NEXCO東日本、「第6回 NEXCO東日本 新メニューコンテスト」開催
優勝は東北道 長者原SA(上り)の「六魂彩ーみやぎの詩」

「第6回 NEXCO東日本 新メニューコンテスト」が開催され、東北道 長者原SA(上り)「六魂彩ーみやぎの詩」がグランプリを獲得した

2012年3月22日開催



 NEXCO東日本(東日本高速道路)のグループ会社である、ネクセリア東日本は3月22日、「第6回 NEXCO東日本 新メニューコンテスト」の決勝大会を都内で開催した。グランプリに輝いたのは、東北自動車道 長者原SA(サービスエリア、上り)の「六魂彩ーみやぎの詩」。

7エリア10のレストランが決勝進出
 新メニューコンテストは、NEXCO東日本管内のSA・PA(パーキングエリア)にある43のレストランが設定されたテーマに沿ったメニューを開発し競うことでSA・PAのレストラン利用者にご当地料理や地域色豊かな新メニューを提供するためのイベント。

 前回の第5回まではご当地の食材をふんだんに使った地場料理や、地域色豊かなメニューを中心に出品していたが、今回は震災の影響もあり、被災地周辺エリアでは食材の調達に困難な場面も見られたようだ。

 そこで、東日本地域のネットワークを活用して、厳選素材を取り揃えた安心・安全なこだわりメニューによって、利用者に“元気”を養っていただき、“笑顔”になってもらうために、今回のテーマは「“みんなの元気に、みんなの笑顔に”~東日本のネットワークを活かしたこだわりメニュー~」となった。

 7ブロック(盛岡・仙台・新潟・宇都宮・水戸京葉・所沢・長野)から10のレストランが決勝に進出。会場の東京調理師専門学校で調理した料理を審査員が試食をした。

ネクセリア東日本社長 鈴木次雄氏

 審査員は、審査委員長に四川飯店の陳健一さん、特別審査員に新宿割烹中嶋の中嶋貞治さん、東京調理師専門学校副校長の柘植末利さん。審査員にフリーアナウンサーの皆藤愛子さん、タレントのギャル曽根さん、関東東北じゃらん編集長の長田佳子さん、そしてネクセリア東日本の鈴木次雄社長という顔ぶれだ。

 ネクセリア東日本社長の鈴木氏は「43店舗より選び抜かれたお店の対決で、どのような商品が出るのかとても楽しみです。サービスエリアそれぞれの個性的な施設と共に料理は出掛ける時の楽しみの1つでもあります。その地域に貢献でき、みんなが笑顔になれるような商品が出来上がり、各エリアの看板メニューとなるような物が出来上がるのを期待しています」と開会式で挨拶した。


参加レストラン一覧

ブロック道路エリアメニュー価格
盛岡東北自動車道紫波SA(上り)いわて 虹のかけはし1380円
盛岡東北自動車道岩手山SA(下り)岩手の短角和牛と山ろくの恵み膳1280円
仙台東北自動車道安達太良SA(下り)ひまわりわっぱ御膳ー復興へのかけはしー1480円
仙台東北自動車道長者原SA(上り)六魂彩ーみやぎの詩1500円
新潟北陸自動車道米山SA(上り)元気で行こう!!東日本『夢百景』1480円
宇都宮東北自動車道那須高原SA(上り)”那須の撫子”~爛漫花つづみ~1280円
宇都宮東北自動車道那須高原SA(下り)花篭御膳ー奥州街道1500円
水戸京葉常磐自動車道友部SA(上り)茨城のパワー~Let's try again~虹色ときわ路の夢1400円
所沢関越自動車道赤城高原SA(下り)元気もりもり!東北・群馬の相盛り御膳1480円
長野長野自動車道姨捨SA(下り)安曇野めぐり おひさまの笑み1500円

