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NEXCO東日本の「第7回 新メニューコンテスト 決勝大会」
優勝は東北道 長者原SA(上り)
(2013/3/8 14:24)
NEXCO東日本(東日本高速道路)とネクセリア東日本は、「NEXCO東日本 新メニューコンテスト 決勝大会」の第7回大会を3月7日に都内で開催した。
これは、NEXCO東日本の管轄地にあるSA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)のレストラン47店舗のシェフが腕によりをかけて創作した地域色豊かな新メニューを審査するコンテスト。地域ごとに分けられた7ブロック(岩手・秋田/宮城・福島/埼玉/群馬・長野/栃木/茨城・千葉/新潟)での予選を通過した10店舗のシェフが決勝に進出し、自慢のメニューを競い合った。
「ふるさとの味、再発見」がテーマ
今回のテーマは、「ふるさとの伝統的な食材・メニューに様々なアレンジを加えることにより、新たな視点で郷土に伝わる伝統的な料理を楽しみ、ふるさとの味を再発見」することを目的とした料理。ご当地料理や地域色豊かなメニューを各レストランが取り組んだ。
この決勝大会に進んだのは、東北自動車道 岩手山SA(下り)、東北自動車道 前沢SA(上り)、東北自動車道 長者原SA(上り)、磐越自動車道 磐梯山SA(下り)、関越自動車道 高坂SA(上り)、長野自動車道 姨捨SA(下り)、関越自動車道 赤城高原SA(上り)、東北自動車道 那須高原SA(上り)、常磐自動車道 友部SA(上り)、関越自動車道 越後川口SA(上り)の10のレストラン。
前沢SAと磐梯山SAの2チームは決勝大会初出場だが、もちろん常勝チームも決勝に進んでいる。長者原SAは6回連続で決勝に進出しており、第2回、第5回、第6回のグランプリ受賞チームだ。さらに、那須高原SAも5年連続6回目の決勝出場となるチームで、第3回、第4回グランプリに輝いた強者である。
決勝大会の審査は、会場でシェフたちが調理している様子もチェックし、各レストランからのプレゼンテーションを聞き、最後に審査員がこれを試食して採点する。
この決勝大会の審査員は、審査委員長に四川飯店のオーナーシェフ陳建一さん、特別審査員に新宿割烹中嶋の中嶋貞治さん、東京調理師専門学校副校長の柘植末利さん。審査員にタレントの新山千春さん、関東東北じゃらん編集長の大橋菜央さん、そしてネクセリア東日本の鈴木次雄社長という顔ぶれ。
ネクセリア東日本の鈴木社長は、開会挨拶で「3.11の震災以来、ふるさとのきずなやそのよさを強く感じるようになってきています。私どもは、基本的なサービスの向上を目指す“礎づくり”と、地域の特徴を活かした個性的で魅力的な店舗作りを目指す“華づくり”を基本コンセプトとしたSA/PAのレベルアップに取り組んでいます。この新メニューを通じて、多くのお客様に地域地域の味を楽しんでいただける、看板メニューにできたらと思っています。そして“クルマの旅にもう1つの喜びを”を具現化していきたいと思っています」と語った。
岩手・秋田ブロック(予選参加SA・PA 7店舗より選出)
東北自動車道 岩手山SA(下り)
「南部かぼちゃひっつみの田舎膳」
- 1280円
- 1106.5kcal
- 主な使用食材:杜仲茶ポーク/安比舞茸/南部煎餅/椎茸/長芋/干し菊/まめぶ/五穀/米/菜彩鶏/鮭
- 営業時間:7時~21時(販売時間は10時~20時)
- 客席数:86席
ひっつみ、雑穀、干し菊、くるみ味噌、あずきばっとといった岩手県北地方の地元食材を使用して素朴な岩手のイメージを再現。南部鉄器を鍋として使用し、演出にもこだわった料理に仕上がっている。一日限定20食。
宮城・福島ブロック(予選参加SA・PA 11店舗より選出)
東北自動車道長者原SA(上り)
「四季ごよみ~彩路季~one’s hometown MIYAGI」
- 1480円
- 999.1kcal
- 主な使用食材:ブロッコリー/カリフラワー/ごぼう/塩麹/ズッキーニ/カボチャ/白米/さつまいも/ミント/ラディッシュ/人参/ラズベリー塩麹/梅しそ味噌/帆立/牡蠣/しいたけ/新生漢方牛/へそ大根/プチトマト/卵/ヨーグルト/りんご
- 営業時間:7時~21時(販売時間は10時~20時)
- 客席数:78席
農村部・山間部で常食されてきた保存食品や、味噌・塩麹などの発酵食品。そして沿岸部での「浜焼き、浜汁」などの漁師料理など素朴でシンプルな料理が多い東北ならではの料理を食べやすくアレンジしたメニュー。1日限定20食。
埼玉ブロック(予選参加SA・PA 5店舗より選出)
群馬・長野ブロック(予選参加SA・PA 8店舗より選出)
長野自動車道 姨捨SA(下り)
