独BMW、都市向けEV「i3 コンセプト」正式発表 オプションでガソリンのレンジエクステンダーも用意 |
i3 コンセプトのライフ・ドライブ・アーキテクチャー |
独BMWは29日、次世代モビリティのためのサブブランド「BMW i」から発売される車両「i3 コンセプト」を正式発表した。BMW iブランドについては別記事を参照されたい。
i3 コンセプトはモーターとリチウムイオンバッテリーで駆動される都市向け電気自動車(EV)。同社は「プレミアムEV」と位置づける。
リアアクスルに搭載した125kW/250Nmのモーターで駆動する。車体下部はモーターやリチウムイオンバッテリーを収めたアルミ製の「ドライブ・モジュール」で、その上部にCFRPのパッセンジャールームを載せる「ライフ・ドライブ・アーキテクチャー」を採る。
軽量素材を使うことで、モーターやバッテリーによる重量増を相殺し、航続距離の伸長やドライバビリティの改善につなげる。また下部にモーターやバッテリーを置くことで重心を下げドライバビリティを向上。また後輪駆動レイアウトにより最小回転半径を小さくした。
一方パッセンジャールームはCFRPにより安全性を確保すると共に、4人と荷物のための空間を確保する。
モーターは1速トランスミッションを介して後輪を駆動する。最高速度はバッテリーの利用効率の観点から150km/hに制限されている。タイヤは細身で転がり抵抗の低いものを採用する。
オプションで「REx」と呼ばれるレンジエクステンダーユニットを用意する。これは小型のガソリンエンジンで、モーターと共にリアアクスルに設置できる。エンジンでジェネレータを駆動し、発電することで航続距離を伸ばすことができる。
アクセルペダルを離すと回生によりブレーキがかかるようになっており、減速操作の約75%をブレーキペダルを踏まずにできると言う。またアクセルペダルにはニュートラルポジションがあり、ここを利用するとモーターがタイヤから切り離され、惰性で走行距離を伸ばすことができる。
ドライビングモードには航続距離延長機能の「ECO PROモード」がある。このモードではアクセルペダルの踏み込みに対する出力が弱くなり、エアコンによるエネルギー消費を下げる。
また、よりエネルギー消費を抑えたい場合のために、ECO PRO+モードが用意されている。ECO PRO+では、エアコンなどはできる限り停止し、シート・ヒーター、ミラー・ヒーター、デイ・ランニング・ライトなどを停止し、最高速度が90km/hに制限される。
インテリアのデザインはラウンジ調。再生可能な原材料を使用し、ダッシュボードとドアパネルは天然繊維、シートは天然のなめし革となっている。室内にセンタートンネルはない。
ドライバーの前に6.5インチディスプレイ、センターコンソールに8.8インチのセントラル・インフォメーション・ディスプレイを備える。
i3 コンセプトはさまざまなドライバーアシスタンス機能を備えており、歩行者検知機能付き自動ブレーキや、パーキングアシスタンス、渋滞時に車間を維持する機能などを備える。
このほか、車外からリモートで車両の状態を把握し、バッテリーの充電や、乗車前に室温を調整しておく「プレコンディショング」などを行うことができる。
i3 コンセプト | |
全長×全幅×全高[mm] | 3845×1537×2011 |
ホイールベース[mm] | 2570 |
重量[kg] | 1250 |
モーター出力[kW/Nm] | 125/250 |
最高速度 | 150km/h |
0-100km/h加速[秒] | 7.9 |
航続距離[km] | 130~160 |
充電時間 | 100%まで6時間 60%まで1時間 |
トランクルーム | 約200L |
(編集部:田中真一郎)
2011年 7月 30日