東北道 長者原SA(上り)「六魂彩ーみやぎの詩」
東北6県による「六魂祭」が昨年7月に仙台で行われた。全国から多くの観光客が訪れ、励ましや支援をいただいたお礼に東北6県の想いを表現したと言う。岩手県栗原市の無農薬新鮮野菜、原発問題で一時期出荷停止になった仙台黒毛和牛など厳選素材を使っている。震災の影響で宮城県亘理山元町産のホッキ貝は北海道産、宮城県女川産の銀鮭を外国産、宮城県金華サバを青森県産へと変更している。早く地元産が使えるようになれば願うばかりだ。見た目とは裏腹に880kcalと低カロリーで女性でも安心して食べられる
東北道 紫波SA(上り)「いわて 虹のかけはし」
白金豚のサムギョプサルをオリジナルの味付けにした焼肉をメインに据える。野菜との相性も抜群と言うことで彩りの野菜寿司にのせて食べる。郷土料理のせんべい汁は汁物の飲み物としてではなく食べることを意識して玉地蒸しと合わせた。茨城県のさつまいも、山形の茶豆、青森の長芋など、岩手県産もあるが、あえて他県の物を使うことで東日本が元気になって復興のお手伝いが出来たらと考えられている
東北道 岩手山SA(下り)「岩手の短角和牛と山ろくの恵み膳」
地元八幡平市で採れる長芋の根茎「むかご」を白米で炊き込み、長芋とろろをかけて食べる。長芋版親子丼の発想。低脂肪でアミノ酸をたっぷり含むヘルシーな岩手県産「いわて短角和牛」を焼き物で提供する。その他に地元産のゆり根を使ったコロッケ。長芋サラダや寄せ豆腐のキノコあんかけも地元産と今回は地産地消をより意識して作られた
東北道 安達太良SA(下り)「ひまわりわっぱ御膳ー復興へのかけはしー」
メインのわっぱ飯は復興支援プロジェクトの象徴とも言える「ひまわり」の形に。デザートには会津民芸品の「起き上がり小法師」の形をしたパンをゼリーの上に乗せて復興へ進んで行く姿を表現している。福島産のコシヒカリの上に特製味噌で炒めた伊達鶏のひき肉と錦糸卵をのせ、ご飯とご飯の間に地元産の酵母牛を入れてある。お重の中には福島県産のヤーコン、アピオスの串揚げや宮城県産の油麩が入った煮物、岩手県産の鴨のローストなど、被災3県の食材をふんだんに取り入れてある
北陸道 米山SA(上り)「元気で行こう!!東日本『夢百景』」
“この料理を食べて元気になってもらいたい”と言う想いを込めて、栄養価の高い食材が選ばれている。すっぽんからはアミノ酸、長芋からはアミラーゼ、梅干しからはクエン酸、銀鮭からは核酸など体に必要な栄養が多く摂れるようになっている。佐渡で春にしか水揚げされな銀鮭をはじめ、越後もち豚、津南地方の雪下人参、柏崎のイチジクのほかに、秋田産のいぶりがっこ、北海道産のホタテ貝など東日本の食材も使っている
東北道 那須高原SA(上り)「“那須の撫子”~爛漫花つづみ~」
体の中から元気になってもらえるように食材の組み合わせを工夫し、疲労回復・精神安定・視力減退など元気回復になるような効果効能のある食材を使っている。色鮮やかに盛りつけ見た目でも楽しめるようになっている。栃木が誇る「とちぎ和牛」は生ハムで、「とちぎ霧降高原牛」はステーキとして提供。那珂川産の稚鮎はエビチリソースをたっぷり付け那須町産のわさび菜を巻いて食べる。臭みが無く甘みがありジューシーな岩手チキンを那須産の食材と合わせてクリーム状にしてクルトンをまぶして揚げてある
東北道 那須高原SA(下り)「花篭御膳ー奥州街道」
東北の入り口である那須から、奥州街道に沿って厳選した食材を揃えている。白美人葱、ゆめポーク、桃太郎トマトや、たまり漬けチーズ・塩原大根と地元那須産の食材をずらっと揃え、青ばと豆腐は福島県産、ずんだ餅と牡蛎は宮城県産、リンゴは青森県産と東北各県を縦断するような食材を使っている
常磐道 友部SA(上り)「茨城のパワー~Let's try again~虹色ときわ路の夢」
茨城県も震災により大きなダメージを受けた。その中で虹をイメージして7品目を中心に構成。その7品目とはつくば美豚・常陸牛・きぬの波・大橋醤油・水戸納豆・メロン・奥久慈卵となる。そのほかには栃木県産のイチゴ、青森県産のホタテ貝にあんこう。岩手県産の鮭。宮城県産のいくらなど東日本全体の食材が使われている
関越道 赤城高原SA(下り)「元気もりもり!東北・群馬の相盛り御膳」
日本三大うどんの水沢うどんを中心に添え、群馬県産の榛名鶏、吉岡町の百日舞茸、昭和村産の長葱としらたき。宮城県産の仙台味噌と会津そばを福島県の磐梯山SAに紹介してもらい仕入れている。このようにSA同士の連携でも東日本のネットワークが活かされている。疲労回復に効能があるとされているビタミンB1を多く含む豚肉やクエン酸を含むリンゴを食べて元気回復出来るという。肉、魚、野菜をバランスよくボリュームたっぷりで満足出来る1品となっている
長野道 姨捨SA「安曇野めぐり おひさまの笑み」
NHK朝の連続ドラマ「おひさま」の主人公のように”どんな時も笑顔を忘れず、明るく周りを照らす”をポイントに、長野県産のコシヒカリ、信州サーモン、安曇野の代名詞のわさび、松代・千曲産の長芋、茅野産のそば、野沢菜味噌やジェラートなど地元食材をふんだんにとりいれてある。美しい水と爽やかな風が織りなす日本の原風景のような故郷安曇野のイメージを大切にしたメニューとなっている