「信濃三昧~ふるさとの恵み~」
- 1470円
- 933.4kcal
- 主な使用食材:信州サーモン/福味鶏/信州ポーク/長芋/長野県産コシヒカリ/
- 営業時間:7時~21時(販売時間は11時~20時)
- 客席数:63席
海のない長野県で長年の研究の末に生み出された信州サーモンを炙って「ひつまぶし風」にアレンジし、だし汁で2度楽しめる御飯から、そば茶をゼリーに仕立てたデザートまで信州らしさを詰め込んだ一品。1日限定20食。
栃木ブロック(予選参加SA・PA 6店舗より選出)
東北自動車道 那須高原SA(上り)
「那須の伝承~与一扇風絵巻~」
- 1380円
- 963.8kcal
- 主な使用食材:鮎/鮭切り身/大葉/白美人葱/パプリカ/みつ葉/那須豚/人参/大根/椎茸/豆腐/牛蒡/里芋/ディル/チャービル/からし菜/玉葱/トマト/きゅうり/ベビーリーフ/紅芯大根/ニラ/ニンニク/生姜/大豆/ゆず/那須鶏/とちぎ霜降高原牛/とちおとめ苺/かんぴょう/八汐鱒/那須御養卵/鷹の爪/蒟蒻/那須ゆば/高原ミニトマト/セルフィーユ/塩原大根/牛乳
- 営業時間:11時~21時(販売時間は11時~20時)
- 客席数:66席
栃木の代表的な郷土料理「しもつかれ」や「鮎飯」、土瓶に入った「巻狩り汁」などを盛り込んで、郷土の歴史にある那須与一伝とともにアレンジして仕上げた一品。扇の的を矢で射抜く表現を盛り込み、見ても楽しい料理である。1日限定20食。
茨城・千葉ブロック(予選参加SA・PA 6店舗より選出)
新潟ブロック(予選SA・PA 4店舗より選出)
調理中も審査員のチェックが入る!
コンテストは、彩りや盛りつけの工夫、独創性、価格の妥当性などを審査する「視覚審査」、おいしさや料理のバランス、テーマ性などを審査する「試食審査」、そしてセールスポイントや表現の工夫などを評価する「商品紹介審査」の3つの観点がその審査項目となる。審査委員長の陳さんと、特別審査員の中嶋さん、柘植さんのポイントは審査委員の1.5倍のポイントとなる。
各レストランは、それぞれ地元の名産品となる食材を持ち込んで、A、Bの2グループに分かれて決勝大会の調理を行う。各1時間の調理時間が与えられ、調理中も審査員が巡回し、食材や調理方法について詳しく説明を聞いていた。
時間差で調理をスタートしたAグループから、まずは各レストランのプレゼンテーションタイムとなる。審査員はその説明を受けた後に試食審査となる。Aグループの審査が終わると今度はBグループのプレゼン~試食となる。
審査の時間を経て、表彰式会場に再び各レストランの料理長および審査員全員、そして関係者が集まった。
審査委員長の陳建一さんは「ずっとこの審査委員長をやらせてもらってますが、年々レベルが上がってますね。それとそれぞれ参加されている方の意気込みが上がっているというのを感じました」とこの決勝大会の総評を述べた。
審査員特別賞は常磐自動車道・友部SA(上り)「夢で逢えたら~now&forever KOUMON」、磐越自動車道・磐梯山SA(下り)の「こらんしょ いにしえの里に」 “膳・会津の魅力“、東北自動車道・那須高原SA(上り)の「那須の伝承~与一扇風絵巻~」の3作品に贈られた。
そして、グランプリを受賞したのは、東北自動車道・長者原SA(上り)の「四季ごよみ~彩路季~one’s hometown MIYAGI」の頭上に輝いた。
このメニューを作った穂積政二料理長は、洋食を専門とする料理歴28年のベテラン。今回の受賞が発表された際には、ちょっと目頭を押さえるシーンも見られた。
穂積料理長は「昨年、前の料理長が退職いたしまして、今年は私が料理長となって初めての決勝大会ということでプレッシャーはかなりのものでした。第2回から一緒に出場させていただいてましたから慣れてはいますが、精神的にかなりのものでした。やっぱり、(料理長が)自分に代わってダメになったと言われたら悔しいですからね。グランプリを獲るのと獲らないのでは効果が全然違います。これまで5~6食しか出なかったのに、明日から20食完売するくらいのものですよ。今回の料理は、テーマ発表の前に、半年くらい前からもう考えていたんですが、それがうまくはまりましてね。前菜から始まってというコース自体に物語性というかストーリーを持たせたいということで、こういう献立にしました。かやぶき屋根の屋敷の囲炉裏端で食べる素朴でシンプルな料理というイメージですね」。
鈴木社長からは「審査員の皆さんには、ご指導・ご助言いただきましてありがとうございます。今回で7回目のコンテストになりましたが、すばらしいメニューは、甲乙つけがたい感激するものになっていた。今回の料理が新しいSA・PAの看板メニューになってファンを増やすことになったらいいと思います。ほんとうにありがとうございました」と締めくくった。