首都高、4月27日に開通する横羽線 生麦入口を公開
横浜環状北線との接続に向けレイアウトを変更

4月27日14時より供用を開始する新しい生麦入口を公開

2012年4月16日開催



 首都高速道路は4月16日、神奈川地区の事業概要に関する説明会を開催した。新たに移設して開通する神奈川1号横羽線 生麦入口の現場見学会や、5月に車線規制をして実施される浜川崎付近の工事の告知、距離別料金移行後の経過報告などを行った。

横羽線生麦入口を移設
 神奈川1号横羽線の生麦入口の移設は、新たに横浜環状北線を接続する生麦JCT(ジャンクション)の建設にあたり、その接続の都合から入口の合流の仕方を変更するというもの。移設工事に伴い、現在は出入口共に封鎖されているが、4月27日14時の新入口の開通と併せ、出口の運用も再開する。なお、生麦入口は、従来は産業道路のセンターライン側(右側)から入る形だったが、新入口では左折する形になり、料金所を通過後、スロープを大きく回って本線に合流する形となる。

 生麦JCTは最終的には神奈川1号横羽線と、神奈川5号大黒線、そして横浜環状北線と接続する。また、現在大黒線は横羽線の東京方面としか接続していないが、このJCTの完成で横浜方面とも繋がるとした。

横浜環状北線や大黒線、横羽線が接続された生麦JCTの完成予想模型今回公開された生麦入口は写真左下のループ部分だ移設前後の生麦入口の図
移設工事に伴い、4月1日より生麦入口・出口ともに通行止めになっている工事中の旧入口付近。写真手前の左手に新しい入口ができる新しい生麦入口
向かって右側がETC専用レーンとなるETC専用レーンが閉鎖される場合は左レーンがETCと現金の共用レーンとなる現金の場合は、普通車が900円、大型車が1800円だ
料金所を通過した後のスロープ部。回転半径は46mで勾配は6.6%、外側の外壁にはカーブの注意を促す赤い矢印が設置される
白線には凹凸のあるものを採用。車線を逸脱した際の警告となるほか、雨天時の視認性も向上するとのことジョイント部分ジョイント部の前後はアスファルトの目地をコンクリートで埋めている。これはジョイント部に雨水が流れるのを防ぐため
外側のフェンスは柱も太く、走行中の車両が転倒して落下するのを防ぐ内側のフェンスは外側と比べると柱は細い。万が一フェンスが倒れたときのために、最後の要としてワイヤーが貼られている下から見るとループ部はバンクがついているのが分かる。ちなみに橋梁を支える支承は免震ゴム支承だ
ループ部は約半周、170mに渡り1つの橋梁でできているため、ジョイント部が見えない横羽線との合流部。ここからは本線の橋梁の長さに合わせているため、ジョイントの間隔が狭くなる合流部を下から見る。左の本線部に右の合流部が一体で繋がっている。こうすることで進行方向のジョイントをなくしているのだ
合流部から横浜方面を見る。奥に見える工事車両の辺りが以前の合流部だ合流部から東京方面を見る。右手から伸びてくるのは大黒線だループの内側の土地は民間の土地だと言う。今後ここに何ができるかは未定

 現在建設中の横浜環状北線は、第三京浜の港北IC(インターチェンジ)と生麦JCTを接続する延長8.2kmの高速道路。新横浜から羽田空港のアクセスを10分、鶴見へのアクセスを15分短縮する。また、横浜港や京浜臨海部との接続も改善し、各拠点の活性化が期待できるという。現在用地の権利取得は98%が完了し、ほぼ全域で工事がスタートしているとのこと。2016年度(平成28年度)中の完成を目指して全力で務めているとした。

港北と生麦を繋ぐ横浜環状北線。将来的には東名高速まで接続する総延長8.2kmでトンネル部が約5.9km。トンネル掘削の模様は関連記事を参照されたいシールドトンネル部約5.5kmの内、現在約2.4km程度掘進が進んでいる
環状北線の整備効果
距離別料金移行後の交通量の変化

神奈川地区の事業概要
 今年1月1日より距離別料金に移行し、料金圏が廃止された神奈川地区だが、従来の料金圏境の断面交通量で見ると、7%程度通行量が増えたと言う。出入口別で見ると勝島で35%、大井南で30%交通量が増え、一方旧料金圏の境となっていた羽田出入口は24%の減少となった。また、距離別料金の周知徹底をさらに進めるため、ガイドブックの配布や、現金利用者へ料金チラシを配布するなど、広報活動を続けるとした。

 生麦出入口以外の工事関連では、神奈川地区の春期の工事として、横羽線の浜川崎出入口付近において、橋梁のつなぎ目を減らすノージョイント化工事を実施すると言う。工事には24時間の車線規制が必要で、5月13日と20日の2回、いずれも朝5時から翌朝5時までの24時間、規制を行う。さらに秋には湾岸線ベイブリッジ付近で鋼床版SFRC補強のため、24時間車線規制を実施するとした。

ノージョイント化のため、24時間車線規制工事を実施

 そのほか、近年歩行者や自転車、原付が首都高に立ち入る件が増加しているとのこと。2011年度には神奈川管理局管内だけで、立入りが100件発生。このうち43件は料金所スタッフにより保護され、19件は首都高のパトロールによって保護されているが、1件は死亡事故になっている。

 立入防止策として、出入口68個所に歩行者や自転車が進入禁止であることを伝える看板を設置したほか、LED注意喚起板の設置、交通安全キャンペーンでの告知などに務めていると言う。また、もし首都高を走行中に歩行者を見かけたら道路緊急ダイヤル#9910に連絡して欲しいとした。

過去の歩行者の高速道路立入件数湾岸線浮島入口や横羽線(上)横浜公園入口が特に多い看板の設置などで立入を防止
保護の状況万が一進入した場合は道路上の情報板でドライバーに警告する小中学校などへ出前講座も実施すると言う

(瀬戸 学)
2012年 4月 17日