NEXCO東日本、常磐道 守谷SAの防災拠点化実証訓練を実施
陸上自衛隊やDMATが参加した大規模訓練

守谷SAのヘリパットに着陸するNHKのヘリ

2012年9月12日実施



 NEXCO東日本(東日本高速道路)は9月12日、常磐自動車道 守谷SA(サービスエリア)の上り線において、同SAの防災拠点化を目的とした実証訓練を実施した。

 首都圏直下型地震発生時には、全国からの救援・救護が迅速に行なわれることが重要とされ、被災地に向かう自衛隊、消防などの部隊が高速道路のSAを災害時の防災拠点として活用できるようするための訓練として実施された。

 今回の訓練では東京湾北部でM7.3の地震が発生したことを想定。SA内は、高速道路内での被災者や周辺住民の一時避難にも利用されるため、水や食料、トイレ、避難用の大型テントなどを設置。自衛隊や消防隊、電気、ガス、通信などライフラインの復旧にあたる業者、災害ボランティアらが被災地に向かう集結地域にもなる。救急救命ヘリの離着陸も可能だ。

訓練はまず自衛隊の連絡員がヘリで守谷SAのヘリパットに到着するところから始まったNHKのヘリも着陸し、衛星放送機材などを搬入、設置した

 また、各通信会社の協力によって電話や無線LAN・インターネット網の整備、交通情報、気象情報などさまざまな災害情報を収集し提供を行なう。拠点内のガソリンスタンドは経産省の指定する拠点SSとして常時供給体制が取られるという。

 今回の防災訓練は高速道路上のSAを利用した防災訓練では最大のものとされ、全17の機関・企業からヘリコプター4機、車両50台、200名の人員が訓練に参加した。

守谷SAに設置された災害対策本部テント守谷SAの一部を訓練用として閉鎖して利用した今回の訓練用エリア
メルセデス・ベンツのウニモグをベースとした「衛星車」。事故や災害発生時などに現地から情報を衛星経由で提供する
通信各社も早朝から移動基地局などを展開していた
NTTドコモの移動基地局車KDDIの車載基地局車ソフトバンクの移動無線基地局車
NTT東日本の衛星通信移動無線車NTT東日本の移動電源車。発電用のガスタービンエンジンを搭載
ウェザーニュースはNEXCO東日本の気象観測車を持ち込み、現地の気象情報をリポートしていたホンダはインターナビを使った通行実績マップを提供。震災後、クルマが実際に通行した実績がある道路の情報を提供することで救助活動に役立てる陸上自衛隊のヘリによるリアルタイム映像伝送訓練。写真は岩舟JCT付近
陸上自衛隊とDMATによる患者搬送訓練「災害派遣」の横断幕を掲げて集合を完了した陸自車両

(清宮信志)
2012年 9月 19日