調理中に我慢できず、ついつい手が伸びる。
 コンテストは見た目の彩りや盛りつけの工夫、独創性や実際にお客様に提供する際の価格の妥当性などを見る「視覚審査」。料理自体の美味しさや料理のバランス、価格に対する満足感にテーマに沿っているか?の「試食審査」。商品のこだわりや厳選素材などセールスポイントをPOPやプレゼンテーションに反映されているか?の「商品紹介」の主に3点で審査される。

 調理時間は1時間の指定で調理が開始された。審査員が調理をしているところをまわり、食材や調理方法について詳しく説明を聞いていた。この調理中には試食は厳禁と言われながらも、ギャル曽根さんはついつい手が伸びいろいろ試食をしていた。それに釣られたのか、審査委員長の陳健一さんも自ら包丁を手に取り食材を切り試食をしていた。

調理中に審査を行う、各審査員

 各チームから商品に関するプレゼンテーションを受けた後は、いよいよ試食審査の開始。試食審査では実際に出来上がった料理について料理長から説明を受けながら各テーブルを審査員が回った。色とりどりの料理の前に審査員の顔もついつい笑顔が溢れ、趣向を凝らした調理方法と食べ方に感心していた。

料理長からプレゼンを受けた後、試食審査を実施

美味しいだけでなく雰囲気も大事
 試食審査の結果グランプリは東北道 長者原SA(上り)の「六魂彩ーみやぎの詩」に決まった。審査員特別賞は東北道 安達太良SA(下り)の「ひまわりわっぱ御膳ー復興へのかけはしー」、常磐道 友部SA(上り)の「茨城のパワー~Let's try again~虹色ときわ路の夢」、東北道 那須高原SA(下り)の「元気もりもり!東北・群馬の相盛り御膳」に決まった。

 総評として審査委員長の陳健一さんは「今回6回目の開催となり、確実にレベルが上がっている。こういうメニューがサービスエリアで食べられると思うと驚いてしまう。美味しいのはもちろんだけど、その料理に携わっているすべての人の熱意があると、その料理もより美味しくなる。料理する人だけでなくサービスを提供する人の雰囲気や気持ちも大事だと思う。1人でも多くのお客さんに喜んで貰えるようになってほしい」と締めくくった。

 グランプリを獲った長者原SA(上り)「六魂彩ーみやぎの詩」を調理した、五十嵐博文料理長は「震災の後、自分が病に倒れ長期間現場を離れてしまった。その間レストランを守ってくれたみんなに感謝したい。今回優勝はもちろん嬉しいが、病気から復帰でき、また料理が出来た事が何よりも嬉しい」と涙ながらに語った。

総評を述べる審査委員長の陳健一さんグランプリを獲った長者原SA(上り)の五十嵐博文料理長

【お詫びと訂正】記事初出時、グランプリを獲得した五十嵐博文料理長の所属SAが誤っておりました。お詫びして訂正します。

(雪岡直樹)
2012年 3月 23日