奥川浩彦の「WTCCフォトコンテスト」攻略ガイド【激感エリア編】


 10月22日、23日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で「2011 FIA 世界ツーリングカー選手権 日本ラウンド(WTCC KENWOOD Race of Japan)」(以下、WTCC)が開催される。WTCCでは本誌Car Watchと、デジカメWatchが共催する「WTCC(世界ツーリングカー選手権)フォトコンテスト」も行われる。今回はフォトコンテストの絶好の撮影ポイントである「激感エリア」について紹介したい。

WTCCが開催される鈴鹿サーキット 東コース。激感エリアは緑の丸印の場所だ

 すでに「WTCC(世界ツーリングカー選手権)フォトコンテスト」攻略ガイドで、撮影機材、撮影方法、WTCC撮影ポイント、フォトコンテスト攻略法を3回に分けて紹介している。鈴鹿サーキットの東コースは撮影ポイントが数多くあるエリアだが、その中でも激感エリアは注目のポイントだ。

 先日行われたF1日本グランプリで4つある激感エリアの内、ストレートエンドのイン側と2コーナーのイン側の激感エリアで実際に撮影を行ってきた。直前に迫ったWTCCの撮影&観戦の参考にしていただきたい。

 ストレートエンドのイン側の激感エリアは1コーナー手前、ブレーキングの100m看板の辺りとなる。東コースで争われるWTCCでは最高速が記録される場所だ。以前はコース側のガードレールのところに関係車両が駐車されることが多かったが、現在は反対側のフェンス前に駐車用の白線が引かれているので、撮影時に駐車車両で遮られることはなさそうだ。そのため脚立なしでも撮影できると思われる。

 観戦エリアとしては高いフェンスから1コーナーとなるが、撮影に適した場所は高いフェンスの始まりの部分で、ストレートを駆け下ってくるマシン撮ることができる。カメラのファインダーの中心にマシンを置くと下側にガードレールが大きく写りこむ。フォーカスポイントを下側へ移動して撮ればほぼガードレール写り込まない。脚立を用意して少し高い位置から撮ればガードレールを気にする必要はないだろう。脚立があれば前で撮影する人の頭越しに撮影できるので撮影場所の自由度も増すだろう(脚立はまわりの人の迷惑にならないように使用していただきたい)。

 今回はF1日本グランプリの決勝前に行われたポルシェカップで撮影を行ってみた。使用したレンズは300mm(35mmフィルム換算で480mm相当)。望遠レンズでストレート方向を見ると、メインストレートを走るマシンの頭がガードレールの上にチラッと確認することができた。

 参考に撮った写真はシャッター速度を1/200秒と1/160秒で撮影している。どちらも元画像をそのままリサイズした画像と普段フォトギャラリーで掲載しているフルHD1920×1080ピクセルにレタッチ、リサイズした画像を掲載したので撮影の参考にしていただきたい。今回は単独のマシンを撮影したが、WTCCでは複数台が併走して1コーナーへ進入することが予想される。200mmくらいのレンズで複数のマシンが並んで走るシーンを流し撮りすることができるかもしれない。


ストレートエンドのイン側の激感エリア。この辺りの足下にパイロンが置かれ、これから先には行けないと思われる300mmのレンズでストレート方向を見ると、マシンの上部が見え、近付いてくることが分かる
300mmのレンズを使用しシャッター速度1/200秒で撮影した元画像をリサイズ。下部にガードレールが少し写ったレタッチしフォトギャラリーサイズ(1920×1080ピクセル)にリサイズした画像
300mmのレンズを使用しシャッター速度1/160秒で撮影した元画像をリサイズしたレタッチしフォトギャラリーサイズ(1920×1080ピクセル)にリサイズした画像


2コーナーイン側の激感エリア。東コースでは流し撮りの最高ポイント

 2コーナーイン側の激感エリアはSUPER GTなど国内レースで定番の撮影&観戦ポイントだ。2コーナーの進入部分から立ち上がりまで、かなり広いエリアが撮影対象となる。報道エリアの先のガードレールが少々気になるが、撮影後にトリミング等で対応すればよいだろう。脚立を用意すればガードレール対策と人垣対策として効果大だ。

 100mmから200mm(35mmフィルム換算では160mmから320mm)のレンズでマシンをフレームいっぱいに撮ることができる。もう少し短いレンズで後ろの観客席を入れて撮ることも可能だ。フォトコンテストのドラゴンゲート賞は「複数台のクルマが絡むバトルシーン、クラッシュシーンなどサーキットの格闘技という異名にふさわしい写真」とあるので、最もクラッシュが発生しやすい2コーナー付近はシャッターチャンスも期待できそうだ。

 参考に撮った写真はマシンをアップで撮ったのが2コーナーのクリッピングポイントから少し立ち上がった付近。背景のスタンドはC席となる位置だ。マシンだけを切り取るつもりだったので焦点距離118mm(35mmフィルム換算で190mm相当)、シャッター速度を1/200秒で撮影。トリミングした画像を見ると背景がシンプルに入りスピード感が増しているのが分かるだろうか。

 もう1枚の参考画像はクリッピングポイントやや手前付近でB席のスタンドをバックに入れ撮影している。焦点距離70mm(35mmフィルム換算で110mm相当)で撮影した。もう少し広角側で撮るとマシンは小さめとなり背景のスタンドの上部およびその上の看板、空まで入れることも可能だ。この場合はフォーカスポイントを中央から下のポイントに移動して撮影している。

 シャッター速度は1/60秒。背景の観客がそれなりに流れるように撮っている。もっと広角側で撮る場合は1/30秒くらいのほうがよいと思われる。画像は元画像をそのままリサイズした画像と、フォトギャラリーで使用しているフルHD1920×1080ピクセルにレタッチした画像を掲載したので参考にしていただきたい。


ズームレンズを使用し焦点距離118mm(35mmフィルム換算で190mm相当)、シャッター速度1/200秒で撮影した元画像をリサイズ。下部にガードレールが少し写ったレタッチしフォトギャラリーサイズ(1920×1080ピクセル)にリサイズした画像
ズームレンズを使用し焦点距離70mm(35mmフィルム換算で110mm相当)、シャッター速度1/60秒で撮影した元画像をリサイズしたレタッチしフォトギャラリーサイズ(1920×1080ピクセル)にリサイズした画像

 F1の興奮が残る鈴鹿サーキットで行われるWTCCはいよいよ今週末だ。ローソンチケットのフォトコンテスト参加者向け割引チケット専用サイト(http://l-tike.com/ms/)では特別割引販売が行われ、通常価格(当日券6000円、前売り券5000円)よりお得な4500円で観戦することが可能だ。是非、今週末は鈴鹿サーキットで格闘技レースWTCCを堪能していただきたい。


(奥川浩彦)
2011年 10月 20日