の横浜青葉ICに繋がる横浜環状北西線ができ、そして保土ヶ谷パイパスや横浜新道、横浜横須賀道路、湾岸線まで繋がる計画だ。
将来的には湾岸線まで繋がる環状線の一区画となる横浜環状北線 | 路線延長8.2kmの内、5.9kmがトンネル部となる |
港北JCTと生麦JCTの間に3つの出入口を持つ | 新横浜出入口付近から生麦出入口付近までがトンネル区間となる |
首都高速によると、横浜環状北線の開通により、新横浜~羽田空港間において、三ツ沢線を使った場合と比べ10分短縮し、新横浜~鶴見間において、一般道を使った場合と比べ15分短縮すると言う。また、国際コンテナ戦略港湾に指定された横浜港や京浜臨海部と、新横浜や港北ニュータウンといった内陸部との連絡が強化され、各拠点が一層活性化するとしている。
また、出入口周辺の街路も整備されるため、幹線道路の渋滞も緩和すると言い、それにより1年間でCO2が約5万4000t、NOXが約37t、SPMが約2t削減されると言う。
横浜環状北線の整備効果。利便性の向上や地域の活性化、渋滞緩和による環境の改善などが挙げられた |
横浜環状北線は、全長8.2kmの内、約5.9kmがトンネルとなり、そのうち5.5kmをシールドマシンによって掘削する。シールドマシンは泥土圧式と呼ばれるもので、土を泥状にして掘削する。泥水状にしてしまう泥水圧式と違い、排出する土をベルトコンベアで運べるというメリットがある。
また、今回シールドトンネルの骨格となるセグメントに、従来のコンクリート(RC)ではなく、スチールファイバーを混入したSFRCを使用。これによりセグメントの厚みを20%程度薄くしている。さらにPP繊維を入れることで耐火性能も向上しているとのこと。
加えて、従来セグメント同士はボルトによって繋いでいたが、ここでは、スライドさせながら位置決めすると、隣り合うセグメントとかみ合って自動的に繋がるワンパスセグメントを採用。これにより組み立て時間を大幅に短縮している。
通常シールドトンネルは、シールドマシンによってトンネルを掘ってから、そこに道路の路面となる床板を作るという手順で作業が進む。しかし今年は電力不足が懸念されており、特に夏場の電力は切迫することが予想されることから、7月中旬から9月初旬までの間、電力を大きく消費するシールドマシンは動かさず、すでに掘り進んだ部分の床板の工事などに専念すると言う。また、9月以降も消費電力をモニターで監視し、2機のシールドマシンを交互に運用することで、ピークの消費電力を抑えるようにすると言う。
なお、遅れていた用地買収の目処も立ち、港北JCTや生麦JCT、周辺街路など、トンネル部以外の建設も全域に渡って開始されると言う。また、横浜環状北西線もこの3月に都市計画がスタートしたため、それに合わせて港北JCTの計画も変更しているとのこと。
ただし、用地買収などの遅れにより、当初2012年度開通予定だった北線だが、現在は2016年度開通予定として工事が進められている。
港北JCTは北西線の接続も考慮した設計に変更 | 港北JCT完成模型 |
港北JCTから新横浜出入口までは2階建て構造の高架になる。写真は合成による完成イメージ |
新横浜出入口からトンネルへ入る | 新横浜出入口完成イメージ | 馬場出入口付近完成模型 |
生麦JCT側のトンネル出口は、国道1号を過ぎた子安台地区 | 高架で鉄道の上部を超える形になる | 生麦ジャンクション |
(瀬戸 学)
2011年 7月 6日