サーキット専用車「GT-R クラブトラックエディション」が2012年モデルに進化 「ニスモフェスティバル 2011」で公開 |
クラブトラックエディション2012年モデルの説明会に出席したGT-R開発責任者 水野和敏氏(右)、ノバ・エンジニアリング 森脇基恭氏(中)、ノルドリンク 鈴木利男氏(左) |
2011年12月4日発売
10,794,000円(4点式ロールケージ装着車)
11,900,000円(6点式ロールケージ装着車)
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル、ノバ・エンジニアリング、ノルドリンクからなるNISSAN GT-R特約サービス工場協会は12月4日、同日に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催されたファン感謝イベント「ニスモフェスティバル 2011」において、サーキット専用車「GT-R Club Track edition(クラブトラックエディション)」の2012年モデルを公開、説明会を開催した。価格は4点式ロールケージ装着車が10,794,000円、6点式ロールケージ装着車が11,900,000円。同日から発売している。
GT-R クラブトラックエディションは、2011年モデルの公開とともにラインアップに追加された、サーキット走行に特化したモデル。11月にベース車が2012年モデルに進化したことを受け、クラブトラックエディションにも反映。主にエンジンパフォーマンスと車体剛性の向上をポイントとして挙げているが、詳細については関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20111108_489179.html)を参照されたい。
最高出力404kW(550PS)、最大トルク632Nm(64.5kgm)に進化したV型6気筒DOHC 3.8リッターツインターボ「VR38DETT」を搭載する2012年仕様のGT-R クラブトラックエディション。価格には車両本体のほか、スタンダードタイヤ(主にウェット路面時に使用)4本とスリックタイヤ4本が含まれる |
専用装備としてビルシュタイン製の車高調整式サスペンション、スリックタイヤ、専用フロントアッパーリンク、フロント&リアデフクーラー、フロントリップスポイラー&アンダーカバー、ブレーキエアガイド、ボンネット・ピン、牽引フックなどのほか、専用ECM(Engine Control Module)、専用TCM(Transmission Control Module)、専用ABS/VDCユニットなどを装着。
また、室内ではロールケージや6点式シートベルト、はね上げ式ステアリング(φ330)を装備するほか、アンダーコート類などが剥がされることで、車重はベース車(Pure edition)と比べ70kg軽い1660kgとなっている。シートについては、オプションでレカロ製またはNISMO製を用意するが、ユーザーの体型によって好みのシートがセレクトできるようになっている。なお、クラブトラックエディションの専用品は、2011年モデルから引き継がれたものとなっている。
見るからにサーキット専用車然としたインテリア。ちなみにベース車両が日産の型式指定自動車のため、ナンバー登録させることも可能だが、その際はサーキット専用品を純正品に交換する必要がある。また、ナンバー登録の実施は新車取得後3年目以降との取り決めがある |
そのほかのスペックについては、ボディーサイズが4,670×1,895×1,360mm(全長×全幅×全高)と、全高が10mm低くなる。また、エンジン出力はベース車が404kW(550PS)、632Nm(64.5kgm)となっているが、クラブトラックエディションではそれぞれの数値に「以上」の表記が追加される。これは、ベース車のマフラーには2つのサイレンサーが付くのに対してテール側のサイレンサーがないためだが、具体的な数値については明らかになっていない。
名称 | GT-R クラブトラックエディション(2012年) |
全長×全幅×全高[mm] | 4,670×1,895×1,360 |
ホイールベース[mm] | 2,780 |
前/後トレッド[mm] | 1,590/1,600 |
エンジン | V型6気筒DOHC 3.8リッターツインターボ「VR38DETT」 |
ボア×ストローク[mm] | 95.5×88.4 |
最高出力[kW(PS)] | 404(550)以上 |
最大トルク[Nm(kgm)] | 632(64.5)以上 |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | GR6型デュアルクラッチトランスミッション |
前/後サスペンション | ダブルウイッシュボーン/マルチリンク |
前/後ブレーキ | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク |
前/後タイヤ | ダンロップ製スリックタイヤ 265/710 R20 / 290/710 R20 |
前/後ホイールサイズ | 20×9.5J インセット+45/20×10.5J インセット+25 |
定員(人) | 2 |
また、クラブトラックエディションのオーナーだけが参加できる「NISSAN GT-R Racing School」の2012年度の活動計画も発表された。
同スクールは、プロドライバーからマンツーマン形式でドライビングテクニックのレッスンが受けられるというもので、今年はスクール校長のノルドリンク・鈴木利男氏を筆頭に田中哲也選手と藤井誠暢選手らが講師を務めた。
レーシングスクールに参加するには年間契約料1,000,000円、年間受講料2,000,000円が必要になるが、この金額には各サーキットへの輸送を含む車両保管代、スリックタイヤ、ブレーキローター、ブレーキパッドといった消耗品の無償交換などが含まれている。
なお、2012年仕様のクラブトラックエディションの発表にあわせ、同スクールでのハンディキャップがないようにするために、2011年モデル所有者の車両も2012年仕様にアップグレードする。
また、説明会に出席した日産自動車 GT-R開発責任者の水野和敏氏は「スクール参加者は人ってこんなに変われるかと思うくらい、タイムが安定した。(ニスモフェスティバル前日に行った)プラクティスではウェット状態にも関わらず2分10秒、8秒、7秒、6秒、5秒とタイムを上げていった。とくに5秒台に入った周では、ウェットかつワイパーを作動しているにも関わらず(全車が)プラスマイナス0.3秒以内で周回していた。タイムというと例えば30分走行した中のベストタイムだけを論議するが、(スクール参加者の)タイムの上げ方と上がった後のタイムのばらつきを見ていても本当に安定していた」と、今年のスクール参加者のドライビングテクニックが向上したことを振り返っていた。
説明会には水野氏、森脇氏、鈴木氏が参加 |
■NISSAN GT-R Racing Schoolの2012年度活動計画
開催予定日 | 開催場所 |
2012年4月中旬 | 仙台ハイランド |
2012年6月中旬 | 富士スピードウェイ |
2012年8月下旬 | 仙台ハイランド |
2012年11月上旬 | 仙台ハイランド |
2012年12月上旬 | 未定 |
■クラブトラックエディション取り扱い店舗
・NISMO大森ファクトリー
東京都品川区南大井2-10-6 Tel:03-3763-3120
・ノバ・エンジニアリング
静岡県駿東郡小山町大御神220-1 Tel:0550-78-0329
・ノルドリンク
埼玉県入間市宮寺2723-8 Tel:04-2935-2135
【お詫びと訂正】記事初出時、ロールゲージと記載していましたが、正しくはロールケージとなります。お詫びして訂正させていただきます。
(編集部:小林 隆)
2011年 12月 